京太郎、9.26開幕戦へ闘志新た「絶対ベスト8へ行く」=K-1一夜明け

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(左から)アーツ、京太郎、ギタが喜びの一夜明け会見 【スポーツナビ】

 KO試合が続出した「K−1 WORLD GP 2009 IN TOKYO FINAL16 QUALIFYING GP」の激戦から一夜明けた12日、東京都内のホテルで会見が開かれた。

 会見には世界最終予選トーナメントを3試合連続1RKOと圧倒的な強さで優勝したダニエル・ギタ、K−1デビュー戦の西島洋介を貫禄のKOで退けたピーター・アーツ、そして極真世界大会準優勝のヤン・ソウクップを文句なしのKOで沈めたK−1ヘビー級王者・京太郎が出席。3選手それぞれ一夜明けての喜びをコメントするとともに、9月26日韓国で開幕する世界トーナメント開幕戦への意気込みを語った。

跳ね返したプレッシャー「勝ててホッとしている」

9.26K−1世界トーナメント開幕戦へ向け闘志を新たに燃やした京太郎 【スポーツナビ】

 K−1重量級では日本人初のチャンピオンとなり、これが王者として迎える第1戦目だった京太郎。武蔵、同門の澤屋敷純一が不調の中、23歳のチャンピオンの両拳への期待感はプレッシャーとなってズシリとのしかかった。
 「チャンピオンとなって初めての試合でプレッシャーもあったし、相手はK−1デビューの選手。ここで負けるとベルトの価値が問われますからね、絶対に負けられなかった」
 京太郎はプレッシャーを感じつつも、冷静な試合運びでペースをつかんで行くと2Rにダウンを奪い、最終3Rに右クロスをジャストミート。完全ノックアウトで王者としての第一歩を踏みしめた。
 「ここで負けるとどうしようもなかったですし、どうしてもいい勝ち方をしたかった。勝ててうれしいですし、KOもできてうれしい。ホッとしています」

 だが、安堵できるのも束の間。1カ月後には本当の正念場である世界トーナメントが開幕。日本人王者として、日本Roundの12.5横浜アリーナへ駒を進めるのは至上命題となる。昨年のように日本人不在のベスト8だけは、なんとしても避けたい。
 「9月26日に開幕戦はさらに大きな舞台だし、日本人がなかなか破れない壁。日本人として格闘技を盛り上げるためにも、絶対にその壁を越えて、最低でもベスト8の気持ちで行きます。必ずベスト8に行きます!」

 初戦の相手は、誰と当たるのも嫌だけど誰が来ても叩き潰すつもりで、と京太郎。韓国では過去、オープニングマッチで2戦2勝と相性のいい土地でもある。「ただ、辛いものが苦手なんで、まずはそこを克服しないと(笑)」とおどける若き王者が挑むベスト16越えの壁。8.12代々木でさらに一段階成長のあとをハッキリしめした京太郎が、日本人格闘家として09年最大の旋風を起こしてみせるか。

アーツ、ギタともに「開幕戦は誰が相手でも」

ギタ(左)、アーツもともに開幕戦必勝宣言 【スポーツナビ】

 本戦10試合中、実に8試合がKO決着となった今大会の中でも、ひと際輝きを放ったのは文句なしに世界最終予選トーナメントを3試合連続1RKO勝利で圧勝したギタだろう。会見に同席した谷川貞治K−1イベントプロデューサーも「ラシェンコも良かったけど、ギタは超Aクラスだった。関係者の中には決勝トーナメントも優勝するんじゃないかという声もある」と、トーナメントで見せた圧倒的強さを絶賛。さらに「日本の侍のような、浪人のような雰囲気も持っている」と、その風貌も含め“スターの原石”の匂いを感じ取ったようだ。
 当の本人はと言うと、静かな語り口で「初めての日本での試合で勝利を手にしたことはうれしいし、ベスト16に選ばれたこともうれしい」と喜びをかみしめると、9.26開幕戦へ向けては「トレーニングを一生懸命頑張って、すべての実力を出せるように励みたい。決勝ラウンドへの第一歩になるので、必ず勝ちたい。誰と戦ってもいい試合をしたい」と、この勢いのまま突っ走ることを約束した。

