「肉でも魚でもない」チェコに躍進は期待できず=チェコ 1−0 ポーランド
これ以上の成績を収めるとは考えにくい
グループ首位通過を決めたチェコだが、手堅いだけのチームではこれ以上の成績は望めない 【Getty Images】
ドイツ語には、こんな言い回しがある。「Weder Fleisch, noch Fisch(肉でも魚でもない)」。わたしの母国語であるセルビア語にも、「Niti smrdi, niti mirise(くさくもないし、良いにおいでもない)」という、似たような表現がある。おそらく、皆さんの日本語にも同じような格言があることだろう。これら2つの慣用句は、分類しにくい人物に対して使われる。そして、今のチェコ代表にも当てはまる言葉である。彼らに名札を付けなくてはいけないのなら、「手堅いチーム」となるだろう。だが、それ以上でもそれ以下でもない。そして、手堅いだけでは、ユーロ(欧州選手権)のような大舞台で輝かしい成功を収めることはできない。準々決勝進出はチェコにとってすでに上出来な成績であり、彼らがこれ以上の成績を収めるとは考えにくい。
世界的な選手を数多くそろえていた04年のチーム
何しろ今のチェコは、GKのペトル・チェフがここ8年間で7度のチェコ年間最優秀選手に輝くようなチームなのだ。そして、予選でのチーム得点王は、PKからの3点を含む4ゴールを決めた左サイドバックのミハル・カドレツであり、バロシュ、トマーシュ・ペクハルト、トマーシュ・ネチド、ダビド・ラファタといったFW陣は4人合わせて2ゴールだった。これが、今のチェコ代表の現状なのだ。
チェコで最高の“フィールドプレーヤー”であるトマーシュ・ロシツキーは、孤軍奮闘して何度か輝かしいプレーを見せかけたが、コンディションが万全でないのは明白だ。ギリシャ戦には前半45分間だけしか出場できず、このポーランド戦はアキレスけんの負傷で欠場した。彼がけがに悩まされることが多いのは非常に残念なことだ。あと数カ月で32歳を迎えるロシツキーにとって、今大会は主要国際舞台での白鳥の歌(最後の晴れ舞台)となる可能性が高いのだから。
もっと魅力的なプレーを披露するかもしれないが
しかし、もしかすると、すでに現実的な目標を達成した上で臨む準々決勝では、全くプレッシャーを感じず、失うものがない状況下で今までよりもっと魅力的なプレーを披露してくれるかもしれない。ピラルと、この試合で決勝点を決めたペトル・イラチェクは好調を保っている。ほかの選手たちも彼らと同じようなレベルでプレーできれば、われわれは今までとは違うチェコを目の当たりにするかもしれない。だが、少なくとも今のわたしは、そうなることが想像できない。
<了>
翻訳:田島大(フットメディア)
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