聖地爆発のファイヤー劇場! 残り1秒で豪快ハイKO 元アウトサイダー戦士・三上は不満のドロー=J-NETWORK

スポーツナビ

約1年ぶりのホームリングで豪快KO勝利を飾ったファイヤー原田 【t.SAKUMA】

 J−NETWORK「TIME to CHANGE the KICK by J−SPIRIT 1st」が20日、東京・後楽園ホールで開催された。
 今大会のメーンイベントでは、キックボクシング界の名物男・ファイヤー原田が約1年ぶりにホームリングに復帰し、これが引退試合となるKインター柏ジムの会長・川井りん太郎と“ジム会長対決”。37歳のファイヤーと43歳の川井、ともにアラフォーの選手兼会長として戦い続ける似通った境遇の2人が、互いの意地をぶつけ合った。

ファイヤー「男として夢を追いかけたい」

劇的勝利に聖地・後楽園は大熱狂、そして主役のファイヤー原田も大興奮!! 【t.SAKUMA】

 K−1MAXに参戦したものの才賀紀左衛門、キム・テファンに連敗を喫し、このホームリングで再起を誓ったファイヤー。大歓声を送るファンとハイタッチしながら入場すると、気持ちを集中させてリングイン。試合開始から勢いよく突進し、打ち合いを要求した。左右のフックとミドルキックのコンビネーションでペースを握ったファイヤーは、防御を固める川井に容赦ない攻撃を続ける。2分過ぎにはダウンを奪い、さらに攻勢を強める。
 第2ラウンドに入ると、川井も意地を見せてひざ蹴りで応戦するが、引退を迎える相手に対し、“介錯役”を務めようと気合十分のファイヤーも全力で攻める。
 最後は攻め疲れて動きが鈍くなったものの、ファイヤーが川井をコーナーに追い詰め、フック連打から豪快な右ハイキックで沈めると同時に試合終了のゴング。あまりにも劇的な“ファイヤー劇場”に聖地は大爆発の盛り上がりとなった。

引退試合を迎えた川井(左)に、ファイヤーは全力で打撃戦を要求 【t.SAKUMA】

 試合後、ファイヤーは「(川井選手は)拳が重かったですね。若い選手たちの方が体力もキレもありますけど、やっぱり多くの人の思いを背負っている拳は一発一発が重いです。でも、それに耐えられたのは、自分もいろいろなものを背負っていたからで、本当にギリギリの紙一重で勝利できたと思っています」と興奮気味に激闘を振り返った。
 試合前からベルトへの思いを語っていたファイヤーは、今後について「今日の試合で、自分が引退していても全然おかしくなかった。ただ、自分は信念を持っていて、リング上で楽しい時間を過ごしたい。男として夢を追いかけたいし、行けるところまで手を伸ばし続けたいと思っています」とタイトル挑戦に向けて熱い胸の内を明かした。

三上「どうやって攻めればいいか分からなかった」

キックボクシングに“殴り込み”をかけた三上(左)だったが、決め手を欠くドロー 【t.SAKUMA】

 ケンカ自慢たちの祭典「THE OUTSIDER」で活躍し、昨年11月に金網総合格闘技「CAGE FORCE」でプロデビューを飾った三上アスカ(“リアル刃牙”渋谷莉孔)が、キックボクサーvs.総合格闘家の4対4マッチで第4試合に登場した。対するはキック界の老舗MA日本キックボクシング連盟所属で、この日がデビュー戦となる青山知寛。

 序盤はリーチのある青山の前蹴りに攻撃の糸口を見つけられなかった三上だが、自分の間合いで試合を進めると徐々にペースをつかむ。第2ラウンドに入ると、三上は左右のフックで相手の動きを止め、コーナーに追い詰めて連打。最後まで危なげない試合運びを見せた三上だが、フィニッシュを決められず勝負は判定に持ち込まれる。

 判定は1人が三上を支持、2人が同点でドロー。三上は試合後「やりにくかった。自分からどうやって攻めればいいか分からなかったですね。総合(格闘技)とは全然違いました。(相手のキックは)全然効いてなかったので、おれの勝ちだと思ったんですけど」と、判定に納得できない表情で控え室に引きあげた。

 この結果、キックボクサーvs.総合格闘家の4対4マッチは、1勝1敗2分けの引き分けに終わった。

渋谷vs.関西の3対3対抗戦、両軍譲らず引き分け

渋谷vs.関西の対抗戦は1勝1敗1分けのドローに(写真は第16試合の大西(右)vs.楠本) 【t.SAKUMA】

 第14〜16試合のトリプルセミファイナルでは、渋谷vs.関西の3対3対抗戦が行われ、フォルティス渋谷(大西晃樹、玲央)&スクランブル渋谷(遠藤信玄)に所属する3選手と、関西のM−FACTORY(楠本鉱平)&S.F.K(fire仭士、KING皇兵)所属の3選手が地元の看板を背負って対決した。

