豪華外国人選手が激しいメダル争い=フィギュアスケートNHK杯ショートプログラム

スポーツナビ

会場全体を魅了する演技をみせたジュベール 【坂本清】

 フィギュアスケートの「グランプリ(GP)・シリーズ」の第4戦NHK杯が6日、長野市・ビッグハットで開幕した。今大会では男子シングルに豪華な外国人選手が集結、女子シングルも好選手が集まり大きな話題となっている。誰が表彰台を逃してもおかしくない男子シングルではショートプログラム(SP)を終え、ブライアン・ジュベール(フランス)、ジェレミー・アボット、ジョニー・ウィアー(ともに米国)が日本の高橋大輔(関大大学院)、小塚崇彦(トヨタ自動車)を抑えてトップ3を独占。女子シングルも躍進が光るアシュレイ・ワグナー(米国)が2位の安藤美姫(トヨタ自動車)、3位の中野友香里(プリンスホテル)と僅差ながら首位に立った。

男子シングルSP、トップ3の裏側

アボットは「4回転を跳べるようになった4年間で一番自信を持っている」とコメント 【坂本清】

 男子シングル1位につけたのは2007年世界王者のジュベール。前季と同じ『Rise』を、得意のジャンプやスピードを活かした演技で会場全体を魅了した。GPシリーズ初戦のエリック・ポンパール杯(フランス杯)では精彩を欠き、地元の期待に応えられず4位。それから約3週間、どのように修正をしてきたかに注目が集まっていた。
 
「1位という結果にはとても満足している。エリック・ポンパール杯ではとても苦しい思いをしたので、その後、相当の努力積んで良いプログラムを披露できたということはこれからの大会にいい影響が出ると思う」と語りながらも、初戦の不調からどう克服したかについては「地元のフランスでやるのはプレッシャーが大きくて好きではないんだ。より良いものを目指して、演技を行うことに集中気持ちを切り替えた」と自己分析してみせた。
 昨季のGPファイナル、全米選手権で優勝したアボットが国際大会でのSPでパーソナルベストとなる83.00点をマークし2位と好発進。「一つ一つのエレメンツの質が高く、ミスなく滑れたことがよかった。シーズンの今の段階として一番いい内容だったと思う」と振り返った。
 今季からコーチを小塚の振り付け師としても知られる佐藤有香に変更したが、試合前に「明日のロングプログラム(FP)のことに頭がいってしまっていたので、まずは目の前のSPをちゃんと滑りなさい」とアドバイスを受け、アグレッシブに滑ることができたという。
 練習で成功している4回転について聞かれると「4回転を跳べるようになった4年間で一番自信を持っている」と答え、明日のフリープログラムへ向けて順調な調整をうかがわせた。

飛行機の中で体調を崩し万全な状態ではなかったウィアー 【坂本清】

 昨季のGPファイナルで銅メダルを獲得したウィアーが3位に躍り出た。飛行機の中で体調を崩し、万全ではない状態で臨みながらも最後まで力を振り絞り、しなやかな動き、際立った表現力で彼にしか作り出せない独特の世界感を披露。3位という結果については「具合が悪く高熱を出した中でも自分のできる限りの事ができた。結果にはとても満足している」と語った。
 初戦のロシア杯ではジャンプのミスが目立ち総合4位に終わったが、今回はそのジャンプを修正。前回の不調については「ロシア杯の練習では、ジャンプは完ぺきだったけど、大会になったら自分を見失ってしまった」と言い、「今回はジャンプが良かった。でもストレートステップがレベル2なので見直しが必要」と明日のフリープログラムへ向けて気を引き締めた。

女子シングルも競争激化

「明日はまた新しい1日と思ってロングプログラム(FS)をがんばらないと」と巻き返しを誓ったレピスト 【坂本清】

 女子シングルはロシア杯優勝の安藤美姫、エリック・ポンパール杯3位の中野友加里にロシア杯2位のアシュレイ・ワグナー、同じく3位のアリーナ・レオノワ(ロシア)、欧州チャンピオンのローラ・レピスト(フィンランド)が参戦する形となった。

 ロシア杯での2位から好調を維持し、SPで首位に立ったワグナーはロシア杯の後に米国には戻らずにオーストリアで調整を続けNHK杯に臨んだ。慣れない環境での調整にも「もともとヨーロッパが大好きなのでとても楽しかった」と逆に好調の維持につながったと笑顔で語った。07−08シーズンからのシニア以降、着実に力を付けてきた新星は明日のプログラムでもクリーンな演技を目指し、GP初優勝を狙う。

 GPシリーズ初戦のレピストは10月に行われたジャパン・オープンでFPを披露し、パーソナルベストを更新。続くフィンランディア杯では2位となり、順調な仕上がりを感じさせていたがジャンプのミスなどで得点が伸びず4位スタートとなった。今日の演技について「ジャンプでミスがあったし、ステップでもぐらついてしまった。明日はまた新しい1日と思ってロングプログラム(FP)をがんばらないと」と巻き返しを誓った。

 明日のFPでは各海外選手が個性を十分に生かした演技でメダルを狙う。果たして表彰台に上がっている選手は誰になるのか。引き続きレベルの高い争いに期待がかかる。
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