石川がKO−D無差別級初戴冠! 飯伏を下す=DDT

タカハシ

石川(前列中)が飯伏を下し、KO−D王座を初戴冠 【タカハシ】

 11月29日にDDTプロレスリングが7大ブランド+2飲食店結集興行『DDT Special 2009』として1643人(超満員札止め)の観衆を集めて後楽園ホール大会を開催した。

 これは昨年から始まった人気企画で、DDT本体を初めとする団体内ブランドの『ユニオンプロレス』、『クルーザー・ゲーム』、『BOYZ』、『ハードヒット』、『新北京プロレス』、『マッスル』の7ブランドに加え、DDTが運営するカレー屋の『ミツボシ』、スポーツバーの『ドロップキック』を一同に会して行なわれるもの。DDTならではの個性的な選手たちが、各ブランドの提供試合というかたちでそれぞれの持ち味を思う存分発揮するという意味でも、「DDTは初めて」という人からコアなマニアまで楽しめる興行デザインとなっている。

新王者・石川、次期挑戦者に木高を指名

 この日のメーンイベントはKO−D無差別級王者の飯伏幸太にユニオンプロレスの石川修司が挑んだ一戦。先日の新宿FACE大会で各ブランドの代表選手によるバトルロイヤルを制した石川が、ユニオンプロレスという看板を背負って挑戦するというシチュエーションに注目が集まった。

 ユニオンプロレスの仲間たちをセコンドとし、日本刀を携えて登場した石川は気合十分の表情でチャンピオンである飯伏を待ち受ける。対する飯伏はいつも通りに、時に気負った風でもなくチャンピオンベルトを巻いて登場した。
 試合は前回の『ハードヒット』での対戦と同じように、緊張感のある空気の中で飯伏が得意のキック攻撃でペースをつかんでいこうとする。しかし石川も飯伏のプランチャを受け止めて、そのまま鉄柱にバックブリーカーの要領で叩きつけると、そのまま観客席に投げつけていく。
 リング上に戻っても石川は豪快なバックブリーカーやフォールアウェイ・スラムなど、背中を中心に攻め立てていき、飯伏にペースを握らせまいとする。飯伏も得意の空中殺法で活路を見出そうとするが、石川のラフとパワーをミックスさせた攻撃に苦しい展開が続いていく。

 しかし飯伏も石川のスプラッシュ・マウンテンを空中で切り返し、強烈なハイキックで大きなダメージを与えるとエプロンから場外へのドラゴン・スープレックスで投げ捨てようとする。これをしのいだ石川は反対にエプロンからフロアへのチョークスラムを放つ。しかしこれはかつて三冠戦で三沢が田上相手に見せたように、バック宙で逃れた飯伏が逆に強烈なハイキックを叩き込む。
 リング内に戻った飯伏は場内が騒然とするような激しい掌底攻撃を繰り出すと、石川の巨体をライガーボム、ドラゴンスープレックスで叩きつける。しかし石川も飯伏のバク宙キックを受け止めそのまま脳天から叩きつけ、最後はクロスアーム式のスプラッシュ・マウンテンでKO−D無差別級王座の初戴冠を果たした。

 試合後には公約通り12月16日のユニオンプロレス新木場1stRING大会で、同じユニオンの仲間である木高イサミの挑戦を受けると宣言したが、ここでDDTの選手たちが続々とリング上に登場し、16日の結果がどうであれDDTにKO−Dのベルトを奪還する事をアピールした。

強すぎる曹磨刀が日本デビュー戦を勝利で飾る

曹磨刀(中)が恐るべき強さを見せつけ日本デビュー戦を勝利 【タカハシ】

 第6試合では今年も新宿FACE大会を成功させ、来年2月にも新木場1stRINGでの日本公演が決まっている『新北京プロレス』の提供試合が行なわれた。今回は中国において鍛えに鍛えぬき、強過ぎるが故に囚われの身となっていた曹磨刀が『新北京プロレス』、ひいてはアジアのプロレス界制圧を狙う元大老率いる暗殺団により解放されて、この度初来日を果たすこととなった。ちなみにこの曹磨刀の名前がDDTのHARASHIMAの得意技である蒼魔刀のネーミングの由来である事は言うまでもない。

 試合はその曹磨刀が趙雲にゴング前から襲いかかる事が合図となってスタートした。暗殺団が誘うかたちで場外での乱激戦から始まったものの、リング上に戦場を移してからも、手を後ろで組みながら対戦相手を翻弄する元大老や奇声を発しながら激しく攻め込む安浦野、そして不気味な存在感を発揮する曹磨刀など、暗殺団組優勢のまま試合は進んでいく。
 新北京組もAchoooooのトペや趙雲のリバース・ゴリー・ドライバーなどで意地を見せるが、最後は元大老の手を使わない雪崩式フランケンシュタイナー、安浦野のツームストーン・ドライバーから、最後は元大老の「どどん!」という声に合わせた、蒼魔刀に酷似したダブル・ニーアタックで曹磨刀が日本デビュー戦を勝利で飾った。

マイケルがDDT運営権を奪取!