 第14試合は遠藤信玄、KING皇兵が試合開始からともにKOを狙って打ち合うが、決め手を欠く。第3ラウンドに遠藤が攻勢に出るも、最後まで倒すことはできず、勝敗は判定に持ち込まれて1人が遠藤を支持、2人が同点でドローに終わった。

 第15試合には、ファイヤー原田を慕うS.F.Kジムのfire仭士が登場。仭士は第3ラウンドに玲央からダウンを奪い、そのままKO勝利。試合後には「今日は、かなり緊張しました。ファイヤーさんに憧れて“fire”をつけています。ファイヤーさんのように強くなりたいと思います」と尊敬するファイヤーに勝利を報告した。

 トリプルセミファイナルの最後は、大西晃樹vs.楠本鉱平。渋谷を代表して絶対に負けられない大西は、最初からアグレッシブなファイトを見せる。しかし、楠本の巧みなディフェンスに倒しきれない大西だったが、判定2−0で何とか面目を守り、渋谷vs.関西の3対3対抗戦は両軍譲らず引き分けとなった。

■J−NETWORK「TIME to CHANGE the KICK by J−SPIRIT 1st」
2月20日(日)東京・後楽園ホール

<メーンイベント 63kg契約 サバイバルマッチ1 ※ヒジなし>
○ファイヤー原田(ファイヤー高田馬場/J−NETWORKライト級1位)
(3R2分59秒 KO)
●川井りん太郎(MA・Kインター柏)

<第16試合 「渋谷」vs「関西」3on3 58kg契約 3分3R ※ヒジあり>
○大西晃樹(フォルティス渋谷/J−NETWORKフェザー級3位)
(3R判定2−0)
●楠本鉱平(M−FACTORY/J−NETWORKスーパーフェザー級8位)

<第15試合 「渋谷」vs「関西」3on3 58kg契約 3分3R ※ヒジあり>
●玲央(フォルティス渋谷/J−NETWORKフェザー級6位)
(3R0分41秒 KO)
○fire仭士(S.F.K/J−NETWORKスーパーフェザー級2位)

<第14試合 「渋谷」vs「関西」3on3 ライト級 3分3R ※ヒジあり>
△遠藤信玄(スクランブル渋谷/J−NETWORKライト級6位)
(3R判定ドロー)
△KING皇兵(S.F.K)

<第13試合 ライト級 3分3R ※ヒジあり>
○前口泰祐(PHOENIX/J−NETWORKライト級7位)
(1R2分27秒 KO)
●増倉敦士(TEAM ICE)

<第12試合 ウェルター級 3分3R ※ヒジあり>
○島一生(TARGET)
(3R判定3−0)
●政道(エイワスポーツ/MASC)

<第11試合 フェザー級 3分3R ※ヒジあり>
○小山泰明(建武館)
(1R2分02秒 KO)
●乱暴(創拳ジム取手道場)

<第10試合 バンタム級 3分3R ※ヒジあり>
△日畑達也(FKD)
(3R判定ドロー)
△凱・センチャイジム(NJKF・センチャイムエタイジム/NJKFバンタム級4位)

<第9試合 85kg契約 3分3R>
○木村秀和(team pitbull)
(1R2分51秒 KO)
●Edo Ryoma(バンゲリングベイ・スピリット)

<第8試合 スーパーバンタム級 3分3R>
○木村健太郎(サバーイ町田)
(3R判定3−0)
●鎌田裕史(韓道場)

<第7試合 フェザー級 3分3R>
○鷲尾亮次(レグルス池袋)
(3R判定3−0)
●篠原基宏(バンゲリングベイ・スピリット)

<第6試合 フェザー級 3分3R>
●久世秀樹(WSRフェアテックス)
(3R判定2−1)
○鈴木優也(TSX)

<第5試合 フェザー級 3分3R>
○NOWAY(レグルス池袋)
(3R判定2−0)
●長田康助(スクランブル渋谷)

<第4試合 「キック」vs「総合」 フェザー級 3分3R>
△青山知寛(MA・Kインター柏)
(3R判定ドロー)
△三上アスカ(リングス)

<第3試合 「キック」vs「総合」 70kg契約 3分3R>
△CAZ・JANJIRA(JANJIRA)
(1R判定ドロー)※レフェリーが続行不可能と判断
△タバスコ侑一郎(総合格闘技HIT)

<第2試合 「キック」vs「総合」 62kg契約 3分3R>
●能戸俊之(Sジム)
(1R1分48秒 KO)
○井関遼(GRABAKA)

<第1試合 「キック」vs「総合」 58kg契約 3分3R>
○湊恭二郎(Sジム)
(3R判定3−0)
●板谷一樹(GRABAKA)
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