伊東がデスマッチ王座防衛、流血戦制し竹田を撃沈=大日本プロレス

高木裕美

デスマッチ王者の意地! 伊東(左)が新世代の竹田を壮絶流血戦の末に退け初防衛に成功 【t.SAKUMA】

 30日の大日本プロレス東京・後楽園ホール大会では1180人を動員。メーンイベントではBJW認定デスマッチヘビー級王座をかけ、王者・伊東竜二と挑戦者・竹田誠志が「ガラス&蛍光灯+αデスマッチ」で激突し、20分を越える激闘の末に伊東が初防衛に成功した。

 5.4横浜文化体育館大会で宮本裕向を破り2年ぶり4度目の王座返り咲きを果たした伊東だが、先月の後楽園大会でタッグ戦ながら竹田に3カウントを献上したことから、初防衛戦が決定した。
 竹田は昨年7月に宮本に挑んで以来、1年ぶり2度目のデスマッチ王座挑戦。この日はSTYLE−E無差別級チャンピオンとして、ベルトを巻き、STYLE−Eの仲間たちをセコンドに引き連れて伊東に挑んだ。

新世代・竹田を評価も勝因は「意地とキャリアの差」

勝因は「意地とキャリアの差」! 【t.SAKUMA】

 竹田はカミソリボードを裏側に仕込んだ鉄製のうちわを持ち込むが、伊東に奪われ、先制の一撃を食らう目に。さらに開始5分にしてガラスボードに背中から突っ込み、蛍光灯サッカーボールキック、ボディースラムなどを立て続けに食らってしまう。
 この攻防の最中に左目まぶたの肉がえぐり取られ、流血が止まらなくなってしまった竹田だが、頭にタオルを巻いた状態で試合を続行。有刺鉄線ボードに伊東を押し込むと、伊東の降らせた黄金の画鋲の雨にもひるむことなく、ジャーマンで伊東を画鋲の上に叩きつける。
 伊東はムーンサルトプレス、ドラゴンスプラッシュwith蛍光灯シートとたたみかけると、竹田のガラスボード上へのジャーマンスープレックスをカウント2ではね返し、「先月負けた借りを返す」とばかりにジャーマンスープレックス、ドラゴンスープレックスを連続で繰り出すが、これでも竹田は屈せず。ならばと伊東はとっておきのドラゴンスプラッシュon the蛍光灯束で勝利した。

 場内から大「竹田」コールが起こる中、アクシデントをモノともせずに最後まで戦い抜いた挑戦者に対し、「まだまだやるぞ。いつでもかかってこい」と再戦を呼びかけた伊東は、バックステージでも「新世代の中でも竹田は抜きんでている。他の選手も見習うべきだし、自分も見習わないと」と、体格やスキルを最大限に生かしたファイトを見せた挑戦者をたたえた上で、勝因を「意地とキャリアの差」と分析。次期挑戦者については「自分から指名するより、どんどん名乗りを上げてほしい」と呼びかけた。

石川組が関本、義人組にリベンジ

石川(左)が豪快スプラッシュマウンテンでセミファイナル勝利! 王座戦線へも名乗りを挙げた 【t.SAKUMA】

 セミファイナルでは関本大介、佐々木義人組と石川修司、岡林裕二組が激突。パワーファイター揃いの激しい肉弾戦を繰り広げた。

 両チームはタッグリーグ戦で対戦しており、この時は関本組が石川組に勝利している。関本と石川は今年に入って2度、DDTのKO−D無差別級王座をかけてシングルで対戦しており、いずれも関本が勝利。また、関本と岡林は師弟関係にあり、かつてのタッグパートナーであったが、関本が大日本に移籍した義人との旧友タッグを復活させたため解消となっていた。

 長年タッグを組んでいる関本と義人はこの日も息の合った連係を披露。8分過ぎに関本が石川をアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げて見せれば、10分過ぎには義人が岡林にアルゼンチンバックブリーカーからのアルゼンチンコースターを炸裂。さらに石川の巨体を眉山で投げ飛ばし、一気に岡林を仕留めにかかるが、孤立した岡林が奮闘。勝機を逸した関本組に対し、まずは合体のノド輪落とし&バックドロップで関本を場外へ追いやる間に、石川がスプラッシュマウンテンで義人を沈めた。

 タッグリーグ戦の借りを返した石川は「オレたちがもっと上を目指してリングをおもしろくする」と、タイトル戦線に名乗り。岡林も「シングルで関本、義人に勝ちたい」と下克上宣言した。

タッグ前哨戦で葛西組と貴組が激突

BJWタッグ王者の045邪猿気違’sが宮本(上)組に不覚……8.9名古屋の王座戦はどうなる? 【t.SAKUMA】

 葛西純、“黒天使”沼澤邪鬼、木高イサミ組vs.佐々木貴、宮本裕向、星野勘九郎組によるストリートファイト スクランブルバンクハウス 6人タッグデスマッチでは、8.9名古屋でBJWタッグ王座をかけて「月光闇討ち タッグデスマッチ」で戦う王者の045邪猿気違’sと挑戦者の貴、宮本組がライバル心ムキ出しでぶつかり合った。

 6人は試合開始のゴングと同時に場外戦に突入。葛西と貴は南側客席で乱闘を繰り広げる。10分頃には沼澤が宮本にジョン・ウー、雪崩式フランケンシュタイナーを繰り出すが、宮本も即座に反撃に出る。
 葛西は星野にリバースタイガードライバー、パールハーバースプラッシュon the有刺鉄線バットを立て続けに放ち、決着をつけようとするも、宮本がカウントを阻止。逆に沼澤を標的に定め、貴&宮本の合体Dガイストから宮本がムーンサルトプレスwith有刺鉄線バットでトドメをさした。

 「名古屋で葛西、沼澤を倒してチャンピオンになってここへ戻ってくる」と、前哨戦の勢いそのままに名古屋でのタイトル奪取を誓う宮本組に対し、沼澤は「名古屋は名古屋」と敗戦ショックをかなぐり捨て、タイトルマッチ本戦での勝利を宣言。前日8日の大阪大会では葛西、沼澤組vs.伊東竜二、アブドーラ小林組によるファイヤータッグデスマッチが組まれていることから、名古屋決戦は相当のダメージを負っての出陣となることが予想されるが、沼澤は「ハンディキャップだよ」とあくまで王者の余裕を見せつけた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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