G大阪の西野監督「ガンバのサッカーはやらせてもらえない」=クラブW杯

スポーツナビ

マンU戦に向け、最終調整を行うG大阪の選手と西野監督(右) 【写真は共同】

 11日に開幕を迎えた「TOYOTA プレゼンツ FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2008」(以下、クラブW杯)に出場するアジア代表のガンバ大阪が17日、横浜国際総合競技場で記者会見を行った。
 会見には西野朗監督とキャプテンの山口智が出席し、18日に行われる準決勝のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド、以下マンU)戦への意気込みを語った。
 この試合の勝者は、21日の決勝でリガ・デ・キト(エクアドル)とクラブ世界一を懸けて戦う。

ガンバのパスサッカーはやらせてもらえない

――世界で最も有名で強いクラブ、マンUと戦うわけだが、G大阪も非常に攻撃的なチーム。明日もそのスタイルを貫いて戦うのか?

西野監督 素晴らしい対戦相手ということで、自分たちのチームスタイル、選手個々が持っているプレースタイルを少しでも実戦で発揮できれば素晴らしいと思いますし、そういう時間帯をたくさん持つことにポイントを置いてチャレンジしていきたいです。ガンバのスタイル、中でもオフェンシブな部分が期待されていますし、(それが)自分たちの特徴だと思っています。
 いままでやってきたスタイルがどこまで通用するかというのは、計れない部分がたくさんあると思います。次元の違う相手と対戦するので、そういう(自分たちの)時間を見つけるかということに対して、とにかく臆することなく自分たちのスタイルをスタートから集中して出していきたい。コンディションについても、1試合やって雰囲気も分かったし、悪い状態だとは思っていないのですべてを発揮したいと思います。

――マンUと戦うに当たって、チームメートはどのような感じか?

山口 食事やバス移動のときにマンUの試合を見ることが多いです。今まではプレミアリーグの試合を見て、すごいと感じていただけだったのですが、対戦相手がマンUに決まったときから、分析、イメージしながら見るようになりました。僕らも(自分たちが)どこまでできるかというのは興味があります。マンUがすごいのは分かっていますし、変な先入観を持たずに、強気に自分たちのサッカーを出せればいいと思います。

――世界中の人が、マンUが勝つと思っていると思うが、その中で勝てるチャンスはあると思うか?

山口 サッカーなので、内容が良いだけでは勝てない。確かに僕ら自身もどういう戦いになるかは分からないですが、チャンスはあると思います。チャンスは多くないですが自分たち次第だと思うので、自分たちのサッカーをして、マンUが勝つと思っている人たちを驚かせることができればいい。それがサッカーの醍醐味(だいごみ)だと思っています。僕自身は勝てないとは思わないので、強気で臨みたいです。

――どのようなチャンスを作るイメージを選手に指示するのか?

西野監督 もちろん選手には全幅の信頼を置いていますし、限りなくゼロに近い勝率にチャレンジしてほしいです。わずかなチャンスを作るイメージを試合の中で持ち続けてほしい、ゴールへの意識を持ち続けて戦ってほしい、まずそこですね。激しいハイプレスがマンUの特徴でもありますが、空中にあるボールへは誰もプレスを掛けられないわけで、シンプルな攻撃の中でチャンスをいかに生かせるかだと思います。どんなプレッシャーも使えないようなシンプルなプレーで、それは(つながる確率が)50%対50%のボールかもしれないですけれども、リスタートも含めて、そこにチャンスが出てくるかもしれない。おそらくパスを10本つなぐようなガンバのパスサッカーは、やらせてもらえないと思います。有効なボールを全員がいかに生かせるか、そういうイメージを常に持ち続けてほしいです。

西野監督「僕自身も少しはキャリアを積んだ今がある」

――(アトランタ五輪で日本がブラジルに勝った)「マイアミの奇跡」との共通点は? ファーガソン監督はスコールズ、ギグス、クリスティアーノ・ロナウド、ルーニーをプレーさせると発言したが、どう思うか?

西野監督 こういう状況になると、「マイアミの奇跡」についての質問はいろいろなところで聞かれますが、あのときは自分も、選手たちも奇跡とは思っていませんでした。狙ったことを実践できて、相手に自由にプレーさせなかったという確信は持っていましたし、あのネーミングはピンとこないです。さらに、いまさら言われてもと思います。ファーガソン監督のことはリスペクトしていますが、僕自身も少しはキャリアを積んだ今があるわけです。ネクタイをする、しないという話題もあるようですが、するつもりはないですし、自分のスタイルで臨みたいと思います。

 スタメンを言ってくれたということは、(13日の)トッテナム戦とは違うメンバーで来るんだと思います。正直に受け止めたいとは思いますが、どういうメンバーでくるかはいろいろ柔軟に考えたい。素晴らしい選手たちがいるのは変わらないので、われわれも柔軟に対応したい。明日のスタメンが発表されてから考えたいと思います。

――初戦のアデレード戦から主力選手2人が欠けた状況になるが、どのように穴を埋めて戦うのか? 先制点を取ることが重要になると思うが、どのように戦うつもりか?

西野監督 残念ですね、2人が離脱して。二川は(チームに)戻しましたが、万全でないことは間違いないです。今日も別メニューでトレーニングする予定ですし、回復を祈って、明日のピッチに立たせたいという気持ちはあります。苦しい今シーズンを変えてくれたのは、彼らの力が強かった部分もあります。固定したメンバーでやれていたのも、彼ら2人がいたからというのもあります。大事なセカンドラインの2人が欠場する中で、メンバー編成は自分の中で固まっていません。今日のトレーニングで自分の中で考えたいと思います。選手には(前日に)スタメンを伝えるつもりはないです。明日のコンディショニングや状況を見て決めたいと思います。

 先制点は、マンU相手ならどのチームでも非常に難しい。プレミアリーグを見ても先行されたことはほとんどない。もちろん、そういう展開に持っていければマンUも本気になってくるでしょうし、そうしたいとは思いますが、まずは流れに慣れることができたとしたら素晴らしいことだと思います。それを強調したスタートにしたいと思います。

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