年越しプロレスに約100選手が聖地に集結=34団体出場のランブルはWWEが優勝!?

高木裕美

年末恒例となった年越しプロレスには30団体を越える選手が聖地・後楽園ホールに集結した 【前島康人】

 大みそかにプロレスの聖地・後楽園ホールで開催された「目指せ、30団体大集結! 大晦日年越しプロレス2010 カウントダウンスペシャル!!」では、30を超える団体から80人以上の選手が集結し、満員となる2011人を動員した。
 聖地でのカウントダウンプロレスは06年の「インディーサミット」、07&08年の「プロレスサミット」、09年の「天下三分の計」に続き今年で5年目。今回は19時開始のダークマッチ「19時女子プロレス」から5時間以上のロングラン興行となった。

 実行委員の1人である高木三四郎(ユニオン)は、「自分たちがこの枠を手放したら、格闘技にとられちゃうかも」と、今後も年越しプロレスを恒例化していくことを明言。多様化するファンのニーズや選手の世代交代などを実感しつつも、プロレス界をもっともっと盛り上げていきたいという意気込みを語った。

マンモスが石川との肉弾戦に勝利

2011年最初の3カウントをとったのはマンモス佐々木(右)。石川との肉弾戦に勝利した 【前島康人】

 メーンイベントのイリミネーション10人タッグマッチでは、HARASHIMA、石川修司、佐々木義人、フジタ“Jr”ハヤト、さくらえみ組VS真霜拳號、宮本裕向、マンモス佐々木、澤宗紀、田村和宏組が激突。全選手入場後、23時48分にゴングが打ち鳴らされ、年越しをまたいでの30分を超える熱戦を繰り広げた。

 10分経過のアナウンスの後、田村へのトレイン攻撃の途中で観客によるカウントダウンが行われ、新年に突入。現KO−D無差別級王者のHARASHIMAがオーバー・ザ・トップロープ(OTR)で今年最初の敗者となったり、大仏と化したさくらの策略によって急所蹴りを食らった真霜がOTRで道連れにされるなど波乱続出となる中、最後は195センチ、120キロの石川と、188センチ、125キロのマンモスによる一騎打ちに。スーパーヘビー級同士によるド迫力の肉弾戦の末、マンモスがラリアットからの29歳で石川を仕留めた。

 一昨年に交通事故でけい椎損傷の重傷を負い、1年半に渡る長期欠場を経て昨年6月にようやく復帰したマンモスは「こんないいスタートが切れてありがとう。やっぱりプロレスっておもしろい」と喜びを爆発。「嫌な事は去年に置いてきて、今年はもっともっと好き勝手に暴れていきたい」と、戦いの最前線への殴りこみを予告した。

 メーン終了後は出場全選手がリング上に集合。カウントダウンのやり直しと観客による玉入れの後、TAKAみちのくの音頭の元、「ファイト、ファイト、プロレス!」の掛け声で、2011年もプロレス界を大いに盛り上げていくことを互いに誓い合った。

森嶋がバックドロップで圧勝

ノアの森嶋も年越しプロレスに参加。ホーム外の試合でも大声援を受けた 【前島康人】

 ヘビー級スペシャルタッグマッチではプロレスリング・ノアの森嶋猛、谷口周平組がSTRONGEST−K王者の火野裕士(K−DOJO)、入江茂弘(チームでら)組に圧勝した。

 カウントダウンプロレス初参加の森嶋が登場すると、160キロの肉体にインディーファンからはどよめきが続出。火野のドロップキックを仁王立ちで受け止めてみせた森嶋がスカッドミサイルをぶっ放し、火野とチョップとエルボーの打ち合いを繰り広げると、あまりの強烈さに悲鳴が上がるほど。さらに森嶋はダブルのラリアットで2人まとめてなぎ倒すと、入江にボディープレス、ラリアット、バックドロップとたたみかけて勝利した。

「オレは団体で区別していない」とインディー団体の選手相手でも全力ファイトを貫いた森嶋は、「自分できっちり締められて良かった」と、ホームリング以上の声援を引き出しての勝利に手ごたえを実感。「火野選手も入江選手もまたやりたい」と熱いハートを持った相手チームとの再戦を希望した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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