オシム氏「ザッケローニ監督就任は価値のある挑戦になる」=元日本代表監督がイタリア人指揮官に期待するもの

論スポ

ザッケローニは、チームが何を求めているかが分かっている男

オシム氏(写真)は「ザッケローニを迎えたことにポジティブな期待を寄せている」と話した 【写真:アフロ】

 日本サッカー協会は、2014年ワールドカップ(W杯)・ブラジル大会に向けた新指揮官にイタリア人のアルベルト・ザッケローニ氏を選択をした。論スポ最新号「ザックJAPAN誕生!〜ニッポン新生力〜」にコラムを寄せてくれた元日本代表監督のイビチャ・オシム氏は、その中で、初めてザッケローニJAPANへの私見を明らかにしている。

 関係者からリアルタイムで次期監督就任のニュースを手にしたオシム氏は「多少の驚きがあった」とその瞬間の素直な気持ちを書きつづった。そして、「代表監督交渉の過程において、日本には、一本、芯(しん)の通ったぶれない方針がなかったように感じた」と切り込んだ。

 その理由の1つは、さまざまな名前が飛び交った監督交渉の中で、ザッケローニに行き着いた過程を「方向転換」と受け取ったからだ。オシム氏は代表監督を選んで任命するという日本サッカー協会の仕事をこう定義している。
「監督にどういう仕事を求めるか。日本であろうと海外のビッグクラブであろうとチームを前進させることに最も重要なものは、監督に何を求め、その監督は何がしたいのかということである。そして、その監督は、監督という地位で、何かを変化させようとしなければならないし、何かを動かさねばならない」
 つまり、その定義に照らし合わせた時、何をザッケローニに求めるかが、見えにくかったと指摘したのだ。

 ただ、オシム氏は、ザッケローニを監督として高く評価している。「ザッケローニを迎えたことにポジティブな期待を寄せている」と断言すると、「彼はそのチームが何を求めているかが分かっている男」とした。
「日本とザッケローニという哲学の合体は、いい混合物を創造することが可能だ。結果だけを追求するなら、それにふさわしいスタイルである。勝利という結果を求める価値観をもってしてイタリアサッカーを導入したいのであれば、筋道が通った正しい選択である。日本が南アフリカでのベスト16という結果を失敗として認識しているならば、なお、新しい監督としてザッケローニを迎えたことは正しい選択となるだろう」

 ただ、オシム氏は、ザッケローニに対する不安と、日本サッカー協会への注文も忘れていなかった。その中身については、論スポ誌上で確認していただきたいが、オシムは「彼を呼んだことは価値のある挑戦になるだろう」と結んでいる。

<論スポではコラムの全文をお読みいただけます>

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