「一人時間差攻撃」生みの親は日本人!=森田、大竹ら全日本男子の名センターを紹介

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全日本男子の黄金期を支えた一人である森田淳悟。ブロックをかわす技術である「一人時間差」の生みの親でもある 【Photo:山田真市/アフロ】

“身長”がキーワードとなるバレーボールのなかでも、特に長身選手が多いセンター。時にコートを守る壁となり、時に相手の意表をつく攻撃を仕掛けるポジションだ。「一人時間差攻撃」生みの親・森田淳悟、身長208センチの大型センター大竹秀之ら、高さで勝る海外勢真っ向から挑んできた、全日本男子の名センターたちを紹介!

「1人時間差」の森田 スター選手・川合

 アタックのタイミングをずらし、敵のブロックをかわす「一人時間差攻撃」を生み出したのが森田淳悟だ。“世界一のセッター”猫田勝敏らとともに、男子バレーの黄金期を築き、日体大3年時に出場した1968年メキシコ五輪で銀メダル、4年後のミュンヘン五輪では全日本男子では初で、唯一となる金メダルを獲得した。また、当時の松平康隆監督の下、厳しいレシーブ練習を繰り返し重ねるなど、長身選手にとっては苦手とされるプレーについても技術に磨きをかけた。2003年にはバレーボール殿堂入りを果たしている。

 現在タレントとして活躍する川合俊一。日体大在学時に全日本に選ばれ、84年ロサンゼルス五輪に出場。その後、85年、89年のワールドカップ、86年世界選手権、88年ソウル五輪でも代表を務めるなど、80年代の全日本の中心メンバーとして活躍した。また、個人での写真集が発売されるなど、ファンからの人気も高いスター選手だった。現在はタレント活動のほか、日本ビーチバレー連盟の会長を務め、競技の人気拡大・普及振興に力を注いでいる。

5季連続のベスト6・植田 歴代最長身の大竹

 現在の全日本男子監督、植田辰哉。昨年、全日本男子を16年ぶりの五輪(北京五輪)に導いた監督として“時の人”となったが、選手時代の実績も高い。大阪商大卒業後の87年、新日鐵に入社し日本リーグで新人賞を獲得。翌年から5シーズン連続でベスト6に選ばれるなど、80年代の日本を代表するセンタープレーヤーのひとりだ。89年、91年ワールドカップに出場したほか、92年バルセロナ五輪(6位)では主将を務めた。引退後は、新日鐵の監督を務めた後、03年に全日本男子ジュニア監督に就任。04年からは全日本のトップとしてチームを率いる。

 バレーボール選手は背が高いのが当然と言えば当然だが、なかでも文字通り“目立つ”存在だったのが大竹秀之だ。身長208センチ(210センチ以上という説も)は、歴代の日本人バレーボール選手として最長身とも言われ、長身選手がそろうセンタープレーヤーのなかでも群を抜いていた。89年に代表入りを果たすと、92年バルセロナ五輪のほか、世界選手権3回、ワールドカップ4回に出場し、90年代の全日本を支えた。01年に現役を引退し、昨年の北京五輪では男子代表のコーチを務めた。

親子鷹・南克幸 身長205センチ“ノブコフ205”

金メダルを獲得した父・将之と親子鷹として全日本で活躍した南克幸。現役にこだわり続けた南は07年までVプレミアリーグで現役を続けた 【写真は共同】

 90年代を中心に全日本で活躍した南克幸。父は72年ミュンヘン五輪金メダリストで、大型スパイカーとして活躍した南将之だ。200センチの長身と、バレー史に残る名選手を父に持っていたことで、学生時代から浴びた。法大在学時に代表に選ばれ、92年のバルセロナ五輪にも出場。6歳上の植田、3歳上の大竹らとともに、全日本の“壁”となった。しかし、2000年代には、当時の代表メンバーの多くは引退。それでも南は、所属の旭化成が休部となった後も、07年にVプレミアリーグに昇格した大分三好に移籍するなど、現役にこだわり昨年までプレーを続けた。

 全日本男子にとって16年ぶりの五輪出場となった北京五輪の代表センターが、齋藤信治。身長205センチの大型選手で、テレビ局からは“ノブコフ205”の愛称で呼ばれた。95年に代表入りすると、その後、監督が変わろうとも全日本に引き続き招集されるなど、代表にとって常に必要とされてきたプレーヤーだ。北京五輪最終予選の前に引退を表明していたが、植田監督が熱望し五輪最終予選メンバーに選ばれる。齋藤は全試合に出場するなど力を尽くし、全日本は五輪出場権を獲得した。その後、夏の五輪本大会まで現役を続け、全日本男子の使命を果たした。

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