中西哲生が震災後に再確認した「スポーツが持つ力」=みなとスポーツフォーラム 2019年ラグビーワールドカップに向けて
「スポーツが持つ力」について熱く語った中西哲生氏 【スポーツナビ】
Jリーグで選手として活躍し、現在はスポーツジャーナリストとして活動している中西氏は、東日本大震災で再確認した「スポーツが持つ力」と、日本ラグビー界への提言について熱く語った。
被災地の子どもの言葉「今日のことは一生忘れません」
今回は「スポーツが持つ力」をテーマに話したいと思いますが、僕は、スポーツとは子どもの教育になり得るもので、育成の場になるものだと考えています。
スポーツの伝え方はいろいろな方法があります。Jリーグでは「夢先生」というプロジェクトがあって、現役の選手から僕らのような引退した選手、他競技の選手を小学校に派遣して、夢を持つことや、仲間と助け合うことの大切さを伝えています。
震災後も僕は時間を見つけて東北に行っています。そこで一緒に体を動かすことで一瞬でもつらいことを忘れてもらえればと思ってやっています。これまで、子どもたちに「楽しかったです」とは言ってもらってきました。でも、この前は東北の学校で「今日のことは一生忘れません」と言われたんです。そんなことを言われたのは初めてでしたし、僕も一生忘れないと思います。震災で心が傷ついてしまった子どもも多いんですが、スポーツができることはあると、あらためて感じました。
長友が世界で活躍できる理由とは…
また、長友がすごいのはコミュニケーション能力で、どこに行っても打ち解けられます。イタリアのチームメートも「長友は日本人じゃない。彼はラテンだ」と言ってました。常にオープンマインドで人と接する彼の人間力が生きたんだと思います。