ショウワモダン叩き上げの頂点! 父子2代マイル王に=安田記念

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混戦の安田記念に断を下したのは後藤騎乗の伏兵ショウワモダン! 父子2代で春のマイル王に輝いた 【スポーツナビ】

 春のマイル王決定戦・第60回GI安田記念が6日、東京競馬場1600メートル芝で開催され、後藤浩輝騎乗の8番人気ショウワモダン(牡6=杉浦厩舎)が優勝。中団やや後方から直線外を力強く伸び、通算39戦目でのGI初挑戦・初制覇で新マイル王の座についた。良馬場の勝ちタイム1分31秒7は安田記念レコード。

 同馬の父エアジハードは1999年の安田記念勝ち馬で、グレード制を導入した1984年以降、ニホンピロウイナー(85年)―ヤマニンゼファー(92、93年)に続く史上2組目の父子制覇を達成。また祖父サクラユタカオーは86年のGI天皇賞・秋を制しており、父子3代GI制覇の快挙も達成した。
 騎乗した後藤はJRA・GI初勝利を飾った2002年アドマイヤコジーン以来となる安田記念2勝目、同馬を管理する杉浦宏昭著教師は初勝利となる。

 一方、1/2馬身差の2着には藤岡佑介騎乗の6番人気スーパーホーネット(牡7=矢作厩舎)が突っ込み、4度目のGI銀メダル。さらにアタマ差の3着には三浦皇成騎乗の5番人気スマイルジャック(牡5=小桧山厩舎)が入った。なお、1番人気に支持された安藤勝己騎乗のリーチザクラウンは14着(牡4=橋口厩舎)に敗れている。

ダービーを、そしてアドマイヤコジーンを思い出しながら

ダービーでの悔しすぎる2着を糧に……後藤はウィニングランで男泣き 【スポーツナビ】

 高く上がった右手のガッツポーズ、そして馬上での男泣き。ショウワモダンを殊勲の金星に導いた後藤が、緑鮮やかなターフの上で喜びを爆発させた。
 「直線の手応えはすごく良かったんですけど、先週までの自分だったら早く追い出しすぎて、ひょっとしたら別の馬に差されていたかもしれない。でも、先週のダービーでの負けが自分の中ですごく強く残っていて……それを思い出しながら、『まだだ、まだだ』と待てるだけ待って追い出しましたね」

 先週5月30日、競馬の祭典・日本ダービー。後藤は騎乗停止となった小牧太からバトンを受ける形で、2歳王者ローズキングダムの手綱を取った。結果はエイシンフラッシュの急襲に屈するクビ差の2着敗戦。それまでローズキングダムが2歳王者の輝きを失いかける連敗中だったこと、直前にザ石のアクシデントがあったことなどを考えれば、よく奮闘した2着だったとも言える。しかし、後藤はそのレース後「言葉にならないですね……」と苦渋の表情を浮かべていた。
 そんな「悔しい」のひと言では言い表せない敗戦を糧に、自分をひとつ成長させた関東の名手。そのひとつの答えが、この安田記念でのベスト騎乗だったと言えよう。
 「もう一心不乱に追うだけ追いましたが、最後の100メートルは僕も馬も体力をギリギリ使っていましたから、気力だけでしたね。精神力でゴールまでたどり着いたんだと思います」

 そして、もう1つ、レース中の後藤の胸に去来する過去の思い出、経験があった。それは2002年の安田記念。後藤が初のJRA・GI勝利を飾ったレースであり、コンビを組んだのはアドマイヤコジーンだった。
 「アドマイヤコジーンで制した安田記念が、僕の体に強く残っていましたし、経験が自分自身に残っていました。返し馬からスタートから、一歩一歩思い出しながら、同じように回ってこれたと思いますね」

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