G大阪の西野監督「ガンバのサッカーはやらせてもらえない」=クラブW杯

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相手のゴールに近いところで勝負したい

――ガンバのスタイルはアタッキングサッカーだと思うが、明日はガンバの良さを出し難い試合になると思うが、選手たちにどのような指示を出すか?

西野監督 アタッキングサッカーというのは、今シーズンに限っては一人歩きというか、実戦の中ではそれほど発揮できていないと思います。試合のコントロールはできていると思いますが、ゴールに対するフィニッシュに関しては、昨年から40%以上減っているので、それが今シーズン苦しんだ理由でもあります。素直にアタッキングサッカーが実践できているかというと、決してそういうことはないと思います。

 選手はそれを分かった上でシーズンの後半を戦ってくれて、ディフェンシブになる場面やきん差での試合を勝ってくれました。ゲームコントロールの中でそういう試合を(勝って)ここまで持ってきてくれたと思います。アタッキングサッカーからは程遠いガンバだったと思います。明日もそういうゲームを目標にしています。選手全員がその意識を持っていますが、マンU相手に(ボール)ポゼッションが半分取れるわけがない。これは現実的な問題です。その中で、常に相手のゴールに対する意識を持ち続けてほしいと思います。マイボールになった瞬間にボールを動かすだけではなくて、相手のゴールへ向かう姿勢、そういうメッセージを送り続けたいと思います。ディフェンスでもゴール前にへばりついて、かき出してという戦いはない。積極的なディフェンスを前から仕掛けていく上で、相手のゴールに近いところで勝負したいと思います。

――日本には多くのマンUファンがいる。G大阪はJリーグのチームだが、明日の試合でサポーターの声が大きいのはどちらのチームだと思うか?

西野監督 そのシャツ、素晴らしいと思いますね(記者がG大阪のカラーである青いシャツを着ていた)。日本には多くのマンUファンがいて、彼らの力がマンUに大きな力を与えているのは感じています。ガンバも大阪だけではなくて、全国にガンバのサッカースタイルに共感してくれるたくさんのファン、サポーターがいますので、明日のスタジアムが少しでもブルーに染まってくれたらうれしいです。

――西野監督は、ラインを下げずに積極的にボールを取りに行くと言っているが、山口選手はマンUの攻撃陣に対してどのように守るのが有効だと思うか?

山口 どんな試合でもそうですが、どれだけ相手に窮屈さを与えられるかが大事だと思います。引いて守るのは簡単ですが、相手への圧力がない。相手は世界一のチームだと思いますし、イメージし難いですが、自分たちが今までやってきたかけ引きをしながら、相手には日本語も通じないので味方同士で話をしながら、楽しんで自分たちのスタイルで戦いたいです。JリーグやACL(AFCチャンピオンズリーグ)と同じように、臨機応変にできればいいと思っています。

――マンU戦はG大阪にとって、最も世界的に注目される試合だと思うが、G大阪の名を世界に知らしめられると思うか?

西野監督 選手にも常に言っていることなんですが、われわれはプロであり、常に勝負をしていく集団である以上、どんな相手でも勝負にこだわる気持ちを持てと。明日はガンバにとっては素晴らしい試合になると思います。公式戦でマンUと戦えるということ、そこから多くのものを得て、勝敗にこだわって、常に戦うスピリットを持ってほしいということだけですね。自分たちが勝ち取った試合なので、自分たちですべてをコントロールしたい。総力を挙げてチャレンジしたいと思います。

<了>

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