トーセンジョーダン、超速レコードで盾制覇!=天皇賞・秋
かつてのクラシック候補、遅咲きの戴冠
期待の素質馬が遅咲きの初戴冠、JCは堂々の主役として臨む 【写真:中原義史】
そう喜びを語ったのは、2週連続でGI美酒を味わった池江調教師。もともとクラシック候補との呼び声高かったものの、2度の裂蹄により長期休養を余儀なくされ、一生に一度の大舞台に立つことが叶わなかった。しかし、円熟の5歳を迎えての初ビッグタイトル戴冠。3歳時の悔しさを晴らす大仕事に、トレーナーの感慨もひとしおだろう。
今後のローテーションに関して、「夏の札幌記念を使う時点から秋は天皇賞・秋→ジャパンカップ→有馬記念と思っていましたので、予定通り行きます」。距離が2400メートルに延びることも「2000メートルはやや短いかなと思っていたくらいで、長い方がいいタイプです」というのだから、今度は“主役”として秋の大一番を迎えることになりそうだ。
それはピンナも太鼓判。「きょうのレースはとても強かった。これだけの強い内容で勝てたんですから、ジャパンカップも十分にチャンスだと思います」。しかしながら、ピンナ自身は合計3カ月の短期免許を今年はすべて使い切ってしまったために、1カ月後のジャパンカップは騎乗できず。新たなジョッキーの人選は今後調整されるとのことだ。
オルフェーヴルが三冠を制し、またきょう府中で新たな古馬王者が誕生。5着トゥザグローリーも内容は悪くはなく、こちらも距離延びるジャパンカップで大きな期待が持てそうと、まさにキラ星のごときスターホースの宝庫となった池江厩舎。「有馬記念にはたくさんの馬を出したいと思っていますので」とトレーナーが語ったとおり、JC、そしてクリスマス有馬決戦と、池江厩舎の快進撃はまだまだ続く。
女王まさかの4着……岩田「申し訳ないです」
まさかの4着に終わったブエナビスタ、JCでの反撃はあるか 【写真:中原義史】
「申し訳ないです」
レースは先行馬を見る形でインぴったりを追走。番手としては申し分ない位置取りだったが、4コーナーではそれが仇となる形でゴチャつき、詰まる場面も。
「行き場がなくなったんですけど、そこを力で伸びていってくれました。根性のある馬です」
だが直線、激しく追い上げたゴール前でも再び外からヨラれてしまい「馬がヒルんでしまった」と万事休す。「よく伸びているんですが……申し訳ないです」と、岩田は肩を落とした。
女王としてはショックの大きい敗戦ではあるが、スムーズに追えない場面がありながら勝ち馬とは0秒3。調教では思ったように動かず、太め残りも懸念された中での4カ月ぶりのレースだっただけに、松田博調教師は「まあ、これで次はもっと良くなるやろう」と前向きのコメント。次走、昨年無念の降着を味わったジャパンカップ(11月27日、東京2400メートル芝)での巻き返しを誓った。