 一方、西島を相手に貫禄のKO勝利を収めたアーツ。「西島はすごくタフだったので、素晴らしい試合になった」と、まずは西島を称賛。すぐ隣に座ったギタに対しても「すべての試合を見たわけではないけど、素晴らしいファイターだと感じたよ」と声をかけると、「次も勝って決勝ラウンドへいきたいね」と17年連続ベスト8進出へ気合を入れなおした。
 初戦の相手は「誰でもいい」とキッパリ。そして「自分が毎年出ている大会だから、今年もいい試合にしたいし、他の選手にも頑張ってもらって、素晴らしい大会にしたい」と、“ミスターK−1”らしい貫禄のコメントで決勝ラウンドを大いに盛り上げていくことを誓った。

開幕戦ベスト16中13選手が決定、残り3枠はファン投票で

谷川氏は確定したベスト16のうち13選手を改めて発表、残り3選手はファン投票でと明言 【スポーツナビ】

 また、ギタの優勝で幕を閉じた世界最終予選トーナメントの結果を受け、谷川イベントプロデューサーは改めて、現時点での9.26世界トーナメント開幕戦への出場権を得ている選手を発表。前年度ベスト8、各地区予選優勝者、現スーパーヘビー級王者、現ヘビー級王者の合計13名が確定している。
 8月12日現在での開幕戦出場決定選手は以下のとおり。

・レミー・ボンヤスキー(昨年優勝者/7回目)
・バダ・ハリ(昨年準優勝※/4回目)※反則のため準優勝は後にはく奪
・エロール・ジマーマン(昨年ベスト4/2回目)
・グーカン・サキ(昨年ベスト4/2回目)
・エヴェルトン・テイシェイラ(昨年ベスト8/2回目)
・ルスラン・カラエフ(昨年ベスト8/4回目)
・ジェロム・レ・バンナ(昨年ベスト8/11回目)
・ピーター・アーツ(昨年ベスト8/17回目)
・セーム・シュルト(スーパーヘビー級王者/5回目)
・京太郎(ヘビー級王者/初出場)
・ザビット・サメドフ(欧州予選優勝/初出場)
・シング“心”ジャディブ(アジア予選優勝/初出場)
・ダニエル・ギタ(最終予選優勝/初出場)

 この顔ぶれに谷川氏は「2ケタ出場はアーツとバンナの2人だけだし、2回目の選手が3人、初出場も4人いる。K−1も新しい世代になってきているなという印象」とコメント。また、いずれ劣らぬ強豪ぞろいだけに「マッチマークが難しいですが、ファンのみなさんに喜んでもらえるカードを組んでいきたい。今月中には全カードを発表したい」と、開幕戦へ向けての展望を語った。
 一方、ベスト16の残り3枠に関しては、ファン投票による主催者推薦で選出したいと明言。グラウベ・フェイトーザ、ポール・スロウィンスキー、レイ・セフォー、ステファン・レコ、チェ・ホンマンといったおなじみのK−1ファイターほか、アリスター・オーフレイム、セルゲイ・ハリトーノフら総合格闘家の名前も候補に挙げた谷川氏。
 ただ、その中でも「今年K−1のリングに上がって活躍している選手」「若くて可能性を感じさせる選手」をファンには選んでほしいと呼びかけている。

 また、武蔵、澤屋敷純一ら日本人ファイターの推薦が難しいことから、唯一の日本人選手となりそうな京太郎へかける期待の大きさは谷川プロデューサーも同じ。「テクニックは素晴らしいし、才能もある選手」と評価する一方、京太郎が開幕戦で戦いたい選手として誰か名前を出さずにあいまいな答えに終始した点を挙げ、「例えば今一番強い選手、バダ・ハリとか名前を出してほしかった。これが魔裟斗くんなら絶対に一番強い奴の名前を言っていたはず。K−1を引っ張って行くためにも、なにか“こうだ”“こういう生き方をするんだ”という明確な意志を持ってほしい。そうじゃないと生き残れない」と注文をつけた。
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