落合監督はすげーや!=ダンカンの場外アナウンスVol.164

ダンカン

つまり、何が言いたいかというと

黒星を喫した翌日は今季初登板の伊藤で勝利。スタメンもガラリと代わった。 【写真は共同】

 昔から、男として生まれたら「オーケストラの指揮者」、「映画監督」、そして「プロ野球の監督」などと言われています。
 この3つの職業の共通点は、自分が思う通りにその駒(演奏者や役者や選手)を動かそうとする権利を任されているということでしょう。
 それはスゴイことです。暴君であろうが、白いモノを黒と言おうが、周囲はそれに服従ということなのですから。

 ただし、当然のごとく結果が伴わければ即座に過去の栄光さえ含め、すべてが消滅してしまう危険と常に背中合わせでもあるのです。
 それを回避するための唯一の手段は、結果を示すことであり、そのためには「何があろうが己(おのれ)を信じること」にほかならないと思うのです! と、やたら講釈くさい前フリが長くなりましたが、要するに何が言いたいかというと、「落合博満監督はすげーや!!」ということなのです!!

スタメン、ガラリ!

 これをご覧下さい。7月2日の先発メンバーは荒木、野本、森野、和田、グスマン、平田、井端、小山、チェン。そして、翌日3日のスタメンは大島、岩崎達、森野、和田、平田、小池、水田、小田、伊藤と、実に投手を入れれば1日で6人もメンバーが代わっていたのです。

 結果は、前日1−2で敗れたのに対し、3日には先発野手全員安打で6−2と快勝!! これだけでもスゴイのに、野球ファンの誰もが試合さい配にうなったのは、中日の看板ともいえるアライバ(荒木、井端)を2人とも外したことです。確かに荒木は左足を痛めていたのでやむを得ないにしろ、なぜに井端まで……。

 というのは、打撃不振は分かっているけど、その試合の先発投手は、1年3カ月ぶりの一軍マウンド、今季初登板の伊藤準規(20歳)だったのである。マウンド上でピンチを迎えた時、井端の好守に加え、近寄っての安心させる一言の重さ……。もしオレが監督だったら、そのためだけにも井端をスタメンに残していた……と思う。

 試合後の落合監督のコメント「野手のこと? 言わなきゃいけないか? 言う必要ないでしょう」。その後に続く「こっちは命張ってさい配してんだから、なあカーちゃん(カーちゃんはないかな?)」が聞こえてきそうな中日の勝利であったのだ。あらためて「オレ竜(流)落合恐るべし!!」なのだ。

<了>
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著者プロフィール

1959年1月3日生まれ。埼玉県出身。オフィス北野所属。お笑い芸人、俳優、放送作家。趣味は野球、釣り。特技はイラスト。たけし軍団の一員として、数々のテレビ番組で活躍。野球への情熱も熱く、熱烈な阪神ファンとして知られる。

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