FC東京の長友「無名でもW杯の舞台に立てることを証明できた」=日本代表W杯メンバー帰国会見
長友「目標を達成できなかった悔しい思いでいっぱい」
帰国会見に臨んだ長友(左)と今野 【スポーツナビ】
今野 無事に帰ってきました。結果は残念でしたけど、すごく楽しい大会でした。ありがとうございました。
――あらためてどのような大会だったと感じるか?
長友 北京五輪の時にチャレンジができなくて、自分自身本当に悔しい思いをしました。その悔しい思いを胸に、W杯では絶対にチャレンジしようということは決めていて、今大会は個人としてはチャレンジできた大会だったと思います。
今野 もうちょっとやっぱり、上まで勝ち上がりたかったなという気持ちが、チームとしてあります。
――出発前に比べて、帰国後は日本での反応が変わったと思うが「やったぞ」という気持ちは?
長友 いや、本当に正直、そういう気持ちはひとつもないです。ベスト4を目指して本気で取り組んでいましたし、その目標を達成できなかった悔しい思いでいっぱいです。ただ、過去のことはもう変わらないので、これから自分を日々どれだけ追い込んでいけるか、成長していけるかが課題だと思います。
今野 成績に関しては満足いく成績ではなかったし、個人的にはそれほど試合に出ていないですし……。とりあえず、そんな感じです。
――昨日は大阪で帰国会見があったが、夜はどのように過ごしたのか?
長友 1人になりたかったので、自分の部屋で1人でゆっくりしていました。ただ、時差ボケで眠れませんでした。
今野 僕は本当に疲れ切っていたので、すぐ寝ました。
今野「経験ある選手がいたからこそ一つになれた」
長友 昨日、見ていただいた通り、今ちゃん(今野)がああいうパフォーマンス(※闘莉王のモノマネ)をやったり、森本がわけ分かんない歌を歌ったり。そういうので本当に空気が和んで、みんなが一つになったのだと思います。
今野 上の(年齢の)人たちがすごく優しいので、多分、下の若い人たちもやりやすかったと思うし、経験ある選手がいたからこそ一つになれたと思います。
――W杯での経験が今後に生きると思うが、今大会で学んだことは?
長友 学んだことはたくさんありすぎて、これというのは言えません。ただ本当に、大舞台を経験して一番強く感じたことは、自分は1人ではないなと。本当にみんなに支えられて今の自分がいるし、こういう舞台に立っているんだなという感謝の気持ちが強く出てきたし、本当に大事なことだと再確認できました。
今野 すごく精神力が大事だなと感じました。精神力が強くないと、やっていけないなと思いました。
――W杯を通じて「世界との差」を感じたか? それともやっていけるという「手ごたえ」を感じたか?
長友 本気の勝負をしてみて、僕自身やれるなという自信はつきました。
今野 すごい差があるとは思いませんでしたけど、学ばなくてはいけないところがたくさんあるなというのも感じました。
――具体的には?
長友 1対1の部分だったり、自分が(FC東京の練習グラウンドがある)小平で土斐崎(浩一)フィジカルコーチらと磨いてきた走力だったり、スプリントの部分は、ある程度やれるかなという自信は感じました。
今野 普段テレビで見ていて、そんなにいい選手じゃないなと思っていた選手が、技術が高かったり、ボールへの寄せがすごく早かったり、体の入れ方が巧かったり。生で見ると、やっぱりこの人すごいんだな、生で見ないと分からないんだなと、そういうところを学びたいなと思いました。
――五輪など、これまでにも国際大会を経験しているが違いは?
長友 今回は南アフリカに行っていたので、日本での盛り上がりは分からないところはありましたけど、でも北京五輪を経験したおかげで、いい緊張感でW杯の初戦から入ることができた。北京五輪の時は、ふがいない試合をして、ふがいない自分がいた。それが無駄ではなかったと強く感じましたし、大舞台でも堂々とやれるメンタルは鍛えられたかなと思います。
今野 五輪の時は、まだ子どもであまりわけも分からず試合をしていましたけど、今は4年に一度のW杯だし、こんなチャンスないなと思う中で、緊張感を持ってプレーしていました。重圧とかプレッシャーもものすごく感じたし、本当に緊張感のある大会でした。