梅野、20連勝新鋭を2RKO撃破!=M−1ムエタイ

長谷川亮

梅野(右)が20連勝中のタイ新鋭をKO撃破 【長谷川亮】

 M−1ムエタイチャレンジ「Sutt Yod Muaythai vol.2」が24日、ディファ有明で行われ、メーンに打倒ムエタイ路線で快進撃を続ける梅野源治が登場した。

 前回、一度は敗れたゴンナパー・シリモンコンに大差の判定でリベンジを果たした梅野は、今回アンカーンレック・エクシデンコンジムを迎撃。アンカーンレックは無名の存在ながら、梅野と1勝1敗のゴンナパーに対し2戦2勝、ここ最近20連勝で上昇してきた18歳の新鋭だ。
 しかし、かなりの実力者と伝えられたアンカーンレックだが、500gの計量オーバーを犯す失態で減点1を課せられての試合スタート。梅野は開始直前、首をかっ切るポーズを見せ、怒気をはらんだ様子でアンカーンレックに向かっていく。

噂通りの実力者を豪快ノックアウト

豪快なKO勝利で聖地再出撃へ弾み 【長谷川亮】

 開始からこれまで多くのタイ人を苦しめてきたローキックを浴びせていく梅野だが、アンカーンレックは噂通りの実力でこれをカットし、梅野が試合後「重かった」と振り返る左ミドルを蹴りつける。
 試合は1Rからさっそく技術戦の様相を呈しハイペースで進むが、梅野はローとミドルを散らし、そこから顔へストレートを伸ばしてヒット。さらにアンカーンレックが放ってきた右ローをキャッチしながら右ストレートを突き刺し、ダウンを奪って1Rを終える。
 しかし、アンカーンレックは2Rに入ると左ミドルを多用して反撃を開始。梅野は先手を許しペースを握られる場面もあったが、ローとミドルを返し、アンカーンレックが放ってきた左ミドルを手で流すと即座に右ストレート。これでアンカーンレックを文字通り大の字に倒すと、2R2分31秒でのKO勝ちを決めた。

 試合後マイクを持った梅野は「強そうに見せてるけど、タイ人とやる時はオレも正直すごく怖いです。でもそういう相手に立ち向かっていく試合を見てもらって、見ている人を勇気づけたり、明日から頑張ろうと思ってもらえる試合をしていきたいです。まだそこまで響くような試合をしていないと思うので、胸を張って職業・格闘家と言えるよう頑張っていきたいと思います」とメッセージ。

 はた目にはダウンを奪い2RKOの快勝に映ったが、「20点か30点」と厳しい自己評価を降した梅野は、「タイで勝ちたい」と試合後に語り、8月に予定する聖地ルンピニースタジアムへの再出撃に向け気を引き締めていた。

2冠王・森井、判定勝ちも表情硬く

判定勝ちの森井は納得がいかず笑顔はなし 【長谷川亮】

 そのほか、WPMFとWBCムエタイ日本王座を有する2冠王のフェザー級トップファイター・森井洋介は、J−NETWORK同級王者の佐藤政人と対戦。しかしサークリングし、左右に構えをスイッチしながら変則的なパンチを放ってくる佐藤を、森井はKOを意識し過ぎる力みもあってとらえ切れずタイムアップ。3−0の判定勝ちを収めたが、勝利後もうつむき気味で笑顔は見られなかった。

 WPMF日本スーパーライト級王座決定戦は大石駿介がローキックを中心に優勢に進めるも最終5R、田中秀和がヒジで切り裂き逆転のTKOで戴冠。セミファイナルで行われたWMC&WPMF世界女子ミニフライ級ダブルタイトルマッチは、Little Tigerが2R以降パンチでとらえ判定勝ち。昨年敗れたティチャーにリベンジを成し遂げるとともに、世界2冠王に輝いた。

