連勝と連敗、明暗が分かれた開幕2連戦=JBL2009−2010 第1週
JBL開幕戦、リンク栃木は川村が33得点と爆発し、トヨタに快勝。第1節は各チームの明暗がくっきり分かれた 【写真は共同】
開幕戦は田臥欠場のリンク栃木が圧勝
リンク栃木は、田臥勇太がかかと故障のため欠場。田臥×五十嵐の2大スター対決はかなわなかったが、昨季プレーオフ最後のいすをかけて激突した両者だけに『死闘の再演』を期待するファンは少なくなかった。
しかし、その期待は第1Q(クオーター)であっさり裏切られる。
前から激しく当たるトヨタのディフェンスはスタート直後こそリンク栃木を戸惑わせたが、フロントコートにボールが運ばれるとその守りの形態が崩れ、そこから容易に攻め入られることとなる。
レジー・オコーサ、スコット・メリット(ともに206センチ)の加入でインサイドを強化したリンク栃木は、その分余裕が生まれた伊藤俊亮とともにゴール下をがっちり支配。力強いリバウンドからの速い攻めは『走力で勝負する』はずのトヨタを上回り、昨季の得点王・川村卓也の33得点を筆頭に、2ポイントフィールドゴールのアベレージを71.43%とする猛攻で、終わってみれば120−88の圧勝。
トヨタにとってはまさに『悪夢の開幕戦』となった。
1点を争う接戦も、トヨタが競り負け連敗
第4Q残り1分半、77−80のビハインドからトヨタはチャールズ・オバノンがフリースローとジャンプシュートを確実に沈め81−80と逆転に成功。しかし、残り15秒、リンク栃木はエース川村が厳しいディフェンスをかわして82点目のジャンプシュートを決める。
最後のワンプレーに懸けるトヨタは五十嵐が果敢にゴール下に切り込み、そのままシュートに持ち込むかと思われた瞬間、苦しいパスアウト。結局これがパスミスとなり81−82のままタイムアップのブザーが鳴り響いた。
「エースガード田臥不在のチームでトヨタに2連勝したのは大きい」とリンク栃木のトーマス・ウィスマンHC。内外ともに各自がしっかり自分の仕事をこなすチーム力は優勝候補筆頭のアイシンを脅かすに十分と言える。
一方のトヨタは敗れたとはいえ、自分たちの目指すバスケットを確認する貴重なゲームになった。チームの命題である『走力』のさらなる進化に期待したい。