折茂主将「やっと一歩を踏み出したところ」=東アジアバスケ選手権 選手コメント

松原貴実

東アジア選手権で準優勝し、アジア選手権の出場権獲得した日本代表。ホッブスHCは「進む方向をしっかり定めアジア選手権に向かって行きたい」と語る 【小永吉陽子】

 6月10日に開幕した第1回東アジアバスケットボール選手権大会、13日に行われた準決勝で中国を破った日本代表はその時点で上位2チームに与えられるアジアバスケットボール選手権大会(8月、中国・天津)の出場チケットを手にした。しかし、14日の決勝戦では宿敵・韓国に敗れ、優勝の夢はかなわなかった。
 試合終了後のインタビューで「選手たちは一生懸命戦った。ベンチワークがうまくいかなかったのは私の責任」と声を落としたデイビッド・A・ホッブスHCだが、時間を置いた記者会見では「今日の試合を反省材料にして、マンツーマンもゾーンもオフェンスを強化していかなければならない。私たちはたくさんの宿題を抱えているが、進む方向をしっかり定めアジア選手権に向かって行きたい」と、力強く語った。そのホッブスHCとともに次なる目標に挑む12人の選手たち。大会中に語った彼らの声を集めてみた。

折茂武彦「まだやっと一歩を踏み出したところ」

(準決勝で中国を破り、大会2位以上が確定した後)「勝てて本当に良かった。負けてしまったら何のためにキャプテンになったのか分からない。(竹内)公輔、(竹内)譲次がリバウンドを頑張ってくれたし、後半は若い選手がよく踏ん張ってくれました。僕たちは勝つことを第一目標としてやってきたし、勝つことで成長していきたいと思っています。 負けて、負けて、コテンパンにされて、さて、どうしようか?というのがこれまでの日本でしたが、その日本を変えるためにはまず勝つこと、勝つためには自分たちの意識を変えていかなければならない。そのことは(キャプテンとして)合宿中もみんなに言ってきました。その意味でも今日の『勝ち』を忘れてはいけないと思っています。とはいえ、まだ東アジア大会ですから、まだやっと一歩を踏み出したところ。最終目標である世界選手権出場を目指して、さらなる努力をしていきたい」

五十嵐圭「チーム自体は良くなっているが、僕個人としては全然ダメ」

(モンゴル戦に大勝したあと)「今日はスピードを生かしてみんなが動き回り、ノーマークから確率のいいアウトサイドシュートを決めて……と、日本らしいいい展開ができたと思います。ただチーム自体は良くなってきているのですが、僕個人としてはまだ全然ダメ。 スピードをしっかりコントロールする、アウトサイドシュートをしっかり決めるといった自分の課題をクリアしてチームに貢献したいと思っています」

柏木真介「勇太さんが抜けて、その分責任の重さを感じていた」

(アジア大会のチケットを手に入れて)「安心しました。代表に選ばれた時から自分がチームを引っ張っていこうと思っていたし、それは今でも同じですが、やはり勇太さん(田臥=NBAミニキャンプ参加のため、大会前に渡米)が抜けて、その分責任の重さを感じていた。今は荷が下りたなと、ちょっとホッとしています。
 でも、当然まだ課題は多い。特にゾーンになった時、もっとうまく攻めたい。パスは回っているけど、選手が動けていないというか、イン、アウトの息がまだ合っていない点などをこれから改善していかなければと思っています」

竹内公輔「リバウンドの練習が、試合で生きた」

準決勝の中国戦でダブルダブルを達成した竹内公「リバウンドの練習をしてきて、今日の試合でそれが少しは生きた」と語る 【小永吉陽子】

(中国戦で15得点、12リバウンドをマーク)「今日まで不調で、同じくチャイニーズ・タイペイ戦で不調だった良太(桜井)と『頑張ろう!』と声を掛け合っていました。中国はベストメンバーではないので、そこに負けるのは悔しいから絶対勝ちたいと思っていました。
(中国は)とにかく高くてリバウンドの強いチームですが、日本も合宿中ずっとリバウンドの練習をしてきているので、今日の試合でそれが少しは生きたのではないかと思っています」

竹内譲次「チームとして向上していかねばと感じている」

(チャイニーズ・タイペイ戦15得点、10リバウンド、中国戦11得点、14リバウンドの活躍)「リバウンドを取るのが自分の仕事。体の大きい中国にセカンドチャンスを取られると、そこでブロックできなくなってしまうので、それを意識してプレーしました。ただ中国はフル代表ではない若いチームだったので(戦い方によっては)20点差つけて勝てる相手だったと思います。点差を詰められたのは自分たちのミスから。そういうところを修正してチームとして向上していかねばと感じています」

桜井良太「チームに少しは貢献できたと思えることがうれしい」

(準決勝ではダンクを披露する活躍を見せて)「大事な試合に勝ててホッとしています。自分は12人の中に選んでもらったのに、これまでチームのために働けなくて……。(持ち味であるスピードあふれる)ドライブはいつも心がけてはいましたが、練習でも試合でもなかなか自分のイメージ通りに体が動きませんでした。
 でも、自分がやらなきゃいけないという気持ちを忘れずプレーし、やっと(チームに)少しは貢献できたと思えることがうれしいです」

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著者プロフィール

大学時代からライターの仕事を始め、月刊バスケットボールでは創刊時よりレギュラーページを持つ。シーズン中は毎週必ずどこかの試合会場に出没。バスケット以外の分野での執筆も多く、94『赤ちゃんの歌』作詞コンクールでは内閣総理大臣賞受賞。

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