デンマーク国民が抱く日本代表像=グループEのライバルの反応は(2)
日本の最大の特性は「集団性」 弱点は「フィジカル」
主将のトマソンは日本を「とても勤勉にプレーをするチーム」と警戒した 【Getty Images】
最も多くの購読者数を誇る日刊紙『ユランス・ポステン』では、日本を「太陽の息子たち」と紹介している。「個々の資質(とりわけ中盤)は非常に高い」としながら、最大の特性を「集団性」と評価。一方で、「フィジカルに課題を残す」と弱点を指摘する。
最高の選手としては中村俊輔の名前を挙げており、「確かな運動量とフィジカルを備えた、ひらめきのあるプレーヤー。スコットランドで充実した4シーズンを過ごした」と称賛し、「日本のプレーの多くは彼を経由する」と分析。また、遠藤保仁を「2009年のアジア最優秀選手」として紹介している。
タブロイド紙『エクストラ・ブラデット』でスポーツチーフを務めるアラン・オルセン氏は、日本について「(デンマークは)フィジカルを押し出して戦うべき。速い連係プレーをさせてはならない」と、日本の俊敏性を警戒している。
日本のベスト4入りに「楽観的」
このソーレンセンのコメントを代弁しているのが、『エクストラ・ブラデット』が行なっている読者アンケートだ。「グループ1位になるのはどの国か」という質問に対し、日本を選択したのは全体のわずか2%。最も投票を集めたのはオランダで全体の62%。以下、デンマークが30%、カメルーンが5%と続いている。
サッカー専門のウェブサイト『bold.dk』では、抽選後の読者コメントが紹介されているが、ここでも日本に対する評価は低い。「(5月27日の)親善試合でチリに4−0で勝利した。侮ってはならない」と警戒する声も見られるが、日本を「勝たなければならない相手」と格下扱いする声が圧倒的に多い。中には、「日本(笑)。寿司イーター(食べる人)。彼らは何もできない」のような書き込みもある。
なお、岡田武史監督がベスト4進出を目標として掲げていることはデンマークのメディアでも紹介されているが、『ユランス・ポステン』紙と発行部数を争っている日刊紙『ポリチーケン』は「(2002年の)自国開催以外のW杯では未勝利にもかかわらず、(日本は)楽観的だ」としている。
デンマーク国民の80%以上が自国のグループ突破を予想
なお、『エクストラ・ブラデト』紙の「デンマークはどこまで勝ち進むか」という問いかけには、「ベスト16」と答えたのが全体の37%で最も多く、「ベスト8」が23%、「ベスト4」が7%、「準優勝」が2%、「優勝」が12%、「グループリーグ敗退」が19%となっている。
デンマークはこれまで日本と1回しか対戦したことがなく、その1回も1971年のことだ。この時、コペンハーゲンで行われた親善試合は、デンマークが3−2で競り勝った。多くのデンマーク人にとって、日本代表のイメージはないに等しく、それゆえに格下扱いしていると言えるだろう。
<了>
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