長谷部と岡崎がマッチアップ、チャリティーマッチへ意欲=ブンデスリーガ第27節 日本人選手の通信簿

ミムラユウスケ

1部残留争いは勝ち点1を分け合う

長谷部(左)は守備で貢献したものの、前半で交代。日本でのチャリティーマッチについては「見ている人の心を動かすようなプレーをしたい」と話した 【Bongarts/Getty Images】

 1部残留を争うシュツットガルトとボルフスブルクの一戦が20日に行われ、日本人対決が実現した。2シーズン前にチームを初優勝に導いたマガトを新監督に迎えたボルフスブルクの長谷部は、「4−3−2−1」の左ボランチとして6試合連続でスタメン出場を果たしたが、ハーフタイムに退いた。一方の岡崎は「4−2−3−1」の左MFとして先発し、フル出場を果たした。岡崎は前半の途中から前半終了時まで右サイドにポジションを移したため、長谷部とマッチアップするシーンも見られた。

 試合は前半40分、岡崎と長谷部が競り合ってこぼれたボールが、シュツットガルトの選手の元へ。そのクリアに対して長谷部が体を張ってブロックすると、ボールはゴール前に。これをグラフィッチが押し込んで、アウエーのボルフスブルクが先制した。

 後半になると、同点を目指すシュツットガルトが前掛かりになる。ボルフスブルクは何度もカウンターのチャンスを得たが決められずにいると、ロスタイムにシュツットガルトのセンターバック、ニーダーマイヤーがゴールを決めて同点に追いつく。結局、両者が勝ち点1を分け合うことに。シュツットガルトは15位と残留圏内をキープしたが、ボルフスブルクは17位と自動降格圏に沈んだままとなった。

 長谷部は中盤の底でボールを引き出し、1対1の競り合いで激しい当たりを見せるなど、まずまずのプレーを見せたが、マガト監督の求める守備の役割との相違があったようだ。岡崎はチーム加入後、初めてシュートを1本も打てずに終わったが、パス成功率は100%を記録。攻撃の組み立てやチャンスメークに奮闘した。

「何が悪かったのか聞きたい」

<長谷部のコメント>

――試合の2日前にマガト監督が就任し、試合に向けての準備はどうだった?

 今日試合に出た選手は(2シーズン前まで)マガト監督と一緒にやってきた選手が多かったし、監督からは「時間が少ないから難しいけど、基本的な走ることとか1対1とかいうところはしっかりやれ」と言われた。

――前半の途中に監督から直接指示を受けていましたが、どのようなことを?

 監督がずっと「(ベンチのところに)来い」と言っていたので、どこがダメなのかを聞いて……。そしたら(トップ下の)シセロをもっと中でプレーさせて、(僕は)サイドバックに(プレッシャーをかけに)いけと言われた。結局、交代させられたということは、監督にとっては納得のいくプレーをしてなかったのかなと。(次の試合に向けては)何が悪かったのか聞きたい。

――岡崎選手については?

 彼は激しい当たりでもしっかりボールをキープできますし、非常に嫌な相手でした。彼にはやられないようにと考えてやっていました。

――日本で行われるチャリティーマッチについては?

 行動を起こすことが大事だと思うし、この試合をやると決めてくれた協会にも感謝している。僕らができることは全力でプレーすることだけなんで、やるからには本気で、見ている人の心を動かすようなプレーをしたいです。

<ドイツメディアの評価>

・『キッカー』誌(スポーツ専門誌)4点

・『ビルト』紙(全国紙)4点

※ドイツの採点方式では1が最高、6が最低点

「シュートやアシストなどで貢献しなくては」

岡崎(左)はシュートこそ打てなかったが、攻撃の組み立てやチャンスメークに奮闘した 【Bongarts/Getty Images】

<岡崎のコメント>

――苦しい試合だったのでは?

 不運な失点だったので、チームのメンタル的にも盛り上がらないような感じでしたが、その後のアクションは悪くなかったかな。みんなが連動して動いてクロスまでいったし、自分も前の試合よりも、クロスも長いボールも出していたと思う。ただ、シュートやアシストなどで貢献しなくてはいけない。前に行く選手が多いので、どうしても自分は後ろが気になってしまうというか、そういうこともあって、(低い位置まで)戻ったり、そこから裏に出たり。そういう繰り返しがきつかったというのはあります。最後にスーパーシュートが決まって、3連勝の勢いが残っているかな。次の試合につながると思います。

――長谷部選手については?

 自分の方がチャレンジするっていう気持ちが強かったと思うし、ガツガツいけたんじゃないかと思います。そんなにマッチアップする場面はなかったんですが、長谷部さんは先輩なので、そういう選手と一緒にやれていることはうれしいなと実感してます。

――日本で行われるチャリティーマッチについては?

 来てくれた人が何かを感じて、(例えば)被災者の募金とかそういうものになって、みんなが集まれれば。その手助けとして、自分とか海外から来る選手が集まることによって、大きな力になれれば手助けになれるので。今はそれしかやることがないし、やれることはない。祈るだけでは無力を感じることもあるので、何かできるようにしたい。

<ドイツメディアの評価>

・『キッカー』誌(スポーツ専門誌)4点

・『ビルト』紙(全国紙)5点

※ドイツの採点方式では1が最高、6が最低点

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著者プロフィール

金子達仁氏のホームページで募集されていた、ドイツW杯の開幕前と大会期間中にヨーロッパをキャンピングカーで周る旅の運転手に応募し、合格。帰国後に金子氏・戸塚啓氏・木崎伸也氏が取り組んだ「敗因と」(光文社刊)の制作の手伝いのかたわら、2006年ライターとして活動をスタートした。そして2009年より再びドイツへ。Twitter ID:yusukeMimura

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