菊谷「W杯につなげていきたい」=ラグビー
パス回しと展開の速さがトヨタの魅力
パス回しと展開の速さがトヨタの魅力、と語った北川 【Photo:久保暁生】
菊谷 スタッフと選手が一緒に考えてチームを作っていくスタイルにはなっていますし、それは選手にとってとてもいいことです。
――トップリーグの優勝争いもこれから佳境ですが、昨季は王者・東芝に2勝(トップリーグと日本選手権)していますね(※このインタビューは、第9節の東芝戦直前)。
菊谷 僕の中で東芝戦は特別。試合に出ることはテストマッチ並みの意識があります。同じスタイルだからか、ガチンコ勝負になるんですよ。サントリーは僕らの強みをうまく避ける。三洋電機はその中間くらい。東芝に対しては真っ向勝負ができる。
北川 あれぐらい激しく来てくれたほうが、やりがいがあって楽しいです。力で行くと、力で返してくる。お互いにやりやすい。
――優勝からは遠ざかっていますね。
北川 決勝まではいくけど負けちゃう。1998年の全国社会人大会で優勝して以降、タイトルはありません。
――何が足りないのでしょう。
北川 力勝負では強いけど、もっと考えて動くところが出てくれば、攻撃の幅も広がって相手も止めにくくなると思うんですけどね。
――お客さんには、トヨタのどういうところを見てほしいですか。
菊谷 アホなくらい体を当てるところ(笑)。
北川 キックが少なくて、よくボールをパスで回します。展開も速いし、楽しいと思いますよ。見てもらうには、そのあたりが魅力かな。
――イケメンはどうでしょう。
菊谷 城戸(雄生)が結婚したからなあ。ルーキーの安藤泰洋かな。和田耕二も男前。彼は日本代表で成長しましたよ。
北川 ロシア戦で先発したのが自信になったのでしょうね。トヨタでのプレーも落ち着いてきました。
北川「カーワンはほんとに怖い」
日本代表として、来年のW杯での活躍も期待される2人 【Photo:久保暁生】
菊谷 僕は日本代表がなかったら成長できなかったかもしれません。JKには2008年から代表に呼んでもらってプレーして成長できたからこそ今の自分がありますね。ラグビーの基本プレーを体に染みつくまで教えてもらえますから。
――具体的には。
菊谷 きめ細かいんです。タックルするときの足の踏み込み、肩のヒット、バインドも両腕同じ高さでするとか、そうしたポイントを理論的に指摘してくれる。だから、僕も若い選手に理論的に教えることができる。
北川 僕も学びました。試合後に、JKとの面談で、なぜ抜かれたのか説明してくれる。その積み重ねで試合ごとに成長を実感できる。勉強になっています。だからこそ、ほかの選手ができていないことを注意できる。
――来年はワールドカップです。
菊谷 試合に勝ち続けて、それがワールドカップにつながっていけば。
北川 まだ選ばれるかどうか分かりませんから。
――でも、JKはロックはあの3人(北川、東芝の大野均、近鉄のトンプソン・ルーク)でOKと言っていますよ。
北川 ほんとですか? マジで喜んじゃいますよ。
――JKは怖いのですか。
北川 怖い。この年齢で、人を怖いと思うのもそうはないと思います。面談とか、ほんと厳しくて怖いですから。
菊谷 言い訳させてくれないし、もう黙って聞くだけです。脇汗かいて(笑)。
――ワールドカップに行くとして、楽しみにしていることは?
北川 僕もキクちゃんも初めてだから、どんな雰囲気かも分からない。だから、とにかく行きたいです。
菊谷 大野選手が、「命を張れるところ」ってさらっと言うでしょう。そこに何があるんだろうなって思うし、そこに立てるように、選ばれるように、頑張っていきたいです。
<了>
■選手プロフィール
菊谷崇 / Kikutani Takashi
1980年2月24日、奈良県生まれ。187センチ、100キロ。ポジションNo.8/FL。御所工高、大阪体育大学を経てトヨタ自動車ヴェルブリッツ入り。日本代表キャップ35。日本代表ではキャプテンも務め、ジョン・カーワンヘッドコーチからの信頼も厚い。
北川俊澄 / Kitagawa Toshizumi
1981年2月7日、京都府生まれ。195センチ、110キロ。ポジションLO。伏見工高、関東学院大を経てトヨタ自動車ヴェルブリッツ入り。タフネスぶりが特徴の密集の中心人物。日本代表キャップ33。