坂田が罰ッスル軍にリベンジ FUNAKI、師匠・藤原とのタッグ戦に勝利=ハッスル

高木裕美

罰ッスル軍にリベンジした坂田、ハッスル再興を誓った 【前島康人】

 30日の「坂田“ハッスル”亘〜第二章〜 ハッスルMAN'S カーニバル』東京・後楽園ホール大会では1412人を動員した。
 メーンイベントでは中村カントクにあっさりと裏切られた坂田“ハッスル”亘が、中村カントク、ジョー・メガロドン、タイタン・レックスの罰ッスル軍との1対3のハンディキャップ戦に出陣。前回大会に続き、またしても罰ッスル軍の猛攻にさらされた。
 坂田は前回の4.30後楽園大会で「ハンディキャップさらし者マッチ」としてハッスル・エンターテインメント山口日昇代表と組んで、罰ッスル軍の強敵外国人4人と対戦。山口代表が腕をスパイラル骨折してまで奮闘するも、実質上1対4の状況となった坂田が壮絶な敗北を喫した。
 前回の雪辱を誓う坂田は、当初、黒の中村カントクに対し自分とのシングルマッチを要求するも、中村カントクは「前回大会での常軌を逸した行動は、HE山口代表に対し気を遣いすぎたための過労からきたノイローゼ」と主張し、「現在、心も身体も正常に戻りました」とすっかり改心したことを訴えてきたため、坂田はあえて中村カントクとタッグを組むことを決意。強敵外国人コンビを2人で迎え撃つことを宣言した。

坂田、罰ッスル軍との抗争継続を宣言

坂田が裏切り者の中村カントク、メガロドン、T−REXとの1対3のハンディキャップ戦を制した 【前島康人】

 しかし、いざリングに上がるや、不穏な空気を感じ取った坂田は「おまえの魂胆は分かってる」と中村カントクの裏切りを事前に見抜き、「まとめてかかってこい」と挑発。すると中村カントクは否定するどころか「バレちゃしょうがないな。3対1でやってやるよ」とあっさりと開き直り、解散を発表したはずの罰ッスル軍の復活を高らかに宣言して外国人コンビと結託した。
 戦力的にはまったく役に立たない中村カントクは、レフェリーの視線をそらすなどのインサイドワークで外国人コンビをアシスト。坂田はメガロドンのブレーンバスター、レックスのネックハンギング攻撃などに苦戦しながらも、たった1人で相手にすると、中村カントクにもスーパーキックを炸裂。これはかわされてしまったものの、直後に完璧なジャーマンスープレックスで投げつけると、さらに2メートル17センチの長身を誇るレックスを人間橋でマットに沈めて勝利した。

 試合後も「まだまだ終わらない。永遠に続くぞ」と罰ッスル軍との抗争継続を宣言した坂田は、「オレは一生ハッスルし続ける」と恒例のハッスルポーズで観客と一体化。さらに、「オレたちは仲間に支えられて生かされてる」と協力してくれた選手や関係者への感謝の気持ちを改めて示した。
 次回大会については現時点では未定だが、“ハッスル・キング”こと故・橋本真也さんの命日である7月11日にZERO1と同所で合同興行を開催するプランも浮上しており、「近日中には発表したい」と、悲願であるハッスル再興に向け、今後も前進し続けることをアピールした。

FUNAKIが師匠・藤原との対戦に大緊張

師匠・藤原とのタッグマッチ対決を制したFUNAKI 【前島康人】

 元WWEのFUNAKIがハッスル初参戦。バトラーツ時代の弟子である日高郁人と組んで、かつて藤原組時代の師匠である藤原喜明、元同僚の臼田勝美組と師弟タッグ対決を行った。
 約13年の長きに渡って米国WWEに在籍していたFUNAKIだが、その出発点となったのは藤原組。93年に藤原組でデビューし、バトラーツ、みちのくプロレスを経て98年からWWEに移籍した。
 一方、藤原は07年10月に胃がんにより開腹して胃を摘出する大手術を行ったが、61歳を迎えてもなお複数の団体に精力的に参戦している。

 過去に2度、藤原とはシングルで対戦経験のあるFUNAKIだが、約15年ぶりにリング上で対峙するや、還暦を過ぎてもなお衰えない鋭い眼光と、磨き抜かれた関節技に圧倒されっぱなし。一旦場外へエスケープしたFUNAKIに「WWEじゃないぞ、ここは」という言葉を浴びせた藤原は、なおも強烈なストンピングを食らわせ、ヘッドバットを受け流す。
 完全に心身共に及び腰になってしまったFUNAKIだが、それでもかつて藤原組で教わったグラウンドスキルを生かし、師匠の前で面目を保つと、最後は逆さ押さえ込みで臼田に勝利した。
「久しぶりに藤原さんの怖さを味わった」というFUNAKIに対し、藤原もまな弟子との再会に目を細めつつ、ガッチリと握手。藤原組には所属していなかったものの、藤原組から派生したバトラーツに入門し、藤原とも対戦経験のある孫弟子の日高もこの輪に加わった。
 FUNAKIと日高は6.10ZERO1新宿FACE大会で大谷晋二郎&曙の華斬が持つNWAインターコンチネンタルタッグ王座に挑戦することが決定しており、「これでタイトルにまた近づいた」と手ごたえをつかんだ様子のFUNAKIに対し、日高も「タイトル戦に向けて引き締まりましたね」と呼応。ベルト奪取を改めて誓い合った。

草間氏がハッスルCEOとして復活

元新日本プロレス社長・草間政一氏が「草間ニア」開催を宣言した 【前島康人】

 かつてハッスルのGMを務めた元新日本プロレス社長・草間政一氏が約4年ぶりにハッスルマットに電撃復活を果たした。
 GM時代に着用していたド派手なジャケットに身を包み、久しぶりに観客の遠慮のない「ハゲ」コールに迎えられた草間氏は、「HE山口代表から最高顧問のポジションが空いていると言われた」とCEO就任について観客の反応に判断を託すと、観客は拍手で歓迎。これに気を良くした草間氏は「もっともっと皆が喜んでくれるようなハッスルに盛り上げていきたい」と、かつての「ハッスル・マニア」のような大イベント「草間ニア」の開催をブチ上げた。
 一方、草間氏のCEO就任を「直前に聞いた」という坂田は、相変わらずの草間節に苦笑しながらも、「どう料理していくのかは今後次第」と、草間氏の手腕に期待を寄せた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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