中西哲生が震災後に再確認した「スポーツが持つ力」=みなとスポーツフォーラム 2019年ラグビーワールドカップに向けて
中村俊輔に「監督やらなきゃダメですよ」と言われた
サッカー界の視点から、ラグビー界へのアドバイスも送った 【スポーツナビ】
――ジャーナリストとして難しいことは?
ただの感想にならないように、なぜ良かったのかを具体的に答えて、さらに提言ができなかれば意味がないと思っています。その選手、そのプレーがどうすれば良くなるのかまで、自分の意見をまとめて伝えていくようにしたい考えています。
――指導者にはならないのですか?
自分には教える才能はないと思っていました(笑)。しかし、興味が湧いてきたので、2007年には日本サッカー協会の指導者ライセンスのC級を取得しました。
(中村)俊輔も「監督やらなきゃダメですよ」と言ってくれたりしたので、S級まで取りに行きたいんですが、仕事のスケジュールで厳しい状態です。仕事が落ち着いたら、イタリアに行ってライセンスを取得したいと考えています。
「プロ化」よりも「何が成功か」を考えることが大事
サッカーもまだまだですけど、全国から選手をピックアップするシステムはできつつあります。ラグビー界にも若いうちから才能を発揮する選手はたくさんいるかと思います。そこで、若手の才能ある選手たちに組織的に世界を経験させることが大事です。世界に出て戦うことで、メンタル、フィジカルの必要性を認識させるのです。
高校ラグビーは本当に盛んでレベルが高いと思うので、世界で戦える選手を見極めて、才能ある選手に経験を積ませることが重要だと思います。
――19年W杯のためにラグビーのプロ化は必要ですか?
まず、「プロになる」が「強くなる」ではありません。ラグビーは企業スポーツの側面があると思います。社会人として生活することが人間力にもつながります。ただラグビーを一日中やらせることで強くなるとは限らないわけです。日本独自の発展方法があるはずです。
まずはプロ化よりも何が成功かと考えることが大事だと思います。僕はラグビー精神の素晴らしさを知ってもらうことや、ラグビーで世界とつながることが目標として良いのではないかと考えています。19年W杯が終わった後にどこを目指すかまで決めることが大事ですね。
<了>
協力:(公財)日本ラグビーフットボール協会