ラモスジャパン、アジア王者としてビーチW杯に参戦=ビーチサッカーW杯・ドバイ2009

アジアを制してW杯出場へ

ビーチW杯は16日からドバイで開催。ラモス監督率いる日本は上位進出を目指す 【(C)PanoramiC/アフロ】

 FIFAビーチサッカーワールドカップ(W杯)・ドバイ2009のアジア予選は11月7日から11日まで、UAE(アラブ首長国連邦)のドバイで行われ、日本は05年の第1回大会(4位)から5大会連続出場を決めた。
 ラモス瑠偉監督は大会前の取材で「今までで一番厳しい予選」と強調していたが、日本はアジア初制覇を果たし、熱心に声援を送った現地邦人らを前に、高々と優勝トロフィーを掲げた。

 グループAを2位で通過した日本は、準決勝でグループB1位のイランとW杯出場権を懸けて対戦。日本は第1ピリオドで、負傷を押して出場した予選のチーム得点王の山内悠誠(東京レキオスBS)がゴールを奪う。第2ピリオドには河原塚毅(ソーマプライア)の2得点で加点し、3−3で迎えた最終第3ピリオド、日本は若林邦広(アバンチ大阪)が決勝点となるゴールを押し込み、牧野真二(PELE)のダメ押しPKで突き放す。最終スコアは5−3。試合終了のホイッスルと同時に、日本の予選突破が決まった。

 そして決勝戦、ここまで4試合を消化し、何人もの負傷者を抱える日本は、先発組に準決勝でベンチ外だった前園真聖(ZONO SCHOOL)を加えたメンバーで、バーレーンとの再戦(グループAで日本はPK戦負け)に臨んだ。
 日本はその前園らが2つのPKを与えるなど苦しい展開だったが、最終ピリオド2−2での同点から山内が決勝点をマーク。さらに、前園が勝利を決定付けるビーチ代表公式戦初ゴールを決め、4−2でバーレーンにリベンジを果たした

 アジアを1位で通過した結果に加え、試合をこなすことでチームとしての成熟度も高まったことだろう。本大会はアジア予選決勝のわずか5日後(11月16日)に開幕という強行スケジュールのため、選手たちの肉体的ダメージは小さくないが、本番の砂や環境にいち早く慣れたことなどを、ラモスジャパンは前向きにとらえようと努めている。

前園、比嘉、河原塚らの経験を生かして

 ビーチサッカーは毎年W杯が開催されており、フルコートのサッカーやフットサルからの転向組が第二のキャリアとしてビーチを考える際のモチベーションにつながっている。
 ラモス監督は、元サッカー日本代表の前園真聖(元横浜Fなど)と山口貴之(元V川崎など)を9月の代表合宿に呼び、このうち前園をアジア予選・本大会に向けての代表として招集した。当初は「まずはチャンスをあげるだけ。練習量が足りない。気持ちを見せてほしい」と話していたラモス監督だが、合宿とポルトガル遠征での試合出場を経て、最終的に予選への帯同を決断した。サッカースクール経営やテレビ解説に転身していた元日本代表選手の正式な招集は驚きを呼んだ。

 もちろん、アジア予選決勝のゴールで示したように、前園のクオリティーは説明するまでもないが、むしろ予選から本大会まで連続する日程が彼の必要性をより高めたのではないだろうか。多くの代表選手たちにとって、これほどの長期かつ緊張を強いられる遠征は初めてのはずだ。そんな中、前園は1996年アトランタ五輪で「マイアミの奇跡(ブラジルに1−0で勝利)」を起こしたチームを主将としてけん引し続けた実績を持つ。コンディション維持やピーキングには一日の長があるだろう。また、前園の「ワールドカップ」という舞台への渇望感がチームメートに伝播することも期待される。

 比嘉リカルド(マリオフットサルスクール)は、04・08年のフットサルW杯に出場。Fリーグが発足したこともあって、日本はアジアの強国に数えられている。前園同様、比嘉も強豪を前にしても怯まないメンタリティーが期待される。前回大会に監督兼任選手として出場した34歳のキャプテン河原塚は、今回は選手専任となる。アジア予選(エキシビションを除く)では山内と並ぶチームトップタイの4得点を挙げたが、その貢献はプレーだけでなく、若手が力を発揮できるように、より近い立場からチームをケアできるだろう。

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