WECが最後の大会、メインで驚愕の三角飛びハイキック炸裂
セラーニ、オモプラッタ→三角絞めでお見事一本
じわじわと三角で絞めていったセラーニ(右)が見事一本勝利 【ZUFFA】
○ドナルド・セラーニ(米国)
(Def.2R2分43秒/判定)
●クリス・ホロデッキー(カナダ)
スピードある左を伸ばすセラーニに対し、ホロデッキーは果敢に踏み込んで蹴りやパンチを放つ。リーチ&コンパスで上回るセラーニが、待ち構えるようにローを放つが、これが急所を直撃し、試合は一時中断する。
再開後、左右のフックからハイを見せたホロデッキーに、セラーニはハイ、ミドルを打ち込み、そのまま一気にテイクダウンを奪う。マウントを狙ったセラーニをリバーサルしたホロデッキー。試合は再びスタンド戦に戻り、セラーニは左ジャブで距離を測る。
セラーニは、首相撲からヒザを突き上げ、さらにはテンカオと体格の違いを上手く利用して優位に立つ。続いて、前に出てきたホロデッキーの顔面にヒザを突き上げたセラーニに、ホロデッキーは左ボディフック、スピニングバックキックと目先を変えた攻撃を見せる。
ヒザを受けながら、テイクダウンを仕掛けたホロデッキーだが、セラーニはスタンドをキープし、逆に組みついていく。勢いがつき過ぎ、自ら下になったセラーニは、パウンドを受けながら一旦はスタンドへ避難する。と、直後に組みついてバックからフック、鉄槌を落すが、そこからはホロデッキーが両腕をホールドし、初回が終わった。
2R、セラーニの左ボディフックに、カウンターでテイクダウンを仕掛けたホロデッキーだが、オモプラッタで動きを止められてしまう。一度は足をほどいたホロデッキー。しかし直後にオモプラッタに組み直したセラーニが三角絞めへ。残りは4分あり、じっくりと攻めるセラーニだったが、ホロデッキーも左腕を送られないよう、必死でヒジを畳んで耐える。
だが、セラーニがヒザを縦方向に絞めつけ、ヒザを自ら引き寄せて隙間をなくしていくと、ホロデッキーは万策尽きたようにタップ。勝者は「グレッグ・ジャクソンがずっとプッシュしてくれたおかけだ」と最後のWECのケージを後にした。
判定勝利挙げるも、反省しきりのシャロルス
勝利も反省しきりのシャルロス(左)、今後の課題はスタミナ強化にあるようだ 【ZUFFA】
○カマル・シャロルス(イラン)
(Def.3R終了/判定)
●バート・パラジェンスキー(米国)
ケージ中央に陣取ったシャロルスが、フックを振り回し距離を詰める。パラジェンスキーは左へ回りながらローを返すが、組みついたシャロルスはすぐにテイクダウンに成功する。インサイドガードからボディにパウンドを落すシャロルスに対し、パラジェンスキーは腕十字を仕掛ける。
腕を引抜いたシャロルスは、立ち上がってさらにボディにパウンド。ケージを背に立ち上がろうとしたパラジェンスキーの顔面にパンチを放つと、シャロルスはヒザをついて鉄槌を重ねていく。足を払ってパウンドを落そうとしたシャロルスに、パラジェンスキーはケージを掴んで態勢を入れ替えようとして注意を受ける。
距離を取って大きなパウンドを狙ったシャロルスだが、ここで隙ができパラジェンスキーも立ち上がる。鋭い右ローを伸ばすパラジェンスキーに対し、シャロルスも重いローを放っていく。
2R、ローの蹴り合いが続く中、シャロルスが右のパンチを伸ばすが届かない。パラジェンスキーの右ハイも空振りに終わり、再び両者がローから試合を組み立てていく。勢いで勝るシャロルスが、前に出てケージに詰まったパラジェンスキーにフックを見舞うが、単発に終わり明確に試合を支配するには至らない。
パラジェンスキーのハイで体をのけ反らせたシャロルスは、力強い打撃を放つがスピード不足か。真っ直ぐ前に出たシャロルスはダブルレッグを仕掛けるも、パラジェンスキーはしっかりとディフェンスし、ケージ中央に戻ると、再びハイキックを見せる。シングルレッグから、抜群のタイミングでリフトアップし、テイクダウンを奪ったシャロルスだったが、インサイドガードから攻め手に欠けるものの、ケージを背にして立ち上がろうとしたパラジェンスキーにパンチを連打してラウンドを締めた。
初回を、シャロルスと取るか、その判断で戦い方が変わってくる3R。まずはシャロルスのフックが連続でパラジェンスキーの顔面を捉える。再びテイクダウンを奪ったシャロルスだが、すぐに立ち上がったパラジェンスキーも左から右を伸ばす。頭を下げてテイクダウンのフェイントからフックを放つシャロルスの顔面を目がけて、パラジェンスキーのハイ、ヒザが飛び込んでくる。
ペースを握ったかに見えたパラジェンスキーだったが、シャロルスのスローな仕掛けのテイクダウンに背中をキャンバスに。パスを狙いながらパウンド落とすシャロルスはハーフからエルボーを放っていくと、立ち上がったパラジェンスキーのバックに飛び乗ろうとして、そのまま反対側に下りてしまった。パラジェンスキーはハイキック、ヒザ蹴りをヒットさせて反撃に移る。動きが完全に止まったシャロルスだが、そのままスタンドに踏みとどまりタイムアップを迎えた。
ジャッジの裁定は30−27、29−28、28−29のスプリットでシャロルスが判定勝ちを手にした。「2Rでスタミナが切れてしまった」と反省しきりのシャロルス。テイクダウンを武器に、どこまでUFCライト級戦線でやれるのか。勝って兜の緒を締めた。
12月16日(木・現地時間)米国アリゾナ州フェニックス ジョビング・ドットコム・アリーナ
<第11試合 WEC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]●ベン・ヘンダーソン(米国)
(5R終了 判定)
[挑戦者]○アンソニー・ペティス(米国)
<第10試合 WEC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]○ドミニク・クルーズ(米国)
(5R終了 判定)
[挑戦者]●スコット・ヨルゲンセン(米国)
<第9試合 ライト級/5分3R>
○ドナルド・セラーニ(米国)
(2R2分43秒 三角絞め)
●クリス・ホロデッキー(カナダ)
<第8試合 ライト級/5分3R>
●バート・パラジェンスキー(米国)
(3R終了 判定)
○カマル・シャロルス(イラン)
<第7試合 ライト級/5分3R>
●ヂャン・ティェカン(中国)
(3R終了 判定)
○デニー・ダウンズ(米国)
<第6試合 ライト級/5分3R>
●ジェイミー・バーナー(米国)
(1R3分55秒 リアネイキドチョーク)
○シェーン・ローラー(米国)
<第5試合 バンタム級/5分3R>
○ブラッド・ピケット(米国)
(3R終了 判定)
●アイヴァン・メンジバー(カナダ)
<第4試合 バンタム級/5分3R>
○エディ・ワインランド(米国)
(1R2分11秒 TKO)
●ケン・ストーン(米国)
<第3試合 ライト級/5分3R>
○ダニー・カスティーロ(米国)
(1R1分25秒 TKO)
●ウィル・カー(米国)
<第2試合 ライト級/5分3R>
●ヒカルド・ラマス(米国)
(1R3分26秒 TKO)
○ユーリ・アルカンターラ(ブラジル)
<第1試合 バンタム級/5分3R>
○ヘナン・ベラォン(ブラジル)
(1R3分47秒 リアネイキドチョーク)
●クリス・カリアソ(米国)
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