因縁のマリナーズとエンゼルス、それぞれの誤算
開幕前は期待の好カードも…
エンゼルスの松井秀が18号2ランを放つなど日本人選手の活躍が光った3連戦だが… 【共同】
3階席は、連日のように人がまばら。ライトの3階席など、3日とも数えられるほどのファンしかいなかった。
2戦目の前に昼食を共にした『LAタイムズ』紙のマイク・ディジィオバンナ記者は、「入っている方じゃないか」と話したが、確かに、両チームともプレーオフを逃すことが確実な消化試合で、1戦目に2万人を超えたことは“まずまず”と言えなくもない。
ただ、シーズン前に日程を見たとき、このシリーズと来週末にアナハイムで予定されているシリーズは、アメリカンリーグ西地区の行方を左右するだろう、との見方もあった。
おそらく、そう読んでシーズン前にチケットを確保したファンがいたからこそ、1戦目は2万人を超えたのかもしれないが、現実は予想したものとはかけ離れていた。3試合目には松井秀喜が決勝弾を放つなど、日本のファンには楽しめる試合となったが、シーズンの行方とは無縁の空虚な戦いがフィールドで繰り広げられていた。
打撃不振が響くマリナーズ
前出のディジオバンナ記者は、「開幕戦の3番をケイシー・コッチマンが打った時点で、厳しいと思った」と振り返ったが、エンゼルス時代からコッチマンを知る彼にしてみれば、やはりマリナーズの駒不足がそこにうかがえたよう。
マリナーズの得点は、エンゼルスとのシリーズを終えて、両リーグ通じて最下位の431点。133試合で431点なので、1試合平均は3.24点。これは、“打てない、打てない”と言われた昨年の1試合平均「3.95」点さえ大きく下回る。
おそらく最終的には、多く見積もって550点。ということは、現時点で、総得点の上位22チームが今後の試合で1点も取れなくても、マリナーズは彼らを上回れない計算だ。
エンゼルスも主力の打線が沈黙
トリー・ハンター
通算:2割7分5厘 今季:2割9分1厘
ハワード・ケンドリック
通算:2割9分5厘 今季:2割7分8厘
エリック・アイバー
通算:2割7分9厘 今季:2割6分5厘
松井秀喜
通算:2割8分8厘 今季:今季2割6分2厘
ボビー・アブレイユ
通算:2割9分6厘 今季:2割5分4厘
マイク・ナポリ
通算:2割5分4厘 今季:2割4分8厘
フアン・リベラ
通算:2割8分 今季:2割4分7厘
打率はあくまでもオフェンスの一つの目安にしか過ぎないが、ハンター以外は、見事にダウン。となれば、影響は決して小さくない。