6対6全面戦争 ベテラン軍が新世代軍に圧勝=DRAGON GATE

高木裕美

6対6全面対抗戦で新世代軍に圧勝、勢いづくベテラン軍はベルト総獲へさらなる決起! 【高木裕美】

 3日のDRAGON GATE「THE GATE OF GENERATION」では超満員札止めとなる2350人を動員した。

 メーンイベントでは「新世代軍 vs ベテラン軍全面対抗戦 6対6なにわ式イリミネーションマッチ」で総勢12人がバトル。土井成樹、吉野正人、B×Bハルク、鷹木信悟、YAMATO、戸澤陽の新世代軍と、CIMA、Gamma、望月成晃、ドン・フジイ、マグニチュード岸和田、菅原拓也のベテラン軍が50分近くに渡って激闘を繰り広げた。
 これまでユニット同士の抗争が主流だったDRAGON GATEマットだが、先月の後楽園大会で5年前に「退団」した菅原の復帰と時を同じくして世代闘争も勃発。ユニットの垣根を超え、KAMIKAZEとWORLD−1が合体して新世代軍を結束した。

ベテラン軍がベルト総獲りへ決起

岸和田(下)がラストライドで王者土井をフォール 【高木裕美】

 戸澤のクジ運のおかげで先攻というチャンスを得た新世代軍は、戸澤がGammaからジャーマンスープレックスで勝利を奪い、幸先の良いスタートを切るも、その後、ハルク、戸澤が続けて敗れて形勢逆転。土井がフジイを破り4対4のイーブンに持ち込むも、YAMATOがCIMAに道連れにされてオーバー・ザ・トップロープ(OTR)で失格となってしまう。
 それでも戦力的には3対3と互角のはずが、ここで吉野、鷹木が2人続けて菅原の十三不塔にフォールを許してしまい、いつの間にか1対3という状況に。唯一の生き残りとなった土井の孤軍奮闘もむなしく、菅原の十三不塔、望月のツイスター、岸和田のラストライドという猛攻に土井が撃沈。ベテラン軍が戦力の半分を残して圧勝を飾った。

 勢いづくベテラン軍は13日の愛知・名古屋国際会議場大会で岸和田を土井の持つオープン・ザ・ドリームゲート王座へ挑戦させることを決定。「おまえがチャンピオンなんて100万年早いんじゃ」と豪語する岸和田がタイトル強奪を予告すると、土井は「今日は完敗や」と負けを認めながらも「でも、タイトルマッチは別物。どんな手段を使ってでも勝つ」と、ベルトだけは守り抜くことを誓った。
 また、土井はかつてのリングネームである「セカンド土井」の名で呼んで格下扱いする菅原にも「ベルト関係なしで1対1でやってやる」と対戦を訴えるが、それを制して先に鷹木がシングルマッチを要求。25日の後楽園大会での菅原vs.鷹木の一騎打ちが決定的となった。

 観客の圧倒的な支持を受け、「オレたちには歴史がある」とその人気と実力を再確認したベテラン軍は、年内最後のビッグマッチとなる27日の福岡国際センター大会でもCIMA、Gamma組のオープン・ザ・ツインゲート統一タッグ王座奪取&望月、フジイ、曙組でのオープン・ザ・トライアングルゲート王座防衛を宣言。「勝てばすべてチャラや」と、ベテラン軍によるベルト独占を誓った。

横須賀が斎藤と合体 リョウスカ復活へ

斎藤(左)と横須賀(中)のコンビが復活、ハルクを挑発する 【高木裕美】

 博多大会で行われる「マスカラ・コントラ・カベジェラ 金網サバイバルマッチ」を前に大激震。Dr.マッスルの正体がWARRIORS−5を裏切った横須賀享であることが判明し、また、当初の5WAYマッチからB×Bハルクも加わった6WAY戦に変更。これを受け、博多大会の2日前となる25日の後楽園大会ではドラゴン・キッド、吉野正人、ハルクvs.斎藤了、横須賀、MAZADA組による6人タッグマッチが決定した。

 この日の第2試合でKAGETORAのパートナーである横須賀が行方不明となるハプニングが発生。「何度も享さんの携帯電話に連絡しているのに出ない」と困惑するKAGETORAは、リアルハザードの堀口元気、斎藤組に対し、2対1のハンディキャップマッチで挑むが、元ツインゲート王者コンビに太刀打ちできるはずもなく、斎藤のブルーボックス攻撃からのダブルクロスにわずか3分足らずで撃沈させられてしまった。
 試合終了のゴングが打ち鳴らされた後も「おまえのことなんか誰も助けてくれねえんだよ」とさらにリンチを加える2人の前にDr.マッスルが登場。KAGETORAを救出するかと思われた次の瞬間、横須賀カッターを炸裂させたマッスルがマスクを脱ぐと、正体はやはり横須賀だった。

