大晦日の田村vs桜庭&K−1勢大惨敗を徹底検証!=kamipro発

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田村vs桜庭ほか「Dynamite!!」を徹底検証! 【(c)乾晋也/kamipro】

 魔裟斗や山本KIDや秋山成勲が不出場だったにもかかわらず、熱戦につぐ熱戦でおおいに盛り上がった大晦日の『Dynamite!!』。ついに実現した因縁の田村潔司vs桜庭和志の“読み方”を中心に、格闘技の祭典を元旦早々から、『kamipro』ジャン斉藤編集長、編集部の堀江ガンツ、格闘技ライターの橋本宗洋氏の3人で振り返ります! う〜、ダイナマイッ!!

――あけましておめでとうございます! 今年もプロレス格闘技マスコミの宿命として、正月休み返上で昨年大晦日の『Dynamaite!!』を振り返りたいと思います。

橋本 例によって元旦から仕事ですよ。

ガンツ さらに4日には『戦極』もあるしね(笑)。

――というわけで、昨日はUWFの最終回ばかりか、K−1の最終回まで実現しちゃったわけですが。

橋本 最終回……。たしかにK−1ファイターがK−1ルールでMMAファイターにあそこまで負けると、そんな気もしちゃうよなぁ。

ガンツ フジテレビの『K−1 WORLD GP』という番組自体もこのままだと最終回をホントに迎えかねないというか(笑)。

――そこで今回はUWF専門家の堀江さんと、K−1専門家の橋本さんに反省の弁……いや、お話を聞きたいなあ、と。

橋本 こんなときだけK−1専門家扱いするな!

ガンツ 僕の場合は専門家ではなく、研究家です。

武蔵(右)の“まさかの”敗戦、その原因は……? 【(c)乾晋也/kamipro】

――(無視して)昨日の『Dynamaite!!』は非常におもしろかったですよね。

橋本 一年の最後に年間ベスト興行が出てきたね。1ラウンド決着が多くてパッと見のおもしろさもあったし、一方で語りがいのある試合もあって。

――この前日に開催された『ハッスル・マニア』を観て思ったのは、おもしろかったんですけど、思ったより余韻がないなってことだったんですよ。高田と武藤の千両役者ぶりはホントに最高だったんですけど。

橋本 俺、ちゃんとはよく観てないからわかんないけど、余韻がないってことは、『ハッスル』は瞬間最大風速路線に変わっちゃったの?

ガンツ 『ハッスル』というか『ハッスル・マニア』がそうだったんだよね。たぶんお祭り的なことを望むあまり、余韻がない方向になっちゃったのかも。

――『Dynamaite!!』も言ってしまえばお祭り的なマッチメイクが並んだので、田村vs桜庭以外は余韻がないのかなって思ったんですが、蓋を開けてみれば……って感じでしたね。

橋本 とくにさっき言ったK−1ファイターvsMMAファイターの3試合ね。

ガンツ 結果的にK−1側が3人とも完敗して、見事なジョバーぶりを発揮したというか(笑)。

橋本 アイツら仕事できるな〜みたいな(笑)。

――こらこら、感心してないで、K−1派の橋本さんはまずは反省でしょ。

橋本 だから濡れ衣は止めろっつうの! これまでに申し訳ないという気持ちを何万回も伝えてきたんだから(笑)。

川尻(奥)の勝利はまさに“勇気のチカラ”だった 【(c)乾晋也/kamipro】

――まるでバダ・ハリだ。反省の色なし!

橋本 そもそも俺は『kamipro』のケータイサイトのコラムに「この企画は絶対におもしろくなる」って書いてたから、「な?」って言いたい気持ちと、武田がKOされるのを目の当たりにしてショックな部分もあって複雑ではあるね。でも主催者側はこうなる可能性を含んだマッチメイクをしてるんだよね。武田は打たれ弱くなってるし、バダ・ハリだって今年は試合データがたくさんあって弱点が見えやすいし、もっと言えば3週間前に試合してるわけだから。だから一番、意外だったのは武蔵。もう「何やってんだ?」としか言いようがない。

ガンツ 昨日の大会を観て、K−1だけじゃなくていろんな試合に言えるんだけど、単純にやっぱり“本気”の人は強いなって思ったね。

橋本 だから後になって考えると「勇気のチカラ」っていうサブタイトルはよくつけたなって感じだよね。全体に言えることとして、受けて立つほうが負けてるんだよ。本気になって踏み込んだほうが勝ってるっていう。

ガンツ K−1ルールに臨んだMMAの選手は相手の土俵に立つってことで、もう本気も本気でやらないといけない状況だったわけだよね。とくに川尻なんかは勝つために相当に自分を追い込んで。かたやK−1ファイターは、ハッキリ言って公式戦でもなんでもない試合、ある部分でエキシビション気分で臨んでたんじゃないかなって。

橋本 まぁ、K−1ファイターは普段どおりの力を出せば絶対に負けるわけがないっていうのはあったと思うね。負けたら恥さらしっていうのはわかってても、心のどこかに余裕があって。だから技術的にはK−1ファイターでも、MMAファイターが気力で勝ちを引き寄せたっていうか。

――武蔵なんかは試合後のコメントだけは非常に見苦し……、いや、たいへんおもしろかったんですけど(笑)。

橋本 かっこ悪い話でさ、武蔵は閉会式で選手がみんなリングに集合しているのに、コメントブースでコメントを出してたからね(笑)。もう会場の雰囲気の中にいたくなかったんだろうな。

――入場したらブーイング、クリンチしたらブーイング、しかも押し倒されて頭を打ってるのに拍手が起きて。

ガンツ レフェリーの角(田信朗)ちゃんも紹介されただけでブーイングだし(笑)。

――このアウェイ感を「まずい空気」って表現した気持ちもわかりますねぇ。

橋本 だからK−1というでき上がった世界でしか闘ってきてない功罪だよね。今回の『Dynamaite!!』は関東で初めてやったわけだけど、いままで開催していた大阪とは比べものにならないくらいのDREAMファン、もっと言えばPRIDEファンが来てただろうし、K−1とのイレギュラーが起こるのは当然な部分もあるんだけど。

このあとも、『Dynamite!!』で浮き彫りになったK—1論から佐藤大輔の煽りV、名勝負となった中村大介vs所英男戦、もちろんメインイベントの田村vs桜庭戦についてもたっぷりと語ってます! 詳細は『kamipro Special 2009 FEBRUARY』をチェック!!

【09年1月1日/『kamipro』編集部にて収録】

(試合撮影/乾晋也)

『kamipro Special 2009 FEBRUARY』

【kamipro】

1月10日発売 定価860円(本体819円+税)発行/エンターブレイン

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