なでしこ優勝に歓喜と称賛の声が続々=世界が伝えた日本の快挙
ベストイレブンに沢ら=独サッカー誌―独各紙、日本の粘りを絶賛
世界からの東日本大震災の復興支援への感謝が記されたバナーを持ってピッチを一周する選手たち 【Getty Images】
ドイツの各メディアは17日の決勝について、「米国が2度、勝利を手中にしたかに見えたが、日本は闘志をむき出しにして追い付いた」(ビルト紙)と日本の粘りを絶賛。フランクフルター・アルゲマイネ紙は「これほど情熱的で劇的な試合はない」と伝えた。
また、南ドイツ新聞は日本のパスサッカーを支えた沢について、「流れるようにパスを出す。(スペイン代表の)シャビを想起させる」とサッカー界を代表するパスの名手と比較してたたえた。
[時事通信]
「国民を勇気づけた」
CNNテレビは優勝を速報するとともに、日本代表チームの「力強いプレーと意表を突く走りが、大震災からの復興を図る日本の国民を(大会を通じて)勇気づけた」と説明。
ニューヨーク・タイムズ紙は日本の優勝について「復興への希望の上に築かれた勝利で、(大震災で)打撃を受けた国を盛り上げた」とした。
ウォールストリート・ジャーナル紙は「なお大震災からの回復を図る国民にとっては、特に感動的な優勝」とした。
ジョージア州アトランタの地元紙は「W杯決勝戦、ファンがテレビにくぎ付け」という見出しの記事で「米国は敗れたが、女子サッカーがこれまで以上のファンを勝ち取ったことは確かだ」と報じた。
[共同通信]
苦難克服へのメッセージ
同ニュースは、「力と高さ」で勝る米国にリードされながらも、日本が懸命に戦ったことを強調し、特に同点ゴールを入れた沢穂希選手の活躍を称賛。
「原発事故で混乱を繰り返す政治に失望し、電力不足の不安に揺れる経済にため息をつき、沈鬱(ちんうつ)な雰囲気だった日本人が、久々に笑いを取り戻した」と伝えた。
[共同通信]
「アジアの歴史つくった」
中国国営通信、新華社も日本の初優勝を速報した上で「日本の奇跡が世界を制した」と題する評論を配信。日本チームの強さは「技術だけではなく、強固な信念と意志にある」と解説し、「『なでしこ』の美しいサッカーとそれがもたらした奇跡が、東日本大震災で被災した民族に比類なき自信を与えるだろうと信じる」と絶賛した。
中国は12年前の第3回大会では米国に敗れたものの、準優勝した。ニュースサイト「網易」の解説記事には、当時のチームがベテラン主体で、その後、選手の育成体制が整わず、中国の女子サッカーは「競技人口も成績も絶えず下り坂」と厳しく指摘。日本のチームについては「ベテランと若手がきれいに組み合わさったチーム」で、今後とも成長し続けるだろうと分析した。
[共同通信]
日本の粘り強さ称賛
有力紙グロボのスポーツ版(電子版)は「3月の自然災害(東日本大震災)で打ちのめされた国に喜びを与えるのに、スポーツ以上のものはない」との書き出しで詳細に報道。決勝で米国にリードされても「2度にわたって追い付いた」などと伝えた。
長い伝統を持つジョルナル・ド・ブラジル紙は「予想外のチームが大会の主役になった」と指摘。PK戦で好セーブを連発したゴールキーパーの海堀あゆみ選手を評価する記事も目立った。
[共同通信]
「日本に劇的な喜び」=なでしこVを速報―外国通信社
AFP通信は「日本は2度勝ち越されて追い付き、PK戦を制した」とし、米国から初勝利を挙げたことなどを詳報。米国のスンダーゲ監督が「勝敗に大きな違いはない」などと語った敗戦コメントも記した。
[時事通信]