■M−1ムエタイチャレンジ「Sutt Yod Muaythai vol.2」Part.2
6月24日(日)東京・ディファ有明

<トリプルメインイベント3(第13試合) ルンピニースタジアム査定試合スーパーフェザー級 3分5R>
○梅野源治(PHOENIX/ルンピニースタジアム認定同級6位、WPMF世界同級王者)
(2R2分31秒 KO)
●アンカーンレック・エクシデンコンジム(タイ/エクシデンコンジム)

<トリプルメインイベント2(第12試合) 交流戦 WPMF日本フェザー級 3分3R延長1R>
○森井洋介(藤原ジム/同級王者)
(判定3−0)
●佐藤政人(フォルティス渋谷/J−NETWORK同級王者)
※30−29、30−27、30−28

<トリプルメインイベント1(第11試合)WPMF日本スーパーライト級王座決定戦 3分5R>
○田中秀和(橋本道場/同級3位、MA日本キックボクシング連盟同級1位)
(5R1分18秒 TKO)
●大石駿介(OISHI GYM/同級1位)
※ヒジによるカットでドクターストップ
※田中が新王者に輝く

<セミファイナル(第10試合)WMC&WPMF世界女子ミニフライ級ダブルタイトルマッチ 2分5R>
○Little Tiger(F.TEAM TIGER/WPMF日本女子アトム級王者)
(判定3−0)
●ティチャー・ゴー.アディソン(タイ/WMC同級王者)
※三者とも50−47
※Little TigerがWPMF&WMC世界王者となる

<第9試合 It’s SHOW TIMEルール 61kg級 3分3R>
○SHIGERU(新宿レフティージム/WPMF日本スーパーフェザー級王者)
(判定5−0)
●山口裕人(MA日本キックボクシング連盟・多田ジム山口道場/DEEP KICK65kg級王者)
※五者とも28−27

<第8試合 It’s SHOW TIMEルール 55kg級 3分3R>
○野呂裕貴(エスジム/WPMF日本バンタム級2位、元NKBバンタム級王者)
(3R1分02秒 TKO)
●闘魔(新宿レフティージム/WPMF&WBCムエタイルール日本バンタム級王者、M−1スーパーフライ級王者、元WPMF日本&元J−NETWORKスーパーフライ級王者)
※左ハイキック→レフェリーストップ

<第7試合 It’s SHOW TIMEルール 65kg級 3分3R>
○藤田ゼン(エイワスポーツジム/元・日本ウェルター級1位)
(判定5−0)
●丸山準一(バンゲリングベイ・スピリット/WPMF日本スーパーウェルター級3位)
※30−29、30−28、30−28、30−29、30−29

<第6試合 It’s SHOW TIMEルール 70kg級 3分3R>
○小西拓槙(M−BLOW)
(3R1分05秒 TKO)
●亮次(エイワスポーツジム)
※パンチ連打

<第5試合 WPMF日本ルール 77kg契約 3分3R延長1R>
○入月健一(S.V.G/ミドル級1位)
(3R2分28秒 TKO)
●ランボー(フリー)
※ヒザ蹴り→レフェリーストップ

<第4試合 WPMF日本ライト級ランキング戦 3分3R延長1R>
○増田卓仁(ウィラサクレック・フェアテックスジム/同級9位)
(3R1分57秒 KO)
●平野将志(インスパイヤードモーション/元NJKF同級4位)
※右ストレート

<第3試合 WPMF日本バンタム級ランキング戦 3分3R延長1R>
○三好純(y−park/同級5位)
(判定3−0)
●よーじろー(ウィラサクレック・フェアテックスジム/同級10位)
※30−28、29−28、29−30

<第2試合 WPMF日本フェザー級ランキング戦 3分3R延長1R>
○斎藤拓也(バンゲリングベイ・スピリット)
(判定2−1)
●立澤敦史(C.M.A/同級8位)
※30−29、30−29、28−30

<第1試合 WPMF日本ミドル級 3分3R延長1R>
○伸彦N720(エイワスポーツジム/WPMF日本スーパーウェルター級10位)
(判定3−0)
●柿崎孝司(ウィラサクレック・フェアテックスジム)
※30−27、30−28、30−28
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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