残り1分! ライトルが劇的一本勝ちで現役引退=UFC Live

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ベン・ヘン、王座挑戦を再び手繰り寄せる完全勝利

ベン・ヘンは予想を覆す完全勝利でミラー撃破 【Zuffa LLC via Getty Images】

 サウスポー同士の対戦は、スピーディな右ジャブの交換で始まった。ミラーが右ボディストレートを放ち、徐々に距離を詰めていくと、パンチ、右ローでプレッシャーを与えたが、ベン・ヘンも右を放っていく。

 初めての組み合いでは、ベン・ヘンがミラーをケージに追い込むが、これをミラーが押し返し、珍しいオクタゴン中央でのレスリングが続く。すると、ムエタイ流の立ち肩固めからミラーがベン・ヘンの背中に飛び乗っていった。

 やや苦しげな表情を浮かべながら、最終的にはテイクダウンを奪うようにトップを取ったベン・ヘン。ミラーはラバーガードを見せるも、グラウンドに居座るつもりはないようで、すぐに立ち上がる。

 その際にハイキックを見せたベン・ヘンが背中に回ると、ミラーはキムラアームロックへ。再びその態勢のまま、テイクダウンを奪ったベン・ヘンはパウンドを落とす。ギロチンも逃げられ、上を取ることができないミラーは、足関節狙いもパウンドを受け、劣勢のイメージを残して1Rを終えることになった。

 2R、前蹴りを二つ見せたベン・ヘンが、右ストレートを伸ばす。ミラーは右フックを返し、さらに大きな振りの右を見せるが、ベン・ヘンはエルボーから両ワキを差してテイクダウンを奪う。

 ガードを取ったミラーは、右目尻をカットし流血している。ミッションコントロールから、再びヒザ十字を狙うミラーだが、ベン・ヘンはエルボーからパウンドを連打。ここでヒザ十字を仕掛けたミラーだが、ベン・ヘンは足が伸びても尚、向きを変える。同時に立ち上がったミラーだが、トップは奪えず、ヒールフックへ。

 ベン・ヘンは強烈なパウンドから、立ち上がったミラーをダブルレッグで倒す。立ち上がり、アームロックと徹底して関節を狙うミラーだが、ポジションを奪っていない捨て身の技のように感じられなくもない。

 しっかりと腕を引き寄せ、クラッチを解いたミラーは、エルボー、パウンド、肩パンチと動きを止めない。懸命に足を取りに行くミラーに対し、ベン・ヘンはパウンドを落とし続けて、2Rを終えた。

 最終回、2R分のビハインドを背負ったことが濃厚なミラー。ベン・ヘンは観客を煽り、さらに気分を高揚させる。そんなベン・ヘンのローに、右フックを合わせるミラーだが、ベン・ヘンが右ジャブ、ローキックで跳ね返す。

 ローキックでバランスを崩したミラーだが、右をヒットさせ押し込むようなダウンを奪う。すぐに組みつき、テイクダウンを取り返したベン・ヘンは、振りの大きなパウンドからバックマウントへ。

 ミラーは立ち上がると、前方に一回転するが、ベン・ヘンはしっかりとポジションをキープし、リアネイキドチョークからパンチ、エルボー。自らサイドに戻ったベン・ヘンは、潜ってくるミラーに容赦ないエルボー、パンチを落とし続ける。

 残り1分、尻もちをつきケージを背にしたミラーは、再び背中をキャンバスにつけパウンドを受けると、組みつきに行く。ここでギロチンを見せたベン・ヘンは、最後の5秒でスタンドに戻り、打撃戦のなかで試合終了を迎えた。

 予想を覆し、ミラーを圧倒したベン・ヘン。WEC最後の大会で王座を失い、遠のいたUFC王座挑戦の機会を再び手繰り寄せる3−0完全勝利となった。

セラーニ快勝、組み付くことすら許さず

 勢いよくローキックを放つセラーニが、前に出て首相撲からヒザを見せる。組みつきたいオリヴェイラは、左ジャブを放つも、セラーニにローを合わさせる。
 
 さらにテンカオを決めたセラーニは、オリヴェイラに組みつくことを許さない。だが、ここでセラーニの放った右ローがオリヴェイラの急所を直撃。再開後も、セラーニは打撃でプレッシャーを与え続けた。

 首相撲からヒザを狙うオリヴェイラだったが、打撃ではセラーニが一枚も二枚も上手だ。ならばと、テイクダウンからグラウンド勝負に出たいオリヴェイラだが、セラーニは組みつくことを許さない。