第5試合ではDDT運営権をかけたバトルロイヤルが繰り広げられた 【タカハシ】

 またこの日の第5試合では元WWEスーパースターのスティーブ・オースティンが主演する映画『監獄島』の特別宣伝本部長を任命された高木三四郎(DDT代表取締役)のプロデュースにより、「監獄島プレゼンツ/運営権が欲しければ、殺せ!バトルロイヤル」というタイトルでのバトルロイヤルが行なわれた。これは今回集まった各ブランド、飲食店に加え、1ユニット、実家の飲食店、元勤務先など、明らかにDDTの運営権を任されても困るような選手たちまでが出場選手として狩り出された。

 試合前にはDDTテック代表として出場するはずだった藤岡典一が風邪による高熱のため欠場となる事が発表されたが、DDTテック社長であるマッスル坂井が代打出場を拒否したため、サムライTVのDDT中継『DDTドラマチック・ファンタジア』代表として、なぜか村田晴郎アナウンサーが出場することとなった。
 その注目の村田アナはリング上では実況のみで試合には参加しなかったものの、試合終盤で自身と三四郎と中澤マイケルの3人残りとなった時の「この状況では三四郎が勝つ出来レースに決まっている」という発言が三四郎の逆鱗に触れ、リング下に叩き落とされそうになる。
 しかしここで意外な運動神経の良さを見せた村田アナは巧みに三四郎をオーバー・ザ・トップロープで失格させ、DDT支配の野望を露わにする。それでも最後はレスラーの意地を見せたマイケルが村田アナのメガネを奪い取る事で視力を失わせて、リング下に葬ることでCEOとしての地位を得る事になった。

 試合後には三四郎が素直にマイケルに運営権の譲渡を認め、次回12月の銀座大会からのDDTの運営を任せた。年末、年始の後楽園ホール大会をすべてこの日のような満員にしてほしい、とプレッシャーをかけられて明らかに気後れするマイケルは、気分直しに三四郎とリング上でオースティンばりに乾杯するが、これまたお約束通りに三四郎のスタナーを食らって口に含んだビールを吐き出すこととなった。
■DDTプロレスリング「DDT Special 2009」
11月29日(日)東京・後楽園ホール 観衆:1643人(超満員札止め)

<メーンイベント KO−D無差別級選手権試合>
[王者]●飯伏幸太
(21分40秒 クロスアーム式スプラッシュ・マウンテン→エビ固め)
[挑戦者]○石川修司
※第29代王者が4度目の防衛に失敗

<セミファイナル UWA世界6人タッグ選手権試合>
[王者組]フランチェスコ・トーゴー、●アントーニオ本多、PIZAみちのく
(14分36秒:腕ひしぎ十字固め)
[挑戦者]男色ディーノ、マサ高梨、○佐藤光留

<第6試合 新北京プロレス提供試合>
●趙雲子龍、Dragon−Achooooo、周瑜公瑾
(12分38秒 蒼魔刀からのエビ固め)
○曹磨刀、元大老、安浦野

<第5試合 監獄島プレゼンツ運営権が欲しければ、殺せ!バトルロイヤル>
参加選手:
高木三四郎(DDT代表取締役)、大家健(DDT売店代表)、石井慧介(ベルトHUNTER×HUNTER代表)、中澤マイケル(矢郷第三帝国軍代表)チェリー(ユニオン女子部代表)、大鷲透(ちゃんこ大鷲代表)、谷口智一(大阪府警察本部警備部第二機動隊第三中隊第一小隊爆発物処理班代表)、猪熊裕介(フレンチカレーミツボシ代表)、新藤力也(プロレス&スポーツバードロップキック代表)、村田晴郎(DDTドラマティック・ファンタジア代表)
(10分3秒 村田晴郎アナをオーバー・ザ・トップロープで降し、中澤マイケルが運営権を獲得)

<第4試合 BOYZ提供試合>
大石真翔、○円華、佐々木大輔
(7分46秒 ランヒェイ)
ツトム・オースギ、木高イサミ、●高尾蒼馬

<第3試合 ハードヒット提供試合>
タノムサク鳥羽、●澤田“マレンコ”篤男
(10分55秒:レフェリーストップ)
○長井満也、佐々木恭介

<第2試合 クルーザーゲーム提供試合>
○MIKAMI
(5分24秒:スライディング式スク〜ルボ〜イ)
●ヘラクレス千賀

<第1試合 YAGOプロレス内ブランド『RAW IS YAGO』提供試合>
○矢郷良明
(決着時間不明 銭湯の電気風呂での感電KO)
●高木三四郎

<ユニオンプロレス提供ダークマッチ その2>
●諸橋晴也
(11分24秒 リングアウト)
○竜剛馬

<DDT提供試合ダークマッチ その1>
安部行洋、○星誕期
(8分16秒 ブエノスアイレスからの体固め)
松永智充、●伊橋剛太
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