bjリーグが開幕! 連覇目指す沖縄、浜松の参戦に注目=バスケ

柴田愛子

浜松参戦でウエスタンの勢力図が変わるか?

昨季2位に終わり王座奪還に燃える浜松を迎えたウエスタン、勢力図に変化はあるのか注目が集まる 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

 バスケットボール・bjリーグ2012−2013シーズンが、6日に開幕する。

 王座奪還に燃える浜松・東三河フェニックスは、今季からウエスタン・カンファレンスに移動。河合竜児ヘッドコーチ(以下HC)にとっては「ウエスタンのチームは対戦回数が少ないので、全くチームのイメージがつかない」らしく、まるで新規参入したような気持ちだという。今季は選手も大幅に入れ替わり、心機一転、新たな挑戦が始まる。「昨季とスタイルを変えるつもりはない。しかし今季はさらにディフェンスを強化したい」と河合HC。今まで以上に攻撃的なディフェンスをしかけ、得意の速い展開にもっていくという。

 ランニングプレーを得意としていた岡田慎吾、友利健哉が抜けた穴は、新加入の米澤翼、大石慎之介が埋めることになる。昨季、宮崎シャイニングサンズで大きく飛躍した米澤は「宮崎で培った激しいディフェンスから、ブレークの先頭を走ってチームに活気を与えたい」と気合十分。昨季はあと一歩で3連覇を逃した浜松。会見で「負けたのは僕の力の無さです」と涙を流した河合HCは、「去年から成長した僕自身の姿、そしてチームがさらに面白くなっている姿をお見せしたい」とさらなる飛躍を誓う。王座奪還とともに史上初の東西カンファレンス制覇を目指し、チーム一丸となって戦う。

 滋賀レイクスターズはアラン・ウェストオーバーHCのもと昨季から取り組んでいるシャッフルオフェンスの進化が問われる。ジュリアス・アシュビーや岡田優ら、チームの核となっていた選手が抜けたため、新たに加わったメンバーがシャッフルオフェンスにフィットできるかが、シーズン序盤の勝敗に大きく影響してくる。

「去年、シャッフルだけにこだわり過ぎて点数が伸びなかった時間帯があるので、寺下太基はその足りない部分を埋めてくれる存在。仲摩純平は非常にスマートな選手なので、シャッフルにあっていると思うし、そういった部分でチームに欠かせない。井上裕介は大きい割にシュートがすごくうまい。シャッフルに関してはアジャストできると思っている」とポイントガードの藤原隆充が言うように、今まで足りなかった部分をカバーしてくれる選手の加入が、さらなるチーム力アップにつながっているという。毎年着実に勝率をあげている滋賀。ここ2シーズンはあと一歩ファイナルズに迫るものの、あと一歩のところで最後の砦を崩せずにいる。今季は3度目の正直になるか?

走れるバスケでプレーオフ返り咲きを狙う大阪

 大阪エヴェッサはbjリーグ創設時からプレーオフ、ファイナルズ常連チームとしてリーグを引っ張ってきたが、昨季はチーム史上初めてファイナルズを逃すなど、かつてない苦しいシーズンとなった。今季はHCおよび選手が大幅に入れ替わり、再び一からチームを作り上げる。新たに就任したゾラン・クレコビッチHCが目指すのは、「オフェンス・ディフェンスともに走れるバスケ」。外国籍選手の合流が遅れたこともあり、9月中旬までチーム練習はとにかく走り込み中心で、戦術練習のスタートは遅かった。

 開幕1カ月前に行われたプレシーズンゲームの成基カップでは、フォーメーションの形をほとんど事前に練習できなかったこともあり、チームというより個々で戦っている状態。また、HCをはじめ全外国籍選手はリーグ未経験なこともあり、ルールにとまどう場面もみられた。クレコビッチHCは「戦術練習をほとんどしていない中で、ある程度動けていた。今後はよりチーム練習を重ねることでチームとしてのまとまりが出てくるだろう」と一定の手ごたえはあったようで、外国籍選手のコンディションが上がってくればさらにチームはよくなるだろうと期待を込めた。今季、全く違ったチームへと生まれ変わる大阪。果たして強い大阪が戻ってくるのか? 期待したい。

 昨季は初のファイナルズ出場を決め、ウエスタンの勢力図を変えた京都ハンナリーズ。今年は主力を含めた大幅な選手入れ替えを行い、選手補強も上手くいったという。「昨年足りなかったピースを埋めることができ、チャンピオンシップを取れる戦力となった」と自信をのぞかせる浜口炎HC。新加入の目玉は元琉球ゴールデンキングスのディビット・パルマーだ。「チームが目指すパッシングゲームには彼の存在が必要不可欠。1対1など個人の力で打開できる頼れる存在になる」と浜口HCの期待は大きい。というのも、仙台89ERS時代から、いつかは一緒にやってみたいと恋焦がれていた選手なのだ。「今回ようやく一緒に戦うことができ、本当にうれしい」と浜口HCの思いが成就した形となった。

 勝負強さはリーグ屈指のパルマーを迎えたことで、ファイナルで必要とされる、競り勝てるチームへと生まれ変わろうとしている京都。今季のスタイルに関して浜口HCは「モーションオフェンスは継続して高めていこうと思っている。今季はよりアクティブに選手が動いてくれると思っているので、ディフェンスも前から積極的にプレスをかけていきたい」とし、よりワイドでアグレッシブなバスケを目指す。また今季は瀬戸山京介やジャーメイン・ボイェットをはじめ、新加入の片岡大晴、岡田優ら、ガード陣の層が厚く、攻撃にバリエーションが増えるのも強み。昨季はウエスタン・カンファレンス最高の12連勝をマークした京都。今季もウエスタンを大いに盛り上げる存在になりそうだ。

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