なぜ阪神が好きなのか=ダンカンの場外アナウンス

ダンカン
 わが阪神タイガースは残り3試合でまだクライマックシリーズ(CS)へ向けてヤクルトと熱き戦いを繰り広げているのだ。しかし、オレはどうしてこんなにも阪神タイガースというチームを好きなのだろうとしみじみ思ってしまったのだ。
 正直な話をしてしまえば、例えば阪神がCSに進出したとしても、ペナントレースの成績は5割に届かず、野球ファンのオレとしては決して納得のいくものではない。それは単純にもし、オレが巨人ファンで3位に20ゲーム差以上も離しているのに、いくらルールとはいえCSで敗れたら泣いても泣ききれない……。それが、もし阪神であったら、と置き換えると、このルールには怒り以外の何も覚えないのだ。そんなことは重々承知しているのに、やっぱり阪神にCSに出場して、ずうずしいと言われようが日本一になってもらいたいというオレが共存しているのだ。
 おまけに「阪神の誰が好きなんですか?」とたずねられても、「まぁ桜井は楽しみだけど、うーむ、みんなかなぁ」と子どものころのように「村山!!」「江夏!!」「田淵!!」などと間髪を入れず名前が出てくることもないのだ。だけど、阪神のことを考えただけで胸が痛くなって、まるで恋でもしているようになるのはなぜだろう……。

 だって、どう考えても、俺は自分でもおかしいと思う。2日、阪神は試合なし。一方、ヤクルトは広島と神宮でナイター。ちなみに、その日の東京地方は朝から雨が降り続き、プレーボールは危ぶまれていた。しかし、グラウンド整備員の苦労もあり、無事に雨の中でプレーボール。その神宮球場に自分でも不思議だけどオレは足を運んでいたのだ。外野席のバックスクリーン横に傘を差してチョコンと観戦したのだ。
 阪神とヤクルトのし烈な争いのことを思うと、いてもたってもいられなくなり、広島勝ってくれと行ってしまったのだ(決してヤクルト負けてくれ!ではないので、同じように見えるかもしれないけど『人を呪わば穴2つ』でそれはしないのだ)。
 試合はオレの応援のおかげ!?で、広島が栗原の3ランで勝利……。でも内心はあんまりうれしくなかったのだ。やはり、阪神の勝利だけを願って応援していきます。好きな理由を見つけるためにも!!

<了>
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著者プロフィール

1959年1月3日生まれ。埼玉県出身。オフィス北野所属。お笑い芸人、俳優、放送作家。趣味は野球、釣り。特技はイラスト。たけし軍団の一員として、数々のテレビ番組で活躍。野球への情熱も熱く、熱烈な阪神ファンとして知られる。

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