バルサの毒薬を飲んだサントス=敗北を説明する言葉はない
またひとつ貴重な敗北を味わうチームができた
メッシ(左)とは対照的にノーゴールに終わったネイマール(右)は「この負けが向上につながるはず」と話すのが精いっぱい 【写真は共同】
今シーズンは特別強いと言われるレアル・マドリーでさえ、バルセロナを前に何ができたのだろう。モリーニョ監督でさえ、すべを考えあぐねる相手に、ラマーリョ監督が何をどうすればよかったのか。「パシエンシア(忍耐)だった」と選手たちは口をそろえて言った。
試合終了後、ピッチで見せたもの以上に、何の説明が必要なのかといった暗い面もちで選手たちはミックスゾーンを歩いていた。バルセロナの圧倒的なパス回しにじっと耐え、どこからゴールを狙いに来るか分からないまま、ボールの行方を追うしかなかったと。
サントスにとってこの1年は決して今回の敗戦のように暗いものではなかった。元ブラジル代表エラーノが「サンパウロ州リーグ、コパ・リベルタドーレスと2つのタイトルを獲得した良い1年だった」と話すように、選手たちにとってクラブワールドカップという舞台に立つことが、すでに大きな成果だった。
「サントスだけが0−4で負けたわけじゃない。欧州のビッグクラブだって、負けるたびにバルサの強さを肌で感じてきた。突出したバルサに敗北したことは、決して恥ではない」とキャプテンのエドゥ・ドラセナが言えば、GKラファエウは「バルサはどのチームとも比べられない。ほかのチームだったら、サントスは対等に戦えたはずだ」と強がった。
ノーゴールだったネイマールは「グアルディオラ監督も、こうして強くなるには、いっぱい負けを味わったと言っているのを聞いたことがある。僕たちにとってもこの負けが、向上につながるはずだ。このことをブラジルに持ち帰りたい」と気丈にふるまった。
この地球上に、またひとつ貴重な敗北を味わうチームができた。それがサントスだったのだ。多くのチームがこの敗北を味わってきた。そして今回、バルセロナの強さを、ブラジルのチームが大舞台で感じることができたのだ。
バルサはバルサ。それ以上、サントスの敗北を説明する言葉はないのだ。
<了>
翻訳:大野美夏