東郷が王座死守、ゴールデンスター飯伏を再び撃墜=DDT

タカハシ

ディック東郷が飯伏との激戦を制し、2度目のKO−D王座防衛に成功 【t.SAKUMA】

 7月24日に3度目の両国国技館大会を控えるDDTプロレスリングの旗揚げ14周年記念興行「Judgement 2011」後楽園ホール大会が27日、王者・ディック東郷vs.挑戦者・飯伏幸太のKO−D無差別級選手権試合をメーンに、1518人(超満員)の観衆を集めて開催された。

 6月30日の後楽園ホール大会にて国内引退興行の開催が決定したディック東郷は、ベルトを保持したまま国内引退し、来年に予定されているボリビアでの引退試合まで海外で防衛し続けるという野望を抱いているのだが、今大会ではセミファイナルで3人の挑戦者が決定。
 一方、前回の後楽園ホール大会でHARASHIMAの挑戦を退けた王者から、次回挑戦者として指名された飯伏は、08年にも同じく後楽園ホールで東郷に挑戦しながら敗れている。だが、それ以降は新日本プロレスの「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」準優勝、IWGPジュニアタッグをケニー・オメガとのコンビで奪取、そしてその試合でプロレス大賞の2010年・年間最高試合賞を受賞と、東郷もなしえなかった数々の実績を積み上げている(東郷もTAKAみちのくとのコンビでIWGPジュニアタッグは戴冠済み)。

飯伏、序盤はペースをつかむも……

飯伏(上)は驚愕の空中技を連発させるものの…… 【t.SAKUMA】

 試合はゴング前の歓声から一転、観客席も静まり返るほどの緊張感にあふれた手の探りあいから始まり、そこから2人ならではのスピーディーで鮮やかな攻防が観客をわき立てさせていく。東郷はまず飯伏の左腕に狙いを定め、執拗なキーロックを仕掛けていくが飯伏も力任せに持ち上げてから叩きつけるなど、お互いに普段とは一味違った攻め方を見せていく。
 しかし東郷がモンキーフリップの要領で飯伏を場外に落とし、続けざまにトペ・コンヒーロを繰り出すと、それを飯伏がかわした事で試合のペースは飯伏に傾いていく。飯伏はキックやアンクルロック等で東郷の足にダメージを積み重ねると、足四の字固めで東郷に悲鳴をあげさせる。スタンドの攻防に戻っても飯伏はキックでペースをつかんで離さず、ムーンサルトで追撃しようとするもののこれは東郷にかわされる。

 東郷は巧みなロープワークで飯伏を場外に落とすと、今度はノータッチのトペ・コンヒーロを成功させ、なおも場外DDTで追い込んでいく。しかし飯伏も負けじとケプラーダ、天から降ってくるようなミサイルキックで反撃に転じるも、東郷はクルス・フィックスからのクロスフェイスの連絡技で流れを取り戻していく。さらに飯伏のロープ越しのショルダータックルを巧みに受け止めた東郷は、それをDDTに切り返すと、ここから首四の字で固めてダメージを積み重ねようとする。ロープに逃げられるとなおも首への攻撃の手を緩めず、強烈なヘッドロックで締め上げていく。

 このヘッドロックを強烈なヒジでなんとか逃れた飯伏だが、打撃戦でも真っ向から受けて立つ東郷に、東側のエプロンから南側場外への驚愕のスワンダイブ式ミサイルキックを成功させるが、東郷もこれをカウント19とギリギリでのカムバックに成功する。
 飯伏はなおもキック攻撃でダメージを与え、ジャーマンを狙うがここからの読み合いでも東郷に上を行かれてしまい、強烈なラリアットを食らうはめになる。しかし飯伏も強烈なアンクルロックで絞り上げ、東郷に苦悶の表情を浮かべさせるがこれを東郷はロープに逃れる。

必殺ダイビング・セントーンで激戦に終止符!

最後は経験と底力にものを言わせたベテラン王者がフィニッシュ! 【t.SAKUMA】

 その後も飯伏のファイヤーバードをカウント2でクリアした東郷は、続けてのドラゴンを前方回転エビ固めで切り返し、なおもクルス・フィックスからのクロスフェイスの連絡技で締め上げていく。東郷はならばとペディグーからセントーンの必殺コースでフィニッシュを狙うが、飯伏はこれをカウント1でクリア。珍しいラリアット2連発から肩に担ぎ上げて、東郷の頭をコーナーポストに突き刺すという荒技からのラリアットで強引に流れを自分に引き戻そうとする。

 しかしフェニックス・スプラッシュはかわされ、ダブル・ダウンとなるが、カウント7で両者とも立ち上がると、ここからバチバチのしばき合いになり、飯伏がハイキックでカウント9のダウンを取る。
 精魂尽き果てたとも思われた東郷だったが、ここで鮮やかなラ・ミスティカ風のクロスフェイスを決める。これはなんとか逃れた飯伏だったが、続けざまにHARASHIMAの得意技である蒼魔刀を東郷が繰り出し、続けてペディグリーの体勢から前方に回転して頭を叩きつける、ペディグリー式のカナディアン・デストロイで大きなダメージを与えると、最後はダイビング・セントーンで激戦に終止符を打った。

 試合後には次期挑戦者である石川修司に加え、『いつでもどこでも挑戦権』を獲得したGENTARO、高尾蒼馬もリングに上がったが、GENTAROと高尾も疲れ切った東郷に対してこの場で挑戦権を行使しない事で、この激戦への敬意を示して見せた。

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