最終戦で復帰の香川「あのピッチに立てて幸せだった」=ブンデスリーガ第34節 日本人選手の通信簿

ミムラユウスケ

最終戦の大歓声の中復帰

マイスターシャーレを囲んで笑顔の香川(左)。リーグ最終戦で約4カ月ぶりに戦列復帰を果たした 【Bongarts/Getty Images】

 すでに優勝を決めているドルトムントは14日、ホームにフランクフルトを迎えて2010−11シーズンのドイツ・ブンデスリーガ最終戦を戦った。ドルトムントは序盤からペースを握るが、PKを止められるなど相手GKの好守に阻まれてゴールを奪えない。後半開始早々には先制点を許すものの、後半23分にバリオスが同点ゴールを決めると、その5分後にオウンゴールで逆転した。

 2−1になってからは2万5000人が入るゴール裏スタンドが香川真司の応援歌を何度も口にし、1月のアジアカップでの負傷後、初めてベンチ入りした香川の出場を求める。大歓声の中、後半43分から右MFとしてピッチに入った香川は、相手ディフェンスラインの裏を目掛けて積極的に飛び出す。2度オフサイドを取られたが、後半ロスタイムに右サイド裏のスペースにパスを出し、チーム3点目となるバリオスのゴールの起点となった。

「サッカー選手にとっては本当にうれしい、最高の瞬間」

<香川コメント>

――ベンチ入りを聞かされたのはいつ?

 先週の時点で、監督には「来週の試合ではベンチに入れようと思っている」と言われていて。すごくうれしかったし、自分もあきらめていなかったので、それを目指していました。

――ウォーミングアップ中にはファンが何度も「シャラララ、シャラララ、カーガワ、シンジ」と歌っていました

 今日は、デデ(前回のリーグ優勝時の中心メンバーで、今季終了後に退団)の試合だったり、ヌリ(シャヒン
。ユース出身で、今季終了後にレアル・マドリーに移籍)の試合だったり、チームが優勝した凱旋(がいせん)試合でもあったから、おれが出てもあまり良くないのかなと思っていた。だけど、あれを聞いた時は、サッカー選手にとっては本当にうれしい、最高の瞬間でした。

――短い時間プレーした時の感覚は?

 もう、いけいけムードだったので、おれも点しか狙っていなかった。ただ、2回ともオフサイドになっちゃった(笑)。だから、ちょっと早く出過ぎたというのは自分でも分かるんだけど、でも、あのピッチに立てて幸せでした。

<ドイツメディアの評価>

・『キッカー』誌(スポーツ専門誌):出時間短く評価なし
平均2.62点はリーグ2位の成績

・『ビルト』紙(全国紙):出場時間短く評価なし
平均2.47点で全選手の中で2位

※ドイツの採点方式では1が最高、6が最低点

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著者プロフィール

金子達仁氏のホームページで募集されていた、ドイツW杯の開幕前と大会期間中にヨーロッパをキャンピングカーで周る旅の運転手に応募し、合格。帰国後に金子氏・戸塚啓氏・木崎伸也氏が取り組んだ「敗因と」(光文社刊)の制作の手伝いのかたわら、2006年ライターとして活動をスタートした。そして2009年より再びドイツへ。Twitter ID:yusukeMimura

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