岡田監督「豪州に勝てなければベスト4は無理だ」=日本代表 岡田武史監督インタビュー

論スポ
 日本代表は17日、ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のラストマッチとなるオーストラリア戦を迎える。今年2月の対戦はホームでスコアレスドロー。日本は終始ゲームを支配しながらも、最後までゴールをこじ開けることができなかった。この試合を指揮官はどうとらえているのか。また、目前に迫った第2ラウンドにはどんな意味があるのか。
 スポーツジャーナリストの玉木正之氏が岡田武史・日本代表監督を直撃した。

オーストラリアを負かしたい

オーストラリアに勝てないようではベスト4は無理だと話す岡田監督(左) 【ホンゴユウジ】

――オーストラリアとの最終戦は、グループでの1位を目指すための試合になるのですか?

 1、2位にもわたし自身はこだわっていません。とにかくオーストラリアには負けるのは嫌なんでね。勝つと自然に結果として1位になるのかなと。1位になるためではなく、われわれのやっているサッカーで、少なくともオーストラリアレベルには勝てるということを証明していかねばなりません。そうでないと、W杯でベスト4なんて無理なわけですからね。

――オーストラリアにはの「には」の部分にひっかかったんですが

 オーストラリアはアジアの中で抜けていますよ。個人のレベルとしてね。ほとんどの選手がヨーロッパでレギュラーを張っているわけでしょう。今まで日本人でプレミアリーグでレギュラーを張った選手は過去に1人もいませんよ。プレミア、セリエA、リーガ・エスパニョーラの3大リーグでもレギュラーを張ったのは、唯一ヒデ(中田英寿)くらいでしょう。それもペルージャのときだけですよ。ローマ、ボルトンではなっていない。オーストラリアは、2人くらいはレギュラーではない選手がいるけれど、ほぼ全員がレギュラーですよ。個人レベルで比較すれば圧倒的に日本より上の、いいチームですよ。でも、フランスや、イタリア、ブラジルと比べれば格落ちします。少なくとも個人レベルではアジア・ナンバーワンかもしれないけれどね。ならば、そんなオーストラリアくらいは負かしたい。

――オーストラリアを負かせるくらいでないと、ベスト4というものには手が届きません

 だから、負かせなければならないし、敵地であろうが、できると思っていますしね。ただ、今のところ真正面からぶつかっていくつもりです。もし、ここで策を打って、そこそこいい試合をして勝っても何も見えない。真正面からぶつかって『何が足らない』『何ができるか』が見えてこないと意味がないわけですよ。この前のホームでやったオーストラリア戦でも、そうですけれど、僕は一切、策は打たないしパワープレーもしなかった。それは決めていたんです。だから見えてきたものがありましたしね。

ゴール前に入っていかなきゃいけない

ホームでの豪州戦はスコアレスドローに。岡田監督はゴールに向かう積極的な動きが必要だと語る 【Getty Images】

――ホームのオーストラリア戦では相手が引き分け狙いで思い切り守備的でした。あれだけ守られると、FWにこじ開ける力はありませんね

 僕は、そういう見方はしていないんですよ。逆に言うとオーストラリアがアジアであれだけボールを相手にキープされたことは初めてですよ。僕は「こういう相手にもあれだけ回すことができるんだ」と思った。それに、あれだけ守られると、世界中、どのチームも、簡単には点は取れません(笑)。でも引き分けに満足してはいけない。

 何が勝つために必要なものだったのか。1つ見えたポイントは、ゴール前に入っていかなきゃいけないということです。「中盤で回すのに人数をかけているのでゴール前に入れません」では、彼らに勝てませんよ。彼らは、中盤で日本みたいにボールを回すならば、きっとゴール前には入れないでしょう。でも、われわれは回したところからまた入っていく、だから勝てるんです。「前線でプレッシャーをかけているからゴール前にいけません」。それじゃあ勝てないんです。前線の選手も守備に参加し、なおかつ、ゴール前でシュートを打てなきゃダメなんです。そういうことが徐々に見えてきているので、僕は、あのオーストラリア戦をネガティブにとらえていないんです。

<論スポでは本インタビューの全文をお読みいただけます>

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総合スポーツ雑誌「論スポ」の第4弾は日本代表特集 【論スポ】

6月15日、全国発売の総合スポーツ雑誌「論スポ」の第4弾は、4大会連続となるワールドカップ出場が決まった日本代表特集号です。「スポーツを論じる」をコンセプトにした本誌は、今回も岡田武史代表監督vs.玉木正之、犬飼基昭サッカー協会会長vs.金子達仁、ボランチの遠藤保仁vs.作家の馳星周など中身の濃い特集を用意しています。また、「ここがやばいよ! 南アフリカ」などの企画ものから、テレビ媒体とは一味違った本音のオシムインタビューも掲載。ぜひ手に取っていただき、ワイワイガヤガヤの議論のネタにしていただければ幸いです。
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