【CS出場チーム紹介⑤】名古屋ダイヤモンドドルフィンズ「積年の思いを胸に邁進する西地区王者」

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悲願の西地区優勝を果たした名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 【(C)B.LEAGUE】

 レギュラーシーズン上位8チームによる「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24」がいよいよ幕を開ける。本稿ではチャンピオンシップの出場チームを紹介。5チーム目は3大会連続5度目の出場となる名古屋ダイヤモンドドルフィンズをピックアップする。

「このままでは終われない」

 2023-24シーズンの開幕前、齋藤拓実は強い決意を口にしていた。

 名古屋Dはショーン・デニスヘッドコーチ(HC)就任以降3年連続でチャンピオンシップ(CS)出場を決めた。しかし過去2シーズンは、シーズン終盤にケガ人が続出したことが影響し、クォーターファイナルで敗退する悔しい結果に終わっている。

「自分たちの力が証明できている試合があるのに、最後の最後でケガ人が出てそれを示すチャンスをもらえなかった。日本人選手全員が継続するというのはなかなかないこと。それはもう一度このメンバーでしっかりと戦い抜きたいという気持ちの表れだと思う」(齋藤)

 アグレッシブなチェンジングディフェンスを仕掛けて、そこから速いトランジションを繰り出し、精度の高い3ポイントシュートで仕留めるペース&スペースのバスケットは、この3シーズンで完成形に近づきつつある。平均84.0得点はリーグ3位、21.7アシスト、3ポイントシュート成功率36.8パーセントはいずれもリーグ2位。さらに今シーズンはジョシュア・スミスが加入したことでリバウンドが強化され、リーグトップの42.1本を記録している。

 開幕前にスコット・エサトンと張本天傑がインジュアリーリスト入りという不安要素を抱えながら、開幕から7連勝。12月は負け越すが、1月から3月にかけてクラブ歴代タイ記録となる11連勝を飾って一時は西地区首位に立った。

 しかし、キャプテンの須田侑太郎は「チームとしてのパフォーマンスの不安定さ、脆さが課題だと感じていた」と言う。その懸念はシーズンの終盤で浮上した。CS出場決定を目前にしながら、4月14日のファイティングイーグルス名古屋、17日の大阪エヴェッサは攻守が噛み合わず連敗。地区優勝を争う琉球にリードを許す日々が続いた。

 だが、この逆境がチームを強くする。続く島根スサノオマジック、琉球ゴールデンキングス、佐賀バルーナーズと6連勝を飾り、最後は大逆転で西地区優勝を成し遂げた。

 須田は「(最終節の)2日間でチームとしてまた大きくなった。優勝をつかみ取るチームはトーナメントを通してどんどん良くなっていく感触があるが、それを今プレーしながら実感できている。しかもホームでできるのは最高です。3年間の集大成を見せる時が来た」と顔を輝かせる。

 西地区王者として、最高のコンディションで迎える今シーズンのCS。ドルファミの声援を力に、さらに大きな目標を成し遂げる。

■KEY PLAYER/SG・SF #11 須田侑太郎

チームの精神的支柱でもある須田侑太郎 【(C)B.LEAGUE】

 名古屋Dに加入して3年目。昨夏のワールドカップのメンバー入りを逃した須田は、自分の殻を破るためにキャプテンに志願した。

「リーダーシップを求められていることは入団時から感じていましたが、どのようにすればいいのか分かりませんでした。シーズンを通して、どうすれば全員が同じ方向を向くことができるのか、自分なりの方法でつかみかけてきています」

 西地区優勝に向けて負けられない4月の琉球戦では、3ポイントシュート5本を含む26得点のキャリアハイをマーク。デニスHCも「常にチームのことを考えている」と絶大な信頼を寄せる。

 キャプテンとして試行錯誤しながら、たくましさを増した須田は、言葉で、プレーでチームを優勝へと導く。

文=山田智子
構成=バスケットボールキング
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