スーパーボウルの見どころ 4年前のリベンジか、それとも歴史は繰り返されるのか=NFL
格段に改善されたジャイアンツのランオフェンス
ジャイアンツの攻撃主力陣。左からWRニックス、RBジェイコブス、WRクルーズ、QBマニング 【AP Images/NFL JAPAN】
今季自己ベストの4933ヤードパッシングでチーム記録を更新したQBイーライ・マニングはプレイオフでは61.8%のパス成功率で、8TDパスに対し被インターセプトはわずかに1と抜群の安定感を発揮している。彼の活躍はブレイクシーズンを迎えたWRビクター・クルーズ、プレイオフだけで4TDをマークしているアキーム・ニックス、同じく3TDのマリオ・マニンガムに支えられている。
シーズン前はほぼ無名だったクルーズは1536ヤードレシーブでチーム記録を樹立した。68ヤード以上のTDパスキャッチが5回というデータからもうかがえるようにビッグプレイメーカーだ。ランアフターキャッチで距離を稼ぐことが得意で、ディフェンスのタックルミスは致命傷となる。プレイオフではTDパスキャッチがないが、代わりにアキームやマニンガムが活躍するという理想的なバランスが構築されている。
RBアーマド・ブラッドショーとブランドン・ジェイコブズのランは4年前ほどオフェンスの核として使われることはない。しかし、シーズン終盤にオフェンスライン(以下OL)のブロッキングが改善され、ブラッドショーも故障から復帰したことでランがコンスタントに出るようになった。ジェイコブズのパワフルなランはショートヤードを確実にゲインしたいときに有効で、ボールコントロールにはうってつけのバックである。
ペイトリオッツディフェンスはパスの脅威を削げるか
不安の多いセカンダリーだが、AFC決勝ではニッケルDBの新人スターリング・ムーアがレイブンズWRリー・エバンスの手からボールをたたき出してTDを阻止し、さらにTEデニス・ピッタへのパスをカットするなど残り30秒以内で二つのビッグプレイを見せた。パスで距離は許しても要所でこうしたプレイが発揮されれば失点を抑えることが可能だ。
プレイオフではノーズタックル(以下NT)ビンス・ウィルフォークのパスラッシュが好調で2.5サックを決めている。これにレギュラーシーズンで10サックを計上したマーク・アンダーソンと6.5サックのロブ・ニンコビッチの本領が発揮されれば、マニングにプレッシャーを与えることでパスの脅威を削ぐことができる。
キッカーはスティーブン・ゴストコウスキー(ペイトリオッツ)、ローレンス・タインズ(ジャイアンツ)ともに脚力があり、クラッチキック(試合を左右する重要な場面でのフィールドゴール=FG)の経験も豊富だ。ルーカス・オイル・スタジアムがドームであることを考えれば45ヤードの距離なら3点を計算できる。リターンゲームはキックオフリターンではプレイオフで平均32.3ヤードをマークしているウッドヘッドがペイトリオッツにいいフィールドポジションを与えている。ジャイアンツはパントカバーが厚く、相手オフェンスに自陣深くからのスタートを強いてパスラッシュでプレッシャーを与えるという連携がうまくとれている。
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