 リアルハザード入りを表明した横須賀は、かつての仲間であったWARRIORS−5のCIMA、Gammaに対し、「おまえら、世代闘争で忙しいんだろ。オレのことなんかどうだっていいんだろ」と不満を爆発させると、6日の札幌テイセンホール大会で一騎打ちを行うフリーダムゲート王者のハルクに対しても「アメリカで取ったベルトなんてたいしたことないだろ」と挑発。当初、5WAYマッチとして行われる予定であった博多の金網マッチにハルクも加わるように要求し、ハルクも「おまえらのどちらかをツルッツルの丸坊主にしてやる」と受諾した。

 かつての「リョウスカコンビ」復活となった斎藤と横須賀は「いろいろあったけど、結局はこうなる運命だったってことかな」と深い絆をアピール。「まだまだこんなもんじゃ終わらない。あと1カ月、引っかき回すぞ」と博多での金網戦に向け、さらなる仕掛けを予告。さっそくメーンのなにわ式イリニメーションマッチで最後の入場となったハルクを花道で襲撃し、客席に放り投げたり、鉄柱に顔面をぶつけてダメージを与えるテロ行動に出た。

MAZADAがキッドを口撃

MAZADA(右)の暴言連発の揺さぶりにキッドは…… 【高木裕美】

 金網前哨戦となったキッドvs.SMAZADAは、リアルハザードを味方につけたMAZADAがセコンドの乱入や凶器攻撃、場外乱闘などの反則オンパレードで暴れまわった挙句、クリストを狙おうとしたキッドのマスクをはいで反則負け。さらに試合後もマイクで暴言を浴びせまくった。

 キッドも負けじと「短足。ブサイク」と言い返すが、斎藤らに「ハルクが加入したことで、おまえは1人ぼっちだ。仲間はいないぞ」と同じWORLD−1の仲間同士であるハルクと吉野が結託することによってキッドが金網マッチでも孤立する可能性を強調。「たぶん裏切らないと思う」と弱気になるキッドに、次回後楽園大会での6人タッグマッチでその結果が出ることを示唆して、決戦を前に精神的ダメージを与えた。
■DRAGON GATE「THE GATE OF GENERATION」
12月3日(木)東京・後楽園ホール 観衆:2350人(超満員札止め)

<第5試合 新世代軍 vs ベテラン軍全面対抗戦 6対6なにわ式イリミネーションマッチ>
(新世代軍)土井成樹、吉野正人、B×Bハルク、鷹木信悟、YAMATO、戸澤陽
(ベテラン軍)CIMA、Gamma、望月成晃、ドン・フジイ、マグニチュード岸和田(フリー)、菅原拓也(フリー)

○戸澤−●Gamma 28分38秒 ジャーマンスープレックスホールド
●ハルク−○フジイ 30分40秒 ラ・マヒストラル
●戸澤−○望月 32分2秒 真・最強ハイキック→踏みつけ式体固め
○土井−●フジイ 34分16秒 ラ・マヒストラル
△YAMATO−△CIMA 37分24秒 OTR
●吉野−○菅原 42分0秒 十三不塔→片エビ固め
●鷹木−○菅原 44分45秒 十三不塔→片エビ固め
●土井−○岸和田 47分27秒 ラストライド→エビ固め
※3人残りでベテラン軍の勝利

<第4試合 特別試合 30分1本勝負>
○ドラゴン・キッド
(12分37秒 セコンドが乱入してマスクをはぐ→反則)
●MAZADA

<第3試合 インターナショナルマッチ 30分1本勝負>
●谷嵜なおき
(14分34秒 KIMURA(変形羽根折り固め))
○デイビー・リチャーズ

<第2試合 ハンディキャップマッチ 20分1本勝負>
●KAGETORA
(2分38秒 ダブルクロス→踏みつけ式体固め)
堀口元気、○斎藤了

<第1試合 20分1本勝負>
K−ness.、○スペル・シーサー、シーサーBOY
(9分0秒 ヨシタニック)
神田裕之、新井健一郎、●Kzy

<第0試合 10分1本勝負>
○アンソニー・W・森
(3分45秒 エレガントマジック)
●琴香
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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