武豊ヴィクトワールピサ4連勝! 皐月賞へ主役交代だ=弥生賞
武豊騎乗のヴィクトワールピサ(白帽)が4連勝で皐月賞へ! 【スポーツナビ】
同馬は4連勝で通算5戦4勝、JRA重賞は昨年12月のGIIIラジオNIKKEI杯2歳Sに続き通算2勝目。レースは最内ピッタリ追走の道中から、最後の直線で前がふさがりながらもわずかな間隙を突くと、残り100メートルで余力十分の差し切り勝ち。2着の2番人気エイシンアポロン(牡3=岡田厩舎)とは半馬身差ながらも、内容はそれ以上の完勝であり、一冠制覇へ視界良好の勝利となった。
なお、2着エイシンアポロン、さらに1馬身3/4差の3着に入った7番人気ダイワファルコン(牡3=上原厩舎)までに皐月賞への優先出走権が与えられる。
最内、道悪、長距離輸送といずれも課題をクリア
着差以上の強さ、内容を見せた相棒に武豊もニッコリの笑顔 【スポーツナビ】
「弥生賞からは過去にもたくさんのクラシックホースが出ていますからね。その意味では本番へ堂々と臨めます」
主戦の武豊がニッコリと笑みを浮かべた。単勝オッズは断然の170円。当然のことながら、勝利の2文字が大きく期待された一戦。それでも、武豊はあえて馬に課題を与えつつ、本番と同じコース条件のレースに臨んだ。
「本番は今日よりも頭数が多くなるし、メンバーも強くなるから、いろんなことに対応できないといけない。今日は1枠ということもあって、いいトライアルになりましたね。道悪も、内枠も、長距離輸送もクリアしてくれました」
決して楽なレースだったわけではない。道中は内ラチぴったりに、前から5〜6番手を追走。「折り合いはついていました」と息はピッタリだったが、勝負どころの3〜4コーナーでは、後続勢が外から雪崩のように押し上げていく一方で、前が壁になっているヴィクトワールピサはいっしょに上がっていくことができず、後方に取り残されかけた。
前がふさがるピンチもなんの! 着差以上の完勝だ
ゴール手前、視界が開けたとたんにあっという間の差し切り 【スポーツナビ】
「スペースを探していました。狭かったんですけど、できたスペースに入れましたし、その時の反応、脚はすごく良かったですね」
武豊ヴィクトワールの視界がクリアになったのは、わずか残り100メートルを切ってから。それでも抜群の瞬発力を発揮すると、むしろ余力十分にエイシンアポロンをかわし、悠々と先頭でゴールしてみせた。
着差は半馬身。しかし、内容はそれ以上の完勝。「1戦1戦、テーマをもって乗ってきたつもりですし、いい形で馬がそれに答えてくれます」と、重賞連勝を含む4連勝での皐月賞進出に、武豊も納得の表情を浮かべた。
そしてこの勝利で、胸を張って“あの馬”に再び挑戦状を叩きつけることもできる。
「ローズキングダムは2歳チャンピオンにもなりましたし、ナンバーワンの馬だと思います。実際、こちらは1度負けていますが、その後ずっと勝ち続けてまた再戦できるのはいいことですね」
ヴィクトワールピサが走ったこれまでの5戦、唯一敗れているのはデビュー戦の昨年10月25日・京都1800メートル芝。先着を許した相手こそ、後の2歳王者ローズキングダムだった。その2歳王者は2週後の21日、ここ中山の1800メートル芝で行われるGIIスプリングSから皐月賞に向かう。
ウオッカの後継馬へ――角居調教師「ファンを呼べる馬に」
新馬の借りは皐月賞で――ローズキングダム打倒へ大きくアピール 【スポーツナビ】
「今年初戦をいい形で勝つことができた。この後の調整は厩舎スタッフの方が進めてくれると思うので、あとは僕がしっかり乗るだけですね」
一方の角居調教師も、厩舎の絶対エース・ウオッカが無念の引退となったものの、「ウオッカの思いをつなげてくれる馬が出てきてくれました。今後、お客さんを呼べるような馬に仕上げていきたいですね」と、同日の阪神9Rアルメリア賞を勝ったルーラーシップとともに、直後の後継馬の誕生に喜びもいっぱいだ。
1度敗れた借りは大舞台で返してこそ。主役交代へ、そして王座交代へ――ヴィクトワールピサが大きく前進した。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