五味隆典がアフリクション消滅、戦極、DREAM&K−1MAXを語る=ゴング格闘技プラス発

ゴング格闘技

五味は8.2戦極をリングサイドで観戦。廣田、金原の両王者の激闘を見て「充実した一日を過ごせた」という 【(C)ゴング格闘技】

 8月1日(現地時間)に行われたアフリクションで、2年半ぶりの米国での試合が決定していた五味。しかし、大会自体が中止となり、全米進出は延期となった。修斗での復活の勢いも止められてしまったかのような形となったが、五味は意外にもポジティブシンキング。その理由とは……?

■北岡の敗戦? 負けた時に人の痛みが分かる

──残念なことにアフリクションでの試合が中止になってしまいました。今の率直なお気持ちをお聞かせください

「いや、べつに何も気にしていません。ただ、どういう経緯かのキチッとした説明も何もないですし、真相は分かりませんが、それがフリーでやっている選手の大変なところなんですよ。この世界はいろんなことがあります。でも、何か自分の中で引っ掛かるものがあったんです」

──何か嫌な予感があったんですか?

「ありました。5月の試合が出来すぎでしたからね。それに正直なところ、スタミナ面で若干の不安もありました。体重を増量しなければいけなかった部分でトレーニングをミスしたこともあり、筋力を下げないように3キロ増量しようとウェイトトレーニングに偏っていたので、これから実戦的なトレーニングをやっていこうと思っていますが、今回は実戦練習が足りなかったので不安はありました。ただ試合がなくなってもトレーニングは日々ついてまわるものですから、今は普段と変わらない生活を送っています。昨日は充実した一日でした」

【(C)ゴング格闘技】

──当初はいつから現地入りする予定だったんですか?

「7月26日です。向こうで最終調整しようと思っていました。中止の報告は前日の朝に聞いて、日本での最後のスパーリングをしようという時でしたね。次の瞬間にはもう海にいました(笑)。梅雨の一番湿気の多い時期に練習していましたから、ストレスも溜まっていましたし。まあ、1週間早く夏休みが来たという感じですか。落ち込んでもしょうがないですからね」

──切り替えが早いですね

「もう長くやっていますから。若い頃だったらわめき散らしたかもしれませんが、いろんな経験を積んできましたから、特に動じることはありませんでした。これを機にサーフィンを始めようと思い、急遽サーフボードを購入したくらいです。30歳になって試合のことばかりを考えている生活も息苦しいですし、これからはいい意味で格闘技から切り離せる息抜きの趣味を持とうかな、と思っています。そういったものを人生に増やしていきたい。今までも映画は好きだったんですけれど、人生というものを考えた時に、格闘技が中心になるのは当然として、その上でいろいろとやれたらいいですね。もちろん、格闘技をやる時はしっかりやります。上手く行く時も行かない時もありますから、そういうことにいちいち潰されないように常に練習して、また上手くストレスを逃がす趣味を持って格闘技と接していくしかないですね」

──なぜサーフィンを選んだんですか?

「夜遅くまでお酒を呑んで次の日も無駄にしてしまうのは寂しいことですし、かと言って試合がないのに厳しいロードワークをする気分になるのかと言ったらそれは難しい。海に行くのなら楽しいですし、仲間もいて、早起きも出来る、お酒も抜けますからね」

──やったことはあったんですか?

「旅行に行った時はサーフボードをレンタルしてやったりもしましたけれどね。サーフィンといっても本格的にやるわけではなく、格闘技以外の趣味を作るという意味でただ身体を動かすだけですから。水泳はずっとやりたかったんですよ。でもなかなかプールのあるジムがないので、それで海へ行こうと」

──ジムをオープンして以来、そういった息抜きができなかった?

「それはあります。常に試合を求めていましたし、試合が決まればそれに集中しないといけませんしね」

──サーフィンが格闘技に影響することってあるんですか?

「もちろんあるでしょう。ルミナさんも常々言っているじゃないですか。レスリングでバランスよく立ち上がる動きは常にやっていることですから、サーフィンにも免疫はあると思います。一番の目的はリラックス効果ですけれどね。やっぱり自然に触れるってことがいいです。海岸をランニングしてもいいですし」

──サーフボードの初乗りはしたんですか

「これが最悪なことに、デビューはどしゃ降りと曇り空でした(笑)。その夕方には戦極を見に行って、楽しい1日でしたね。僕自身も今回のメーンイベント(廣田vs北岡)の結果をしっかり受け止めないで、外の世界に出るのはちょっと気が引けるところがあったので、しっかり見届けることができてよかったです」

──そのメーンイベントのご感想を

「廣田はよく頑張りましたね。それとフェザー級のチャンピオンになった金原選手がよかった。素晴らしいガッツを見せましたよね。ああいうのは感動します」

──北岡選手が「今までありがとうございました」と引退を匂わせる発言をしていますが……

「それを決めるのは本人の意思ですから。ただ、僕も若い頃はそうでしたが、格闘技を10年以上続けて人を悪く言うのは……プロですから言ってもいいんですが、頭が悪いとかその類の発言はよくないですね。格闘技をやったら人間的に成長しないと。一生勝ち続ける人なんていないでしょう。カレリンだって負けるんですから。負けない限り天狗にもなるし、調子にも乗る。負けた時に人の痛みが分かるんです。彼にもそれが分かればいいんじゃないですかね。負けても人間的に成長すればいいでしょう」

