パオロ・マルディーニであるということ=ACミラン公式サイト・インタビュー

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2008−09年シーズンで現役を引退するマルディーニ 【Getty Images】

 2008−09年シーズン限りで現役引退を表明したミランのパオロ・マルディーニが、サンシーロ(ミランの本拠地)で記者会見を開いた。会見の席でマルディーニは「僕はいつも、いつまでもミランのティフォージ(サポーター)だ。今のところ僕の今後は家族と過ごすこと」とコメント。現役時代の思い出や引退後の生活について自身の胸の内を明かした。

カカなしでのCL制覇はユートピアのような目標

 フィレンツェでの(セリエA)最終戦は素晴らしかった。3位獲得がかなったし、個人的にもティフォージやチームメートが親愛の情を示してくれたことが誇らしかった。僕は今も、そしてこれからもずっとミランのティフォージだ。

 カカはあのレベルにあって譲渡が決まった最初の選手だろう。過去にはああいう事態が検討されるに到ったことはない。これも時代の流れだ。
 彼はメッシ、クリスティアーノ・ロナウドと並んで世界5指に入る選手。あの決定に、チームメートやティフォージはがっかりした。経済面を計算するというのも一理あるが、達成し得る目標に焦点を絞ることにも理があり、カカなしでチャンピオンズリーグ(CL)制覇というのはユートピアのような目標だ。今は大事な転機を迎えているが、それでも僕はこのチームがとにかく常に上位を走ってくれることを望むよ。
 今日の移籍市場の難しさは、チームのレベルを一気に上げる選手を誰もが欲しがるという状況にあって、同時にイタリアサッカー界の選手獲得力も以前とは違う。そして、力のある選手をどのチームも売りたがらない。

(フランコ)バレージが引退したとき、僕はサッカー選手として道に迷ったような気がした。精神的なよりどころがなく、先は見えない。でも、クラブがしっかり動いてくれたおかげで、僕たちはリスタートを切れた。これまでたくさんの別れがあったけど、そのたびにこのチームは大きな目標を据えて、またビッグチームを築いてきた。ミランの歴史は続いていく。

結果を出すには情熱が欠かせない

 ロナウジーニョは来季、大きな責任を背負うことになるだろう。今季の彼は本当の意味でのチームリーダーではなく、この責任の重さは彼にとってプラスになるだろう。移籍市場で、ミランがどんな展望を持っているのかは知らない。2、3の修正で十分に補強ができるはずだったが、カカを失うことでほかの選手の獲得も考えなければならないだろうし、7月6日にミラネッロ(スポーツセンター)に集合してレオナルド新監督の手に託される時までには、チームの形ができてないといけない。レオナルドにとっても、これはまた大きな挑戦。これはひとつの賭け、ミランはこれまでその賭けに勝ってきたけれど、今回もまたいい結果を出せることを願っている。

 満足のいく結果を出すには、情熱が欠かせない。ミランの移籍市場での動きがすでに終わったというのは違う。まさに今始まったばかりだ。ピルロ? 彼を熟した選手とみなすのはまだやや早い、彼はまだ30歳だ。詳細は知らないし、クラブの考えも分からないが、彼はミランを去る前には10回どころか100回も考えをめぐらせないといけないだろうね。パトに関しては、カカのような話はないと思う。彼は19歳ながら並ではない才能の持ち主、彼はここに残らないと。

 力のある選手を世に出すには、クラブの方向性に添うユースチームを持つことが大事。(コーチの)フィリッポ・ガッリはその役割を担うだけの力があると思う。この点、僕らは出遅れたけどあと3〜5年の間には成果が見られるんじゃないかな。
 誰がミランのキャプテンになるか知らないが、これまでの慣習からいくとアンブロジーニという話になっていた。ただ、この決定は監督に委ねるというのもアリだと僕は思う。すべてはレオナルドの指揮次第、それで特に問題はないと思う。

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