世界クラスのタッグチーム復活! 邪道・外道がV=新日本プロレス

タカハシ

邪道(右)・外道が復活のジュニアタッグリーグV! 【t.SAKUMA】

 11月7日からディファ有明にて5日連続開催された新日本プロレス「J SPORTS CROWN〜SUPER J TAG LEAGUE〜」の最終戦が13日、550人(超満員札止め)の観客を集めて開催された。10月11日の両国国技館大会で田口隆佑、プリンス・デヴィットの保持するIWGPジュニアタッグ王座を、DDTの飯伏幸太、ケニー・オメガに奪われた事もあり、新日本プロレス主催でありながらIWGP王者チーム不在であり、GHCジュニアタッグ王者チームのタイガー・マスク、金本浩二が参戦というイレギュラー現象を起こしたリーグ戦であったが、スーパージュニアの名の通りの最先端、最高峰の戦いを連日繰り広げた。

 この日行われた公式戦のAブロックは、第1試合でGHCジュニアタッグ王者チームの金本・タイガー組が、因縁浅からぬハヤト・野橋組を制したものの、続く第2試合で邪道、外道組が頭脳プレイでAKIRA、KUSHIDA組から勝利。金本組は邪道組に公式戦で敗れていることから、勝ち点6で並びながらも脱落となった。

CMLLが超絶連係技を披露、アポロ55も底力見せた

決勝進出を逃したアポロ55(左)だが、翌日のIWGPジュニアタッグ王座挑戦へ闘志をさらに燃やした 【t.SAKUMA】

 一方のBブロックは観客を味方につけた論外・FUJITA組が独特の連携で追い込みながらも、最後はリチャーズのパワーボムからのシャープシューターに論外がタップ。リチャーズ組が残りの第4試合の結果に決勝進出への望みを託すなか、その第4試合では前IWGPジュニアタッグ王者チームであり、翌14日のDDT大阪大会でのリターンマッチが決定しているアポロ55こと田口隆佑、プリンス・デヴィット組が、ラ・ソンブラ、マスカラ・ドラダのCMLLのスペル・エストラージャ組と対戦した。

 ゴングと同時に繰り広げられる鮮やかで華のある両チームの攻防は、最初から最後まで歓声とため息の途切れないものとなった。特にCMLL組による同じロープを使っての同時のスワンダイブ式ミサイルキックやソンブラのハイスピードなアラビアン・プレス、ドラダのロープを数歩歩いてからのミサイルキックなど、現在進行形のメキシコマットの戦いを見せるものとなり、アポロ55を上回る歓声が集まる場面も何度となく見せた。
 一方アポロ55もデヴィットが公式戦で左脇腹を痛めたことにより、100%の状態ではなかったものの、田口の懸命なサポートにより試合を一方的なものにはさせない意地を見せつける。
 試合中番からはデヴィットの左脇腹に施されたテーピング周辺への攻撃も見せ、勝利への執念を見せたCMLL組だったが、デヴィットがソンブラのラ・ケブラーダを自爆させると、リング上の田口がドラダのロープをかけ上がってのムーンサルトアタックは受けてしまったものの、最後は後方回転エビ固めで3カウントを奪ってみせた。
 しかし勝ち点2は奪ったものの公式戦で敗れているデイビー・リチャーズ&ロッキー・ロメロ組と並んでの6点止まりとなったため、決勝進出は逃す事となってしまった。

 以下はデヴィット、田口の試合後のコメント。

デヴィット「リチャーズ組との対戦で負傷して、100%の状態とはならなくなってしまい、田口選手に負担をかけてしまって申し訳なかったです。明日のIWGP戦では必ず勝ってベルトを獲り返したいです。(リチャーズの挑発については?)彼のコメントについては直接聞いていないので何も言えませんが、このトーナメントを通じて彼の実力が相当なものである事は認識しています。きっとこのIWGPジュニアのシングルのベルトを狙ってくると思うので、挑戦された場合は受けるつもりでいます」

田口「決勝に上がれなかったのは残念でならないですね。デビちゃんも回復してきているので、明日のタイトル戦も少しのコンビネーションで勝機も訪れると思うので、ワンチャンスかも知れないけれどものにできればベルトは獲り返せると思います。諦めないで頑張りたい」

大苦戦の連続も最後は邪道! IWGP奪還も宣言だ

大苦戦を強いられながらも最後は邪道(後方)が渾身のクロスフェイス! 【t.SAKUMA】

 これにより決勝は邪道&外道組と、ダークホースと言えるデイビー・リチャーズ&ロッキー・ロメロ組のカードとなった。

 会場から「外道」コールが爆発する中、リチャーズと外道が先発で激突。リチャーズは外道のかきむしりなどを受けながらもダイナマイト・キッドを思い出させる強烈なタックルでなぎ倒してみせる。代わった邪道はお返しとばかりにリチャーズとのタックル合戦を仕掛けるが、これも力と技で制したリチャーズはロメロと交替するが、この勢いは変わらず、場外戦をはさんで邪道の動きが止まってしまう。
 この日ばかりは、とばかりに会場からは邪道への声援が続くが、ロメロはストレッチ・プラムやギロチンドロップなど、邪道の古傷である首に狙いを定めた攻撃を重ねていく。ロメロのダイビング・クロスボディをかわした事でようやく外道とのタッチに成功すると、外道はリチャーズとロメロを同士討ちさせる攻撃を連続する事でペースを取り戻したかに見えた。しかしロメロへの足四の字固めをリチャーズはダイビング・ヘッドバットでカットし、ここから外道のローンバトルが続いてしまう。

「外道、しっかりしろ!」という悲痛な声も飛ぶ中、ロメロがおちょくるように「ゲドウ、ゲドウ」とつぶやき、その後も外道の苦闘は続くが、邪道もコーナーに立つと攻撃を加えられるなど、完全にリチャーズ、ロメロ組のペースで試合は進んでいく。放った自らもダメージの大きいトップロープからの雪崩式ブレーンバスターをなんとかクリアした外道をアシストしようと、邪道もチョップ攻撃で試合に参加するが、リチャーズ組の勢いは止まらない。
 それでもダブルインパクト式の連携を自力でカットした外道だが、外道クラッチは2で返され、急所蹴りでようやく邪道とタッチ。反転式の攻撃をジャーマン3連発で切り返し流れを引き戻すかとも思われた邪道だが、セカンドロ−プからの飛びつきDDTを受けてしまう。
 その後も切り札であるスーパーパワーボムまでもカットされてしまうが、最後はラリアットからのクロスフェイス・オブ・JADOでロメロからタップを奪い、ワールドクラス・タッグチームが完全に復活した事を証明した。

 試合後は真っ先に「リチャーズとはもう2度と戦わねぇ!」と宣言するかたちで対戦相手を称えた2人は、IWGPジュニアタッグ王座を獲り返す事も宣言したものの、優勝チームでありながら記者たちとの質疑応答もなく控え室に戻っていった。

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