長谷部と岡崎がマッチアップ、チャリティーマッチへ意欲=ブンデスリーガ第27節 日本人選手の通信簿
1部残留争いは勝ち点1を分け合う
長谷部(左)は守備で貢献したものの、前半で交代。日本でのチャリティーマッチについては「見ている人の心を動かすようなプレーをしたい」と話した 【Bongarts/Getty Images】
試合は前半40分、岡崎と長谷部が競り合ってこぼれたボールが、シュツットガルトの選手の元へ。そのクリアに対して長谷部が体を張ってブロックすると、ボールはゴール前に。これをグラフィッチが押し込んで、アウエーのボルフスブルクが先制した。
後半になると、同点を目指すシュツットガルトが前掛かりになる。ボルフスブルクは何度もカウンターのチャンスを得たが決められずにいると、ロスタイムにシュツットガルトのセンターバック、ニーダーマイヤーがゴールを決めて同点に追いつく。結局、両者が勝ち点1を分け合うことに。シュツットガルトは15位と残留圏内をキープしたが、ボルフスブルクは17位と自動降格圏に沈んだままとなった。
長谷部は中盤の底でボールを引き出し、1対1の競り合いで激しい当たりを見せるなど、まずまずのプレーを見せたが、マガト監督の求める守備の役割との相違があったようだ。岡崎はチーム加入後、初めてシュートを1本も打てずに終わったが、パス成功率は100%を記録。攻撃の組み立てやチャンスメークに奮闘した。
「何が悪かったのか聞きたい」
――試合の2日前にマガト監督が就任し、試合に向けての準備はどうだった?
今日試合に出た選手は(2シーズン前まで)マガト監督と一緒にやってきた選手が多かったし、監督からは「時間が少ないから難しいけど、基本的な走ることとか1対1とかいうところはしっかりやれ」と言われた。
――前半の途中に監督から直接指示を受けていましたが、どのようなことを?
監督がずっと「(ベンチのところに)来い」と言っていたので、どこがダメなのかを聞いて……。そしたら(トップ下の)シセロをもっと中でプレーさせて、(僕は)サイドバックに(プレッシャーをかけに)いけと言われた。結局、交代させられたということは、監督にとっては納得のいくプレーをしてなかったのかなと。(次の試合に向けては)何が悪かったのか聞きたい。
――岡崎選手については?
彼は激しい当たりでもしっかりボールをキープできますし、非常に嫌な相手でした。彼にはやられないようにと考えてやっていました。
――日本で行われるチャリティーマッチについては?
行動を起こすことが大事だと思うし、この試合をやると決めてくれた協会にも感謝している。僕らができることは全力でプレーすることだけなんで、やるからには本気で、見ている人の心を動かすようなプレーをしたいです。
<ドイツメディアの評価>
・『キッカー』誌(スポーツ専門誌)4点
・『ビルト』紙(全国紙)4点
※ドイツの採点方式では1が最高、6が最低点
「シュートやアシストなどで貢献しなくては」
岡崎(左)はシュートこそ打てなかったが、攻撃の組み立てやチャンスメークに奮闘した 【Bongarts/Getty Images】
――苦しい試合だったのでは?
不運な失点だったので、チームのメンタル的にも盛り上がらないような感じでしたが、その後のアクションは悪くなかったかな。みんなが連動して動いてクロスまでいったし、自分も前の試合よりも、クロスも長いボールも出していたと思う。ただ、シュートやアシストなどで貢献しなくてはいけない。前に行く選手が多いので、どうしても自分は後ろが気になってしまうというか、そういうこともあって、(低い位置まで)戻ったり、そこから裏に出たり。そういう繰り返しがきつかったというのはあります。最後にスーパーシュートが決まって、3連勝の勢いが残っているかな。次の試合につながると思います。
――長谷部選手については?
自分の方がチャレンジするっていう気持ちが強かったと思うし、ガツガツいけたんじゃないかと思います。そんなにマッチアップする場面はなかったんですが、長谷部さんは先輩なので、そういう選手と一緒にやれていることはうれしいなと実感してます。
――日本で行われるチャリティーマッチについては?
来てくれた人が何かを感じて、(例えば)被災者の募金とかそういうものになって、みんなが集まれれば。その手助けとして、自分とか海外から来る選手が集まることによって、大きな力になれれば手助けになれるので。今はそれしかやることがないし、やれることはない。祈るだけでは無力を感じることもあるので、何かできるようにしたい。
<ドイツメディアの評価>
・『キッカー』誌(スポーツ専門誌)4点
・『ビルト』紙(全国紙)5点
※ドイツの採点方式では1が最高、6が最低点