ロンドン前哨戦で吉田の連勝がストップ 五輪出場選手の4者4様の結果=女子レスリングW杯
マットに涙のキス! 浜口がロンドンで引退示唆
「日本で試合をするのが最後だと思った」と語った浜口はマットにキス。 【写真は共同】
ただ、勝利の代償も高くついた。ワン戦で2箇所ほど負傷したことが影響し、大会最終日の決勝ではフォール負けで「何もできなかった」と唇をかみ締める結果になってしまった。
試合終了後、1人マットに登った浜口は、マット中央にキスをした。意味を問われると20秒以上沈黙した後、涙を流して、「ロンドン五輪がありますけど、日本で試合をするのが最後だと思ったので、負けても勝っても最後は自分がやりたいことをやろうと思った」と“日本”に向けて別れの儀式だったことを明かした。
ラストマッチとなる可能性が高くなったロンドン五輪で、浜口は3大会連続のメダル獲得を成し遂げ、レスリング人生の集大成を飾ることができるか。
小原、48キロ級悲願の金メダルなるか
小原は元51キロ級の選手で、同時代には6度も世界女王になっている折り紙つきの選手。2度の引退を経て、ロンドン五輪を目指して10年に48キロ級で再復帰した。10年、11年と世界女王に君臨し、30歳で迎えるロンドン五輪では、吉田、伊調と同じく金メダルの本命として臨む。だが、48キロ級は世界でも層が厚くてレベルが高く、日本選手に見劣りしない好敵手が数多くいるのが特徴だ。
今大会でも小原と互角に戦ったのは中国とロシア。ともに1ピリオドを先取さてしまった。「一番の反省点は、グラウンドが全然だめ。グラウンドでも失点したので、ディフェンスを磨き、アンクルホールドで攻撃もできるようにしたい」
ただ、収穫は十分にあった。他の3選手が3度目の五輪と経験があるのに対し、小原は初代表。10年に初めて五輪マークをつけて臨んだ広州アジア大会では、国際戦初の黒星を喫した。「五輪代表に決まってから、すごく不安があった」と語るなど、不安な状態で迎えたW杯で全試合勝利できたのは大きかった。予選リーグは3試合ともに1番手を務めて日本に勢いをつけ、決勝は4番手としてチームの優勝を決定付けた。「課題も見つかり、五輪に対して自信とやる気が出てきた」と小原にとって、W杯は五輪へのいいステップになったようだ。
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