大日本マットでデスマッチ世代闘争が勃発

タカハシ

宮本(中央)ら新世代と旧世代の闘争が開幕へ 【タカハシ】

 7月12日の横浜文化体育館大会を成功させた大日本プロレスが27日、蛍光灯200本、凶器持込みタッグデスマッチをメーンイベントに898人の観衆を集めて東京・後楽園ホール大会を開催した。
 今大会は通常とは趣向を変えて、後半3試合はあえて大日本プロレス生え抜きと他団体からの参加選手とで対戦させるカード編成となったが、メーンイベント後にはデスマッチの世代闘争がスタートするまさかの展開となった。

 メーンイベントは、先日の横浜大会で、BJWタッグ王者組である竹田誠志、木高イサミをそれぞれシングルマッチで撃破した宮本裕向、佐々木貴組が、大日本プロレス生え抜きチームである伊東竜二、“黒天使”沼澤邪鬼組と対戦した。
 今回は凶器持ち込みが許される試合形式での対戦となり、伊東組は有刺鉄線スパイダーネットと蛍光灯付のイスを、そして宮本組は机とラダーをそれぞれ持ち込んだ。互いに持ち込んだ凶器を巧みに使いながらも、レスリングの攻防も見せる大日本のデスマッチ独特のリズムでの試合展開となった。

デスマッチ世代闘争がスタート

関本(左)&岡林組がBJWタッグ王座奪取 【タカハシ】

 試合はスパイダーネットを使ってのドラゴン・スプラッシュやラダー上から机へのヤンキードライバーなど、豪快な技が惜しげもなく繰り出され、最後は宮本が蛍光灯を抱えてのムーンサルト・プレスをラダー最上段から決め、沼澤から3カウントを奪った。

 試合後にマイクを取った宮本は竹田、イサミをリング上に呼び込むと、近い将来の新世代対決をアピールした。すると、そこにアブドーラ小林が登場し、自分たちの世代はまだまだ終わっていないと言い放つと、伊東はもちろん、宮本の兄貴分でもある佐々木にも呼びかける事でデスマッチ世代闘争のスタートとなった。

 セミファイナルでは、これが初防衛戦となる竹田、木高組が関本大介、岡林裕二のインディーマット界はおろか、日本マット界でも屈指のパワーファイターコンビと通常のプロレスルールでBJWタッグ王座を懸けて対戦した。
 デスマッチルールをゴリ押しする事も可能だった王者チームだが、「BJWタッグはデスマッチのベルトではないし、挑戦者が通常ルールでの対戦を望むのであればそれを受けるのがスジ」と、王者の誇りを胸に挑戦を受ける事となった。

 体格とパワーで圧倒する挑戦者チームが、リング内はもちろん、場外戦でもそのパワーをいかんなく発揮させる展開となった。しかし、王者チームもイサミがスピードでかく乱して突破口を作ると、そこを竹田が関節技で追い討ちをかけてキャリアの浅い岡林を捕まえていく。
 しかし、関本が登場すると状況は一変し、コブラツイストやブルドッキング・ヘッドロックといった普段見せない技を披露するなど、挑戦者でありながら終始余裕を感じさせていく。王者組もイサミのダイビング・ニードロップ、竹田のジャーマン・スープレックスなどで意地を見せたが、最後は関本の、岡林もろとも投げるジャーマンや合体のアバランシュホールドから岡林のダイビング・ボディープレスで、挑戦者チームが初挑戦でタイトル奪取を果たした。

葛西がKKKデスマッチで小林を撃破

 第4試合はKKK(トリプルK)デスマッチと名付けられた新形式のデスマッチで、葛西純とアブドーラ小林が対戦した。この試合形式は、南側にはロープをカリビアン(KALIBIAN)式に有刺鉄線を巻き付け、北側にはロープに蛍光灯(KEIKOUTOU)を壁のように設置、そしてバケツに剣山(KENZAN)を用意しての3つの「K」のデスマッチとなった。ちなみに、カリビアンはCから始まるのが正しいが、大日本マットでそんな事を言うのはヤボというものである。

 試合開始早々から蛍光灯の壁に小林をたたきつけた葛西は、バケツの剣山をリング上にバラまくと、なんと自らリングシューズを脱いで裸足でこのKKKデスマッチに臨んでいく。負けじと小林も凶器シューズを脱ぐが、葛西はキチガイ度ではこっちの方が上だとばかりに、わざわざカリビアン式に有刺鉄線を巻きつけた南側のロープを使っての拝みわたりを披露する。

 その後も小林が剣山上へのゴッチ式ドライバーや雪崩式フランケンシュタイナーを繰り出せば、葛西もリバース・タイガー・ドライバーからのパールハーバー・スプラッシュで反撃し、最後は葛西が小林の頭に剣山を乗せてのイス攻撃を2度繰り返し、剣山が2個刺さったままの小林に、パールハーバー・スプラッシュを決めて3カウントを奪った。
 試合後は、観客からは勝った葛西以上の「小林」コールが起こり、敬意を表して葛西も「小林先輩」と呼びかけて、デスマッチ新世代への逆襲を誓い合った。

大日本マットを象徴する展開

 第1試合ではシャドウWX&石川修司&忍vs.佐々木義人&石川晋也&河上隆一の6人タッグが実現した。試合は体重差をものともせずに、晋也が巨体の修司をエルボーでなぎ倒したり、忍もメンズ・ワールドでは見せないシリアスな戦いぶりでヘビー級相手に正面からぶつかっていくなど、現在の若い力が結集する大日本マットを象徴するような展開となった。

 また、久々の第1試合出場となるWXも若手相手にキャリアでいなす事なく、正面から力でねじ伏せる戦いぶりで会場を沸かせていく。終盤、義人組は卍固め、逆エビ固め、アルゼンチン・バックブリーカーの競演を見せたものの、最後は忍が得意の打撃コンビネーションからのSEXボンバーで河上から3カウントを奪った。

■大日本プロレス「後楽園ホール大会」
7月27日(月)東京・後楽園ホール 観衆:898人


<メーンイベント 蛍光灯200本 凶器持込みタッグデスマッチ 30分1本勝負>
○宮本裕向、佐々木貴
(18分52秒 ラダーからのムーンサルトプレスwith蛍光灯→片エビ固め)
伊東竜二、●“黒天使”沼澤邪鬼

<セミファイナル BJW認定タッグ選手権試合 30分1本勝負>
●竹田誠志、木高イサミ
(15分36秒 ダイビング・ボディプレス→片エビ固め)
関本大介、○岡林裕二

<第4試合 “KKKデスマッチ” 30分1本勝負>
●アブドーラ・小林
(15分36秒 パールハーバースプラッシュwith蛍光灯&剣山→体固め)
○葛西 純

<第3試合 メンズワールド 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○MEN’S テイオー、大石真翔、旭志織
(15分35秒 フライング・ボディーシザース・ドロップ→体固め)
円華、ツトム・オースギ、●ヘラクレス千賀

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
大黒坊弁慶、○怨霊
(10分30秒 怨霊クラッチ)
谷口裕一、●大橋篤

<オープニングマッチ 20分1本勝負>
シャドウWX、石川修司、○忍
(9分21秒 SEXボンバー→片エビ固め)
佐々木義人、石川晋也、●河上隆一
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