※この続きも、戦極の大会、魔裟斗vs川尻戦、ドーピング問題など、五味が縦横無尽に語る独占インタビューは、8月8日(土)発売の『ゴング格闘技プラス』9月号増刊にて掲載!(聞き手=熊久保英幸(GBR)、撮影=林和也)

『ゴング格闘技プラス』9月号増刊

8.2戦極第九陣、8.1アフリクション消滅、7.20DREAM.10を徹底詳報した『ゴング格闘技プラス』は、8月8日(土)発売! 【(C)ゴング格闘技】

 アフリクション消滅、DREAM&ストライクフォースが全面提携へ──動乱の時代だからこそ「増刊号」緊急発売! 久々に復活『ゴング格闘技プラス』は、イーストプレスから8月8日(土)発売です。表紙は、UFCを蹴ってストライクフォース参戦を決めたヒョードル!

<主な目次>

■[徹底詳報!]
8.2戦極〜第九陣〜
8.1アフリクション消滅
7.20DREAM.10

■噂の真相。

☆opening column
真夏の戦極&DREAMが教えてくれた、
格闘技の豊かさ。

☆DREAMイベントプロデューサー
笹原圭一、真相直撃インタビュー!
「DREAMが●●で金網をやるのは“あり”でしょう」

☆世紀のドタキャン劇=アフリクション消滅と、
ヒョードル・カブリッチオ=皇帝狂想曲を読み解く。
そして、UFC×ストライクフォース、2強時代へ

☆ジョシュの盟友・藤井惠、ドーピング問題を語る。
「私とジョシュが話したこと」

☆皇帝を逃したダナ・ホワイト、かく語りき。
「ヒョードルは世界のトップファイターと戦いたがっていない」

☆今秋、ヒョードル金網へ
8.4ストライクフォースと契約!

☆MMA二強時代へ
UFC&WEC連合vsストライクフォースの
アフリクション・ファイター争奪戦はこうなる?

■8.2戦極〜第九陣〜大速報!
「戦極時代」突入!

☆“強い”じゃなく“強くなった”2人
フェザー級GP決勝に見たトーナメントのリアル

☆実力差は十分に見せつけてもなお……
日沖発、タイトルまでには辿り着けず

☆廣田の拳、“次元の違い”を砕く
王者はあわや秒殺に追い込みながらガス欠
チャンピオンシップの5R制が勝敗を変えた?

☆三崎は完勝するも
翌日から無期限出場停止

☆廣田瑞人インタビュー
北岡を撃破! 戦極ライト級新王者誕生
「北岡の引退発言? 男なら負けたまま辞めれんのか!?」

☆なぜ北岡は敗れたのか?
最も身近にいる男、セコンド八隅孝平の証言

☆試合後の会見で北岡悟は引退を示唆……

☆五味隆典インタビュー
アフリクション消滅、戦極、DREAM&K−1MAXを語る。
「ファンの皆さんにいい知らせができそうです」

☆名勝負続出! 戦極フェザー級GP決勝戦

☆金原正徳インタビュー
「チャンピオン、傷跡の数だけの誇りと決意」

☆日沖発インタビュー
「トーナメントで知った強さと弱さと」

☆GRABAKA総帥が三崎和雄の勝利と謹慎までの39日を語る。
菊田早苗「あの時、三崎は……」

■7.20 DREAM・10を読み解け!

☆師弟が語るジダ戦のKO劇。
菊野克紀×高阪“TK”剛「言葉にならない技術というものがある」

☆菊野が三日月蹴りテクニックを大公開!
オーソドックスが左足で蹴る場合、ワンアクション増える
しかし、菊野の●●でジダは三日月蹴りに反応できなかった!

☆青木真也からの提言。
「ゴン格読者、日本の格闘技ファンの皆さん
そろそろMMAの見方を変えませんか?」

☆緊急座談会「青木vsシャオリンは、是か非か!?」
勝負論か興行論か──、ファン・関係者「賛否両論」の一戦からメディアのあり方を問う!

☆中井祐樹 ◆総合格闘技論。
青木真也×ビトー・“シャオリン”・ヒベイロ
上田将勝×エドゥアウド・ダンタスから見えるもの。
「ジェラルド・ゴルドー戦で、『しがみついてばかり』とダメ出しされたら、中井さん、どうしますか?」

☆上田将勝
修斗世界フェザー級3度防衛の“絶対”王者
「弱いから練習しないと不安になる。すぐに妥協するから追い込むために試合をするんです」

☆立嶋篤史×川尻達也×山田武士
あの魔裟斗戦の激闘に、知られざる友情スパーあり。
クロストーク「絆─Defend the life─」

☆JBCの裁定は「処分なし」。
山田トレーナーと森川会長は3カ月間の「自粛」に。

☆マリウス・ザロムスキー
DREAMウェルター級王者も、カラテ出身MMAファイターだった!
「松濤館カラテを学ぶことで、距離・タイミングをつかめるようになったんだ」

☆吉鷹弘×小林聡
青木、菊野、ザロムスキーの打撃を徹底解剖!

 その他、増刊号もゴン格はガチに「格闘技」をお届けします!
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