 左ボディフックが利き、引き込んだオリヴェイラ。みぞおちに拳を受け、動けなくなると、そのボディに連打を落とし、続いては顔面を標的に。なす術なく殴られ続けるオリヴェイラを見てレフェリーが試合をストップした。

ラドウィック、攻め手が散るサダローを撃破

 ストライカー同士の対戦。まずはサダローが前蹴りから左ローを見せる。ケージにラドウィックを詰め、パンチを放つも、ラドウィックもヒザを返していく。ここでサダローは組みつき、幾度となく両者が態勢を入れかえる中、互いにヒザを突き上げる。首相撲の攻防では、内側を取ったラドウィックがヒザを狙うと、サダローがダブルレッグに切り替える。

 これを耐えたラドウィックは、再びケージにサダローを詰めるが、互いに距離をとり、オクタゴン中央付近で打撃の交換が始まる。ハイや右フック、ボディを見せるラドウィック。さらにミドルやハイと、蹴りではラドウィックが攻勢か。さらに左ジャブ、右フックを打ち込むラドウィックの左フックでサダローの腰が一瞬落ちる。

 組みついてケージにラドウィックを押し込もうとしたサダローだったが、打撃戦に戻ると、ボディへのフック、右フック、左ハイ、もう一度左ボディを受け、主導権を握れないまま初回を戦い終える。

 2Rはサダローの左ローでスタートした。そのローにパンチを合わせようとするラドウィックに前蹴りを見せて、距離を取ろうとするサダロー。しかし、蹴りも使えるラドウィックは、間合いを詰めてパンチの距離に持ち込む。

 近距離ではヒザも見せるラドウィックに、サダローは地道にローを蹴り続ける。ラドウィックはやや動きが落ちたが、テイクダウン狙いを切ると左フックを放っていく。すると、ローを受けながら、右を出すラドウィックが再びボディを効かせる。

 左インサイドローで、ラドウィックの左足を狙い撃ちにするサダローが攻勢に出るかと思われたが、左フックを受けて動きが止まってしまう。ここでもテイクダウン狙いで、ラドウィックの攻撃を止めにかかるが、残り1分、反対にラドウィックがダブルレッグを仕掛ける。がぶって立ち上がったサダローは、左アッパーから左フック、右エルボーを受ける。

 後ろ足の前蹴りをかわされたサダローは、ペースを握り切れないまま試合は最終ラウンドへ。「ローからパンチにつないでKOを狙え」とセコンドの指示を受けたラドウィックに対し、サダロー陣営はラドウィックが疲れたと判断している。

 テイクダウン狙いをしっかりとスプロールしてみたせラドウィックだが、ローで姿勢が乱れる。サダローは左ローから放った右ハイをブロックされ、ここでもテイクダウンを狙うが、これもラドウィックが防ぐ。

 サダローの前蹴りを顔面に受けたラドウィックだが、テイクダウンに拘るサダローの戦法に救われたかのように、左、右ハイを見せる。クロスの精度が高いラドウィックは、蹴りで苦しんでもパンチで盛り返す。

 残り1分、フックの打ち合いは互角に。続く左フック、左ローでサダローが後退すると、ここでラドウィックが、ダブルレッグで尻もちをつかせる。残り10秒、ガードを取ってしまったサダローは、攻める手段にバラつきが見られたままタイムアップを迎えた。

 裁定はジャッジ3者とも29−28のスコアで、ラドウィックが判定勝ち。打撃だけではなく、テイクダウンを褒められた勝者は「僕はプレイヤーじゃない。ミックスマーシャルアーチストなんだ」といい、計量に続き、今度はジョー・ローガンのフィギュアにサインを求めた。

UFC Live「Hardy vs. Lytle」

8月14日(日・現地時間)米国ウィスコンシン州ミルウォーキー ブラッドリー・センター

<ウェルター級 5分3R>
○クリス・ライトル(米国)
(3R4分16秒 ギロチンチョーク)
●ダン・ハーディー(英国)

<ライト級 5分3R>
○ベン・ヘンダーソン(米国)
(判定3−0)
●ジム・ミラー(米国)

<ライト級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
(1R3分01秒 TKO)
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)

<ウェルター級 5分3R>
ドゥエイン・ラドウィック(米国)
(判定3−0)
アミール・サダロー(米国)

<ミドル級 5分3R>
○ジャレッド・ハマン(米国)
(2R3分38秒 TKO)
●CB・ダラウェー(米国)

<バンタム級 5分3R>
○ジェセフ・ベナビデス(米国)
(判定3−0)
●エディ・ワインランド(米国)

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