可夢偉、母国で初の表彰台なるか=F1第15戦日本GP見どころ

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世界屈指の難コース、鈴鹿サーキット

攻略が難しいコースとして知られている鈴鹿サーキット。ドライバーからの評価も高い 【写真:ピレリ】

 2012年のF1世界選手権もいよいよ終盤戦に突入し、5日より第15戦日本GPが開催される。

 舞台となるのは、三重県の鈴鹿サーキット。1987年から2006年、そして09年以降にF1を開催している日本を代表するコースだ。世界的にも珍しい、立体交差のある8の字形のレイアウトになっており、低速コーナーから高速コーナーまで多様なコーナーがある。そのため、数あるF1サーキットの中でも攻略が難しいコースとして知られており、鈴鹿をお気に入りのサーキットと語るドライバーも多い。近年は、8コーナー、9コーナーの「デグナー」でコースオフする場面が多く見られる。

 09年には、コース前半の東コースだけ路面が再舗装され、路面グリップの違いからデグナーでのコースオフが増えた。しかし、今年は残りの西コースも路面が再舗装されている。

 鈴鹿は、コース上での追い抜きが多く見られるコースでもある。最も大きなチャンスになるのは、コース終盤にあるシケインだが、1コーナーでも追い抜きを見られることがある。10年の日本GPでは、フル参戦1年目となった小林可夢偉(ザウバー)がヘアピンで何度も追い抜きを見せ、世界中のファンを沸かせた。

 また、鈴鹿には時速300キロを超える高速コーナーもあるため、タイヤへの負担が大きい。そのため、決勝ではタイヤをいたわることも必要になってくる。普段からタイヤに厳しいとされるメルセデスAMGなどは、特に苦しい戦いとなるだろう。

 タイヤサプライヤーのピレリが日本GPへ持ち込むタイヤは、4種類あるコンパウンドのうち最も硬いハードと、それよりも2段階軟らかいソフト。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、2種類のコンパウンド両方を使用しなければならない。

母国グランプリで存在感を見せたい可夢偉

 この数戦で速さを見せているマクラーレン、そしてレッドブルが今回も優勝争いの中心になると予想されている。また、「ダブルDRS」と呼ばれる新パーツを投入するとも言われるロータスが優勝をめぐる戦いに加わってくる可能性もある。そして、現在ランキング首位に立つフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)も、安定した走りで上位に食い込んでくるだろう。

 今シーズンは、チームメートのセルジオ・ペレスが2度表彰台に登る一方、戦略ミスや自らのミスによって悔しい思いをすることも多かった可夢偉。しかし、前戦シンガポールGPでは13位と苦戦しながらも、今後につながるデータを集めることができた。ザウバーは鈴鹿に向けて新パーツの投入も予定しており、可夢偉本人も「良い結果を出せる自信がある」とのコメントを残している。10年には数多くのオーバーテイクで観客を沸かせ、11年には予選で印象的な走りを見せた。母国のファンの前で自身初の表彰台に上がることができるか。奮闘が期待される。

F1第15戦日本GPは、5日(金)10時に開幕。決勝は7日(日)15時にスタートする。

<了>
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