石川遼が米国遠征で手にしたチャンスとシード権への重圧
米ツアーの制度変更も背景に シードを取るなら今季が勝負
遠征2戦目の「ザ・メモリアルトーナメント」では強豪の中でトップ10に入る健闘を見せた 【Getty Images】
今年のマスターズでローアマチュアになったパトリック・カントレイ(米国)がプロ宣言してトラベラーズ選手権に臨んだのも、そうした改変をにらんでのものだろう。石川としても、やはり制度変革の前にシードを確定しておきたいという思いがあったはずだ。
それがプレッシャーになっていたとは思えないが、全米オープンの初日15位タイからの予選落ちや、トラベラーズ選手権での初日の出遅れなど、内容からすると得意のアプローチにさえがない結果だったように見えた。
「飛距離より精度」――方向転換への試行錯誤
技術面にせよ、マネジメントの面にせよ、こうした試行錯誤を練習ならともかく、実戦で試すのがスコアメークの妨げになっているのではないかとする批評を耳にすることがある。しかし、「いくら練習でできても、試合でできなければできないのと同じ」というのは石川家の家訓でもある。臆せずトライし続ければ、これぞ石川遼のゴルフと言えスタイルが確立できるはずだ。
今回の5試合を終えて、シードに関しては「確定というところまでいきたかった」と石川。しかし、90万ドルはもうすぐ手の届くところまで来ている。来季の米ツアーのシード権はほぼ掌中にしたと言っても良いだろう。昨年、ルーク・ドナルドは、欧州と米の両ツアーの賞金王になった。石川遼も……、と期待してしまうのは、期待のし過ぎであろうか。
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