なでしこ優勝に歓喜と称賛の声が続々=世界が伝えた日本の快挙

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長谷部、長友も快挙喜ぶ

日本は過去21敗3分けの米国から初勝利を挙げ、W杯の舞台で世界一の座をつかんだ 【Getty Images】

 日本女子の快挙に、男子代表のザッケローニ監督をはじめ、選手も自らのことのように喜んだ。
 ザッケローニ監督は日本サッカー協会を通じ「歴史的快挙に最大限の称賛を贈りたい」とコメント。「決勝でも日本の方が最初から確固たる決意を持って試合にアプローチしていたのが見受けられた」と、闘争心を持ってFIFAランキング1位の米国に挑んだなでしこに賛辞を並べた。
 主将の長谷部(ウォルフスブルク)は「今言えるのは、なでしこジャパンの皆さんに対する感謝の言葉だけ。言葉で表すことができない感情が心の中から湧いてきます」と自身の公式ブログで感激を表現した。
 男子は昨年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で16強入り。1月のアジア・カップを制し、9月からW杯ブラジル大会アジア3次予選という新たな戦いが始まる。
 新シーズンに備えて合宿中の長友(インテル・ミラノ)はクラブを通して「同じサッカーをやる者として、優勝は素晴らしいことだと思う。今は(大震災で被災した日本が)難しい状況で、パワーを与えられる。僕もうれしいし、誇りに思う」と刺激をもらったようだ。

[共同通信]

日本サッカー成長の証明

 ザッケローニ日本代表監督の話 歴史的快挙に最大限の称賛を贈りたい。アジア大会での男女優勝、(男子の)アジア・カップ優勝、今回の女子W杯の優勝は、世界のサッカー界の中で日本サッカーのすべてが前に進み、成長していることを証明している。

[共同通信]

ひたむきに頑張ったから

 川淵三郎・日本サッカー協会名誉会長の話 大きな夢を持って、一生懸命練習して最後まであきらめずにフェアプレーでひたむきに頑張ったからこそ、勝利の女神がほほえんでくれた。

[共同通信]

日本女性の素晴らしさ証明

 小倉純二・日本サッカー協会会長の話 W杯で優勝できるなんてこんな幸せな会長はいない。日本の女性の素晴らしさが証明された。将来、日本で女子W杯を開催した際は、澤に大会委員長をやってもらいたい。

[共同通信]

日本はいいサッカーをした

 スンダーゲ米国監督の話 前半は試合を支配し、チャンスもたくさんあったが、それをものにできなかった。日本はいいサッカーをした。PK戦で敗れるのは本当に悔しい。

[時事通信]

興奮と歓喜、「夢のよう」

 「夢のようだ」。「なでしこジャパン」の偉業に、西日本でも選手の所属するチームの仲間らが興奮と歓喜に包まれた。

 代表に澤穂希選手ら7人を送り出した「INAC神戸レオネッサ」。選手15人が神戸市中央区のスポーツバーで観戦した。星川敬監督(35)は沢選手と中学時代からの付き合い。同点ゴールの瞬間、ぼうぜんと画面を見つめたが、すぐ笑顔に。「澤はどんな状況でもあきらめない。あの1点は感動した」「世界一になった人に掛ける言葉もないけど、感想を聞いて、ねぎらいたい」と、得点王の栄誉をたたえた。
 好セーブを連発したキーパー海堀あゆみ選手と神戸市のマンションで同居している甲斐潤子選手(27)は「PKに強いので止めてくれると思っていた」と振り返り「いつも声が小さいけど、あんなに叫んでるのは初めて見た」と目を丸くした。

 1点目を決めた宮間あや選手が所属するのは「岡山湯郷ベル」。本拠地の岡山県美作市ではサポーターら約80人が観戦し、種田佳織監督(36)は「諦めない気持ちが得点につながった」と興奮。「厳しい戦いで成長しながら世界の頂点に立った。夢のようだ」と話した。
 阪口夢穂選手が小学生時代を過ごした堺市の少年サッカースクールの矢野真輔代表(40)は「強敵相手にほんま頑張ってくれた。なでしこ最高」と声を上ずらせ、高校の担任だった升間晶子教諭(58)は、PKを決めて胸に両手を当てた阪口選手のしぐさに「ほっとした感じが、あの子らしい」と目を細めた。

 興奮は街の人々にも。神戸市のJR三ノ宮駅前では、会社員の男性(49)が「PK戦まで持ち込んだ展開に、一睡もせず見てしまった。土壇場になると女性の方が強いのかな」。サッカーの試合に向かう高1の少年(16)は「延長で勝ち越されてもう無理かと思った。自分もPK戦で外したことがある。プレッシャーに打ち勝って決められるのはすごい。精神面の強さを感じた」と話した。

[共同通信]

「娘は誇り」「親孝行」

 サッカー女子ワールドカップ(W杯)で、驚異的な粘りを発揮して世界一の座を勝ち取った「なでしこジャパン」。18日朝、選手の地元では家族が「娘は誇り」「最高の親孝行」と快挙を喜び、恩師は「被災地を勇気づける勝利」とたたえた。

 宮間あや選手(26)の出身地、千葉県大網白里町ではパブリックビューイングが行われた。優勝が決まると、最前列にいた父文夫さん(56)は町民らから胴上げされ、涙を流した。「何度も米国の猛攻に耐えたメンバー全員で取った金メダル。みんなに『ありがとう』と言いたい」

 横浜市の知人宅で約50人と観戦したのは近賀ゆかり選手(27)の両親。父雅志さん(58)には数日前、ドイツで戦う娘から「父の日に何もあげられなくてゴメン。メダルをプレゼントするから待っててね!」と絵はがきが届いた。「世界一になるなんて最高の親孝行です」と雅志さんは笑い、母みどりさん(56)は「娘を誇りに思う」と目頭を押さえた。

 東京都府中市では沢穂希選手(32)が小学校時代に所属した「府ロクサッカークラブ」の関係者らがテレビで観戦。沢選手を指導した元コーチ田中宏明さん(71)は「素晴らしかった」と目を潤ませた。
 「大会で見せた粘りは世界一を目指す気持ちの表れ。子どもの思いを信じていた」と神奈川県大和市で興奮気味に話したのは川澄奈穂美選手(25)の父守弘さん(56)。

 鮫島彩選手(24)、熊谷紗希選手(20)ら卒業生3人が代表に名を連ねる常盤木学園高校(仙台市)は、津波で自宅を失った生徒もいた。松良千広校長は「被災地を勇気づける勝利。復興に向け、彼女たちのように前を向いて立ち上がらなければ」と話した。

[共同通信]

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