連覇懸かるスペイン、チーム力高いアルゼンチンなど=世界バスケ注目国紹介

宮地陽子

フィジカルの強さを持つギリシャ

ギリシャのPG・ディアマンティディス(左)。名前の頭文字と得意のディフェンスのDをとって3Dと呼ばれる 【Getty Images】

 現役NBA選手が一人もおらず、ロスターの大半が国内リーグのチームに所属する選手から成る。大会前、セルビアとの親善試合で両チーム入り混じっての乱闘があり、その結果、ギリシャからはアントニオス・フォツィス(パナシナイコス)とソフォクリス・スコーツァニティス(マカビ・テルアビブ)が2試合の出場停止処分を受け、予選ラウンドの最初の2試合に出られなくなった。最初の2試合の相手が戦力が欠けた状態でも勝てる中国、プエルトリコだったのは好運。全体的に長身で、フィジカルの強い選手が多く、4年前の世界選手権準決勝ではサイズを生かしたシンプルなピック&ロールで米国ディフェンスを崩し、金星をあげている。

【注目選手】ディミトリス・ディアマンティディス
 PGのディミトリス・ディアマンティディス(パナシナイコス)は長身と長いウィングスパンを持つサウスポー。名前の頭文字と得意のディフェンスのDをとって3Dと呼ばれる。ヨーロッパでは高く評価されながらも、NBAからドラフトされたこともなく、ある意味NBAとは対極にある、ギリシャ的な名選手。

若いチームながら優勝候補に成長したセルビア

 2年前の北京五輪からチームに若返りを始めたチームで、現チームもほとんどの選手が25歳以下という若さなのだが、予想外に早く世界の頂点に返り咲き、去年の欧州選手権では強豪ひしめく中で2位を獲得して注目を浴びた。今大会前のギリシャとの親善試合で起こった乱闘の処分で、チームの中心となるセンターのネナッド・クリスティッチ(オクラホマシティ・サンダー)が3試合、PGのミロス・テオドシッチ(オリンピアコス)が2試合の出場停止処分を受けたのは痛いが、予選ラウンド最終戦のアルゼンチン戦までには全戦力がそろう。ダークホースとしてではなく、優勝候補としてマークされる中での若いチームの戦いぶりに注目。

【注目選手】ネナッド・クリスティッチ
 大会前の乱闘事件で3試合の出場停止処分、チームの足を引っ張ってしまったネナッド・クリスティッチだが、得点に、リバウンドに、チームにとってはなくてはならない戦力。去年の欧州選手権ではリバウンド、得点ともにチーム最多。チーム唯一のNBA選手でもある。自分でシュートを打つだけでなく、パスを裁くこともできる器用さも武器。

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著者プロフィール

東京都出身。国際基督教大学教養学部卒。出版社勤務後にアメリカに居を移し、バスケットボール・ライターとしての活動を始める。NBAや国際大会(2002年・2006年の世界選手権、1996年のオリンピックなど)を取材するほか、アメリカで活動する日本人選手の取材も続けている。『Number』『HOOP』『月刊バスケットボール』に連載を持ち、雑誌を中心に執筆活動中。著書に『The Man 〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)がある。現在、ロサンゼルス近郊在住。

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