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ランパード「最高のモチベーションで大会に臨む」
FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2012
「長年願い、夢見てきた場所にようやくたどり着くことができた」とクラブW杯への思いを語ったランパード
「長年願い、夢見てきた場所にようやくたどり着くことができた」とクラブW杯への思いを語ったランパード【Getty Images】

 フランク・ランパードは、ジョン・テリーとともにチェルシーを象徴する選手だ。ロマン・アブラモビッチ氏がオーナーに就任した03−04シーズンより以前からチームに在籍し、中心選手としてクラブを欧州屈指の強豪へと成長させてきた。


 そんなランパードにとって、昨季は最も苦難に満ち、最大の歓喜を味わったシーズンであったに違いない。ポルトをヨーロッパリーグ優勝に導き、鳴り物入りで新監督に就任したアンドレ・ビラス=ボアス(現トッテナム監督)は、スター軍団を掌握できず、チームは早々にリーグ戦の優勝争いから脱落。独自路線を打ち出そうとする指揮官の方針の犠牲になったランパードはベンチを温めることが増えていた。


 しかし、ビラス=ボアスが解任され、ロベルト・ディ・マッテオが暫定監督の座に就くと、状況は一変する。チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦のナポリ戦では、ファーストレグで負った2点のビハインドをセカンドレグで逆転。準決勝で前年王者のバルセロナを破ると、決勝では地元開催のバイエルンをPK戦の末に下し、悲願の欧州王者に輝いた。ランパードをはじめとする経験豊富な選手を中心に据えたディ・マッテオのさい配が功を奏したのだ。


 12月、ランパードとチェルシーは初となるクラブW杯に臨む。「特別な価値がある大会だと思っている。長年願い、夢見てきた場所にようやくたどり着くことができた」と彼自身もタイトル獲得に意欲を燃やしている。長年チームを支えてきた大黒柱にクラブW杯に懸ける熱い思いを聞いた。

特別な価値がある大会だと思っている

――チェルシーのエンブレム的存在の1人として多くの経験を積んできた君にとって、クラブW杯への出場はどんな意味を持つのだろう?


 ものすごく重要だよ。自分は隅から隅までクラブのことを熟知し、良い時、悪い時を何度も繰り返したこの時代を初期から過ごしてきた。たどり着くまでにどれだけの苦労が必要だったのかよく分かっているから、特別な価値がある大会だと思っている。長年願い、夢見てきた場所にようやくたどり着くことができた。これはチェルシーにとって偉大な快挙なんだ。


――クラブW杯のことを考えた時、どのような感情を抱く?


 僕らは今を生きている。今この瞬間に、目の前の試合に勝つことに集中しているから、まだクラブW杯が意味するものが何なのか考える余裕がないんだ。その前にはプレミアリーグ、FAカップ、チャンピオンズリーグといった試合が常に目の前にあるわけだからね。でも開幕が近づいていけば、徐々にこの大会に集中していくことは間違いない。今あるのはこの大会に出場できる喜びかな。ごくわずかな選手しか経験できないことだからね。この大会に出場するためには大陸王者にならなければいけない。それは非常に難しいことだ。皆がそのことを自覚し、最高のモチベーションで大会に臨むはずだよ。


――この大会の注目すべき点はどこにある?


 たくさんある。クラブ世界一を決める重要な大会であることはもちろん、過去には忘れ難い試合がいくつもあった。世界トップレベルのチームと対戦し、あの雰囲気の中でのプレーを楽しみたいと思っている。再び出場できるかどうか分からないわけだからね。チェルシーはCLで何度も苦い経験をしてきた。最後のワンプレーで喫したゴールで敗退したり(08−09シーズン準決勝のバルセロナ戦)、決勝でPK戦の末に敗れたりね(07−08シーズンのマンチェスター・ユナイテッド戦)。僕らにクラブW杯に出場するチャンスがなかったなんて誰も言うことはできない。本当にわずかな差でチャンスを逃してきたんだ。それがサッカーであり、あらゆることが起こり得る。でも今回はとうとう僕らが勝った。


――チェルシーにとって、クラブW杯の何が最も重要なんだろう?


 たくさんある。チェルシーはサッカー界のエリートの一員になるべきクラブだ。今年はFAカップとCLを制することで、ようやくそれを実現できた。今はこの地位をできる限り維持すべく、チーム力をさらに上げなければいけない。何年もこの状態が続くことを願っているよ。

まずは準決勝で勝たなければ

――12月、日本でトロフィーを掲げる姿を想像できる?


 そうなることを願っているよ。優勝に必要なものはそろっている。同じく優勝にふさわしいライバルチームのことは最大限にリスペクトしているけどね。でも僕らは自分たちの可能性を信じている。素晴らしいチームができているから。


――ディディエ・ドログバとともに出場したかったのでは?


 そうだね。彼は今の時代を通して僕らとともに戦ってきた仲間だ。日本のファンがこのような大会で彼のプレーを見ることができれば素晴らしいことだったと思う。でも人生にはこのようなことがしばしば起こる。残念ながらそれはかなわぬ夢となってしまった。


――コリンチャンスについて知っていることはある?


 いや、正直ほとんど知らない。まだ対戦相手のことは考えていないんだ。でもブラジルのチームにはポテンシャルがあり、注意すべき相手だということは分かっているつもりだよ。それに大方の予想はヨーロッパ対南米の決勝だけど、それはセオリーでしかない。試合は戦ってみなければ分からないものであり、決勝に進むためにはまずは準決勝で勝たなければならない。そうだろう?


――チェルシーが戦い慣れているほかの大会とは違い、クラブW杯には特別な準備をするのだろうか?


 監督がどのような準備をするのかはまだ分からないけど、恐らくそうなんじゃないかな。シーズン半ばの12月に行われるだけでなく、舞台も対戦相手の特徴も異なる。ほかの地域のチームは、僕らが普段対戦している相手とは異なるスタイルでプレーしてくるだろうからね。すべてが初めての体験だから、うまく状況に適応しないといけない。喜んで挑戦するつもりだよ。


(翻訳:工藤拓)


<了>


(協力:FIFAクラブワールドカップ事務局)

セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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