中西哲生が震災後に再確認した「スポーツが持つ力」=みなとスポーツフォーラム 2019年ラグビーワールドカップに向けて

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

「スポーツが持つ力」について熱く語った中西哲生氏 【スポーツナビ】

 6月20日に開催された、東京都港区と日本ラグビー協会が主催する「みなとスポーツフォーラム 2019年ラグビーワールドカップに向けて」に、スポーツジャーナリストの中西哲生氏が登場した。
 Jリーグで選手として活躍し、現在はスポーツジャーナリストとして活動している中西氏は、東日本大震災で再確認した「スポーツが持つ力」と、日本ラグビー界への提言について熱く語った。

被災地の子どもの言葉「今日のことは一生忘れません」

 ラグビーのワールドカップ(W杯)が2019年に日本で開催されますが、サッカーも2002年の日韓W杯で前に進んだ部分があります。日本サッカーがどんなことをしてきたのかを話すことで、良いヒントになればと思っています。

 今回は「スポーツが持つ力」をテーマに話したいと思いますが、僕は、スポーツとは子どもの教育になり得るもので、育成の場になるものだと考えています。
 スポーツの伝え方はいろいろな方法があります。Jリーグでは「夢先生」というプロジェクトがあって、現役の選手から僕らのような引退した選手、他競技の選手を小学校に派遣して、夢を持つことや、仲間と助け合うことの大切さを伝えています。

 震災後も僕は時間を見つけて東北に行っています。そこで一緒に体を動かすことで一瞬でもつらいことを忘れてもらえればと思ってやっています。これまで、子どもたちに「楽しかったです」とは言ってもらってきました。でも、この前は東北の学校で「今日のことは一生忘れません」と言われたんです。そんなことを言われたのは初めてでしたし、僕も一生忘れないと思います。震災で心が傷ついてしまった子どもも多いんですが、スポーツができることはあると、あらためて感じました。

長友が世界で活躍できる理由とは…

 日本サッカーの先頭を走っているのは長友佑都(インテル/イタリア)です。去年の今ごろはFC東京所属で、日本でも突出した選手ではありませんでした。それが世界一のチームのレギュラーになっているわけです。彼が何をしたかと言うと、まず「世界一のサイドバックになる」と言い切りました。当然、周りは半信半疑ですし、僕もそれは大変だと思ったのでメールをしました。でも、長友は夢を語ることで周りを巻き込んだのです。夢を実際に口に出すことはプレッシャーですが、その思いが伝われば周囲が後押しをしてくれます。

 また、長友がすごいのはコミュニケーション能力で、どこに行っても打ち解けられます。イタリアのチームメートも「長友は日本人じゃない。彼はラテンだ」と言ってました。常にオープンマインドで人と接する彼の人間力が生きたんだと思